mixiユーザー(id:3210641)

2021年07月17日16:37

172 view

【バレエ】「美女と野獣」使用曲


正直に記すと、初めて観た時は、ところどころ気に入った部分はあったが、ここまではまるとは思っていなかった。視聴期間が2週間あるからと面白い部分を繰り返し観ているうちに、気づけばすっかり虜になっていた。

近年、大御所と呼ばれる振付家の、ダンサーが踊りにくそうにしていたり、場面と曲、振付がばらばらな作品をいろいろ観ただけに、曲に寄り添い、場面のイメージにぴったりで、ダンサーたちも楽しそうに踊っている振付は本当に心地良く、それもはまった理由のひとつかもしれない。

またこの作品は、ビントレーさんの置き土産とも言える宝満さんが、新国の黄金ペア、小野さんと福岡くんのために創った作品だが、脇を固める踊り手たちも、NBAの野久保さんや、いま新国から抽出するとしたらこの人という、まさに精鋭。彼ら彼女らが、舞台に厚みを出している。

使用曲はすべてショスタコーヴィチの作品で、彼には暗い寒い激しいというイメージしかなかったから(不勉強を反省)、その多彩な才能にいまさらではあるけれど驚いた。

ACT1

1
プロローグ
Dances of the Dolls : V Waltz-Scherzo

スケルツォなのでスピーディに弾くのが本来の姿のようだが、それではこの作品のベルのイメージではないから、テンポを落とし上品に演奏したバージョンを音源に使っている。

またお師匠さまのご記憶通り、「明るい小川」の始まって10分くらいしたところで、編曲はされているがこの曲が使われている。

2、3、4
ベルの愛想笑い
劇音楽「南京虫」(The Bedbug)Op.19 : Part 1, Fire Signals 1-2-3-4
劇音楽「南京虫」Op.19 : Part 1, Firemen’s Choir
Dances of the Dolls : VII Dance

章題には「愛想笑い」とあるが、実際は3馬鹿こと求婚者(新国の中家さん、木下さん、スタダンの池田さん)たちに言い寄られて困惑・迷惑顔のベル。一方3人は踊りにキレがあり、演技も面白い。

5
父、迷子になる
映画音楽「女ひとり」(Odna) Op.26 : Reel 5, The children play and dance with her

3馬鹿にいじりまくられ、薔薇の化身にはもてあそばれるお父さんは八幡さん。今はロサンゼルス・バレエに籍を置いているんだな。

6
不気味な城
映画音楽「女ひとり」(Odna) Op.26 : Reel 6, A snowstorm starts to build

7
野獣登場
映画音楽「女ひとり」(Odna) Op.26 : Reel 6, Snowstorm

8
父、帰還
映画音楽「女ひとり」(Odna) Op.26 : Reel 6, Calm after the Storm

9
ベル、野獣と対面
Hamlet Suite : Prelude

10
ベルの悲しみ
The Counterplan Op.33 : II Andante

11
夢の中の出会い
Gadfly, Suite Op.97a : Romance

12
おさる隊長、登場
The Counterplan Op.33 : I Presto

隊長は新国の福田くん。彼と野獣のやりとりはボケとツッコミのコントのよう。かと思えば勢いのあるバリエーションで場を盛り上げる。

13
野獣の苦悩
映画音楽「女ひとり」(Odna) Op.26 : Reel 1, Barrel-Organ

14
忍び込み
映画音楽「女ひとり」(Odna) Op.26 : Reel 4, The Village chairman drinks tea with his wife

15
晩餐会、開宴
Jazz Suite No.2 : Dance No.1

16
おさるのダンス
Jazz suite No.1 : Polka

17
3羽と孔雀
映画音楽「女ひとり」(Odna) Op.26 : Reel 1, Galop and song “How Good Life will Be !”

3羽はカナリア(新国の奥田さん)、オオルリ(新国の五月女さん)、ローズフィンチ(NBAの野久保さん)とのこと。孔雀は単体だと気づかないが、8人のカナリア群舞がそれぞれ尾羽を持ち、孔雀のソロのあと背後に並んで羽を広げているところを表現している、というのを何度か見返している時に気付いた。(笑) ちなみにサルたちは近衛兵、鳥たちはメイドが仙女の呪いで変身させられたという設定。鳥たちの中には元Kの中村春奈さんも。  

18
謎のゴリラ???
劇音楽「南京虫」Op.19 : Part 2, March of the City Elders

サルだと思っていたら、3馬鹿たちが化けていたのはゴリラとのこと。違いがわからん・・・。この3人はお笑い担当でもある。

19
ベルの踊り
Tahiti Trot, Op.16

小野さんの踊りは夾雑物が一切含まれない純水のよう。でも表情豊かで見飽きない。熊さんが小林さんに求めているのがこの表現力だとしたら納得だが、では他のプリンシパルが小野さんに比肩しうるかと言うと(以下、自粛)。

20
野獣の踊り
Jazz Suite No.2 : Waltz No.2

女性主役がPDDの途中でめまいを起こしへたり込むという演出は、「じゃじゃ馬」か猫背の眼鏡バレリーナでしか観た覚えがない。(笑) それにしても小野さんの演技は本当に自然。

21
(宴の)フィナーレ
Jazz Suite No.2 : Finale

22
歩み寄る2人
The Counterplan Op.33 : III Song of the Counterplan

先のPDDで有頂天だった野獣がはっと我に返り、今のは勘違いだったに違いないと再び肩を落とし、それを慰めるベルとのやりとりが微笑ましい。野獣の真似をしてベルがシチュー皿に顔を突っ込む時の、小野さんの躊躇いと決意の表情、口の周りをシチューまみれにしたベルの顔を見て驚く野獣の仕草とタイミングも絶妙。

23
悪巧み
映画音楽「愛と憎しみ」(Love and Hate)Op.38 : Drunken Soldier

2幕冒頭、3馬鹿がベルの父を篭絡しようとあの手この手で絡んでくるが、そこへの短い伏線。

ACT 2

1
お父様!!
Maxim trilogy Suite, Op.50a : IV Waltz, Allegro sostenuto

お父さんが3人に絡まれる場面だが、お笑い芸人のネタのような振付と軽妙な曲がマッチしている。

2
別れ
Padeniye Berlina Suite, Op.82a : II Scene at the River

唯一の大道具である階段を上って去るベル。それを追って野獣も階段を上るが、その間に大道具が半回転し、あたかも野獣が城壁の上からベルを見送っているかのように見える。

3
ベル、帰還
Gadfly, Suite Op.97a : Waltz Barrel Organ

4
野獣になった訳
Gadfly, Suite Op.97a : Introduction

5
怒り狂う求婚者
Padeniye Berlina(The Fall of Berlin), Suite Op.82a : VII Scene in the Metro

6
野獣、悲嘆にくれる
Gadfly, Suite Op.97a : Interlude

7
決闘
Gadfly, Suite Op.97a : Finale

8
愛してます
Gadfly, Suite Op.97a : Romance

9
フィナーレ
Padeniye Berlina, Suite Op.82a : III Attack


登場人物が少ないから地元バレエ団の子たちのために出演枠を増やしたり、下がりものを使った演出は一工夫しなければならないが、上演時間も90分と手頃で、親子ともども楽しめる内容、夏休みシーズンならバレエ団の垣根を越えて出演者を集められる、そもそも小野さんと福岡くんは毎年参加しているし・・・清里のフィールド・バレエの演目にちょうど良いのではないだろうか。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年07月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031