昨日のドラフトで受けての今日の試合。お互いにエースと第2エースがドラフト指名された早稲田と法政。プロ入りを決めたエース同士の素晴らしい投手戦となった。
早稲田の先発は大阪桐蔭出身でベイスターズ2位指名の徳山君。法政は福岡大大濠で同じくベイスターズ4位指名の三浦君。
三浦君は先攻の早稲田打線を2分で三者凡退に取ると、その裏徳山君は法政の先頭で1年生の西村君にライト線を破られ2塁打を打たれた。記録を見れば徳山君はその後は連続三振と内野フライに打ち取っているが、それでもこのイニングの法政の攻撃時間が15分を超えた。徳山君は打ち取ってはいるがすべてフルカウントまでいっており投球数も多くを数えた。
2回3回はともに三者凡退に抑えるが三浦君の球数は少ない。ほとんど高めにはいかず正確な制球力をもってリズムよく打たせていく。対する徳山君はどちらかいうとボールが高い。それでいても四球を出さないことは彼の根性だったのかもしれないが、序盤では三浦君の方に余裕が感じられた。
降りしきる霧雨が2階席にいるボクたちもずっしりと濡らしていく。センター方面からの強い風で屋根のある2階席にも霧雨が流れ込む。逆に普通の観客席で傘をさしていた方が濡れないような気もした。それほどの気にならないはずの雨が長い時間においてボクのカメラを覆ったハンカチはびしょ濡れにし、スコアを書いたノートはじっとりと湿った。
それでも法政ベンチ上にはいつものちびっこチアがレインコートを着てダンスを踊っている。
試合は5回を終わって0−0。だが早稲田はそれまでパーフェクトに抑えられていた。しかし徳山君も初回の先頭打者に打たれただけでその後はパーフェクト。しかも三浦君を上回る7つの三振を奪っていた。
6回2死から徳山君がセンター前に運び早稲田は無安打試合を逃れ、7回はお互いに校歌斉唱の声援を受けて無死から走者を出した。早稲田は中川君がライト前に運び、2塁まで進んだが無得点。法政は斎藤君が頭で死球を受け1死3塁のチャンスを作ったが今泉君の三遊間を破らんかという打球を熊田君が好捕、素早いバックホームで刺しこちらも無得点。
ともに良さを出した投手戦。結局は引き分けに終わるのだが、そこでボクが一番の選手としては早稲田の原君を挙げたい。8回表の2死1塁の場面で徳山君に打席が回り代打が出されたため8回裏から登板した投手だ。
ドラフト指名投手同士の息詰まる投手戦。その後を継いだ原君は試合を壊すわけにはいかない。それでも9回2死まで1安打1四球で無失点に抑え、最後の一人は加藤君が登板して1球で仕留め引き分けた。緊迫した状況の中での冷静な投球にハートの強さを感じた。
素晴らしい投手戦による引き分け。できれば好天の下でこの試合を観たかった。
2021年10月12日 東京六大学野球秋季リーグ戦 第5節1回戦(於 明治神宮野球場)
早稲田
000 000 000 = 0
000 000 000 = 0
法政
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