長らく読んでいた中国SF小説の三体をついに読み終えました。（※ついに、というのは在宅勤務が多くなって、通勤時間の読書がなくなったためなかなか読み進められなかった、という背景からくる副詞です）
非常に面白い小説だったので忘備録として感想を書いておこうと思います。
まず、三体は計5冊のシリーズになっており、三体、三体�供＾店�森林（上下）、三体�掘〇狄星弊検幣絏次砲�らなります。（合計ページ数は2000ほど）
タイトリングから分かる通り、物語は3つのパートに別れており、それぞれで主人公を変えながら物語が進行していきます。
タイトルの三体、というのは地球から4光年離れた3つの恒星によって予測不能な周期で繁栄と滅亡を繰り返す星の文明の名前です。
物語は地球よりも科学レベルが進んでいる三体文明に対して地球の位置が明らかになり、三体文明から侵略を受けることになる最初のきっかけから始まっていきます。
まず面白かったのは三体文明の侵略船団が地球に到着するまで400年かかるというもので、宇宙という空間の隔たりが横たわっているという設定です。
量子通信と低次元に展開した陽子のコンピュータ”智子”によって情報スパイと科学研究の妨害が前哨戦としてくり広げられ、それに対して人類はいくつもの計画を立てて対応していきます。
2つ目のパートである”暗黒森林”では、あらゆる情報が”智子”によって三体文明に知られてしまうという状況下で打ち出された壁面計画の物語が繰り広げられます。
壁面計画は人間の頭の中は知ることができないことを利用し、三体文明に対抗する戦略を選ばれた壁面者という個人の頭脳だけで実行するというものでした。
最終的に三体文明に対する抑止力としてフェルミのパラドックスの一つの解釈である暗黒森林という概念が持ち出され、最終的に三体文明との平衡状態を作り上げることに成功しました。
最後のパートである”死神永生”では、あるきっかけで抑止力を失い、結果として両文明が暗黒森林攻撃にさらされる事になりました。
暗黒森林攻撃にどう対処するかがメインのパートになりますが、そのヒントは三体文明の戦艦にいる一人の人間からもたらされました。
とまあ、長々とあらすじを書いていましたが、私が一番おもしろかったのは数世紀に渡る深い世界の変化と三体文明の関係でした。
ときには寡黙な侵略者、あるときには共生する隣人、そしてあるときには残酷な支配者、最後は滅亡の運命をともにする隣人と、目まぐるしく三体文明と人類の関係性は変わっていきます。
歴史の大河を見ているかのような壮大で変化していく世界感が新鮮でいい作品でした。
また曲率推進ドライブや暗黒領域というアイディアが物語の中に入っていたこともきれいで見事でした。
単なるメタファーとして使われているのかとも思いましたが、きちんと物語最後との相似関係がまるでフラクタルのように入っており、美しくまとまっていました。
さて、つらつらと書いてきましたが、総括してこの大河SFとも言える”三体”は素晴らしい作品でした。
海外のSFと言ったらもっぱらアメリカが主流でしたが、中国のSFにも目が話せませんね。
以上
【最近のGratitude】
・Many good words
For long year, I think “good romantic words only in literatures”. So I avoid business, practical books for a long time. But recently, I notice that a lot of business books contain very deep and romantic words. I met a lot of excellent poetries, wise sayings, the great teachings in books which I keep away from. I learn a lot from them.
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