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2021年07月03日23:18

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比較選択と指名選択

3万円を超えると、6割以上が「店舗で購入したい」 オンラインと店舗を“使い分ける”消費者の心理
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=40&from=diary&id=6570060

これは何も別段真新しいことではない。

安いかどうかで買うのであれば、比較して選択する場合、便利なネットを使うだろう。その名の通り、「価格COM」というサイトまで存在する。逆に指名選択であれば、ネットではなく、リアル店舗に行くかもしれない。一般的には

最寄品、買回品、専門品

と順にリアル店舗で求める傾向が強くなる。客単価も最寄品は低く、専門品になると高価になる傾向が強い。商圏も専門品は取扱店が限られてくる為、広大に、逆に最寄品はどこにでもある商品である場合が多い為、狭くなる傾向にある。

但し、既にリアル店舗で商品がどういうものか精通していれば、3万円を越えていようが、10万円だろうが、100万円だろうが、ネット販売で購入する人がいてもおかしくない。

個人的なことだが、今仕事の通勤用に履いている革靴はいつものメーカーのいつもの靴である。今のところ、現在の通勤形態を考えると他のメーカーの製品はちょっと考えにくいほど。ということで、メーカー、型式は分かっているので、ネットで購入している。

価格との関係は傾向の話であって、商品をお客がどれだけ分かっているかによっても異なって来る。生体などは個体差が大きいので、これは目利きが出来ない場合はリアルのペットショップで購入する人が大多数だろうし、まあ間違いない。大抵人慣れしやすい個体に躾けられていることが多いものだ。生体の展示会で買うよりは倍近いものもあるかもしれないが、保険と思って買えるだろう。矢張り価格は傾向を意味しているに過ぎない。

トヨタがやや実験的に中古車のネット販売を開始したが、代々同車種を乗り継いだ人や法人であれば、これは確かに便利かもしれない。何しろ運転席に乗ればドライバーは勝手知ったる我が家同然だから、手探りで難なく操作出来る。これもユーザーに至れり尽くせりのトヨタ自身にも責は当然あるのだが、自分のクルマの車種しか知らない、ボンネットも開けたことがない、今のタイヤの適正空気圧が幾つかも知らない、勿論サイズも知らない、バッテリーの型式なんて、猶更知らないという人が圧倒大多数の中、上手くいくとはちょっと考えにくい。

ここまで来ると、企業側の目線が鋭い人はそこに商機がある事に気付いたかもしれない。

自社製品を選択してもらうには何時まで経っても比較選択されるようでは安い方にお客さんは流れてしまい、ダメだということ。

お客に指名選択される仕掛けが必要である。

そのためには顧客が主人公のストーリーがその商品にあるかどうかである。

世にその分野で勝ち組とされる商品、鉄板とされる商品の殆どが顧客が主人公のストーリーを有している。換言すれば、顧客がそれを使う事で、何か新しい生活を始められる予感がするとか、今まで出会えなかった新しい自分に出会えるとか。

プロダクトがどうのではない。飽く迄顧客が主人公。顧客は誰だって主人公で在りたいはずだ。売れるべくして売れているものにはそれが必ず存在するのである。ネーミングが優れているから売れているのではなく、顧客を主人公としたストーリーがあって、売れるネーミングが生み出されるのである。

抽象的過ぎるかもしれないので、実例を挙げよう。

例えば伊藤園の最早この分野で「鉄板商品」ともいえる「お〜い。お茶」。しかしこの製品は最初、「缶入り煎茶」という名前だった。売上は年間6億円。それが「お〜い。お茶」にしてからは何と30億円を越えたのである。「缶入り煎茶」は単にプロダクトを説明したに過ぎない。しかも「煎茶」が読めないという人も多いかもしれない。それが飲む顧客主体のストーリーを構成したらこの商品名が生まれ、売上は5倍以上となった。

指名選択される重要性がここでもよく出ている。ストーリーの構成力が商機を生む時代となって来た。

(了)
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