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2021年06月25日18:02

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S660AT

以前、ホンダのS660というオープン2座席軽自動車のMT車を借りたことがあるが、
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1972681121&owner_id=3210641
その後うちの爺さんを修理に出した時、色違いのAT車を貸してくれた。

スポーティな車が好きな人は皆「MTの方が楽しい」と言う。長年乗っているMTの爺さんはいまだに走り出すとわくわくするし、出張先で借りる安いATレンタカーのイラっとする変速を思うと、そこに疑問を抱くことはなかった。実際、車を貸してくれたディーラーの担当者も「MTの方が楽しいのですけどねぇ」と申し訳なさそうに言う。

にもかかわらずスポーティな車にも必ずAT仕様があるのは、免許の関係で仕方が無くなんだな、と少し前までは思っていた(今は違うが)。ならば公道を走ることのできる合法カートことS660がどのくらいつまらなくなるのか、ちょっと試してみることにした。

タイトな運転席に体を押し込みイグニション・ボタンを押したとたん、トラブルが待っていた(笑)。シートベルトをしているにもかかわらず、ベルト未装着の赤ランプが点り、警告音が鳴る。何度やり直してもダメなので、仕方なくそのまま走ることにした。すると郊外に出る頃、突然警告灯が消え、警告音もしなくなった。

後日、なんだったんだアレは? とディーラーにたずねると、ナビ席にある人感センサーが、荷物を載せることで誤作動したのでしょう、という。前に借りた車ではそのようなことはなかったのに、というのは置いといて、シートベルトをしないと無防備感で落ち着かない者としてはなんとも無駄な装置と思うが、世の中にはそれだけシートベルトをしたがらない人がいる、ということなのだろうか。

前に借りた車は直進安定性に不安があると記したが、どうやらそれはホイールベースが短いこの車の特性だったようで、良く言えば機敏だが、悪く言えば気が抜けない。タイトな山道向きのキャラクターではあるが、高速道路向きではない。

前回は使い物にならなかった車内のバックミラーは、今回はブレることなく普通に見ることができた。前の車は取り付け部が緩んでいたのだろうか。それで気がついたのだが、この車のお尻に付いている小さなフィンは、速度が上がるとポルシェのように立ち上がる可変式だった。(笑)

青梅で高速を降りると、秩父、小海経由で清里まで山道を楽しんだが、パドルシフトを使えるにもかかわらず、たしかに面白くなかった。加速しようとシフトダウンしても、レッドゾーンまでまだ余裕があるにもかかわらず、勝手にシフトアップしてしまうのだ。スタート直後のように思い切りアクセルを踏みつけてやれば引っ張ることもできるが、オンかオフみたいな雑なアクセルワークではストレスが溜まるばかりだ。

たしかにATは中途半端でつまらないなあ、と思いかけた時、昔借りたレンタカーの中にギアを固定できるセミAT車もあったことを思い出した。ただしその車はお世辞にもスポーティな車とは言えなかったので、すっかり忘れていた。そこで車に詳しい友人に電話を掛けてみる。

「パドルシフト付きAT車のギアを固定する方法ってある?」

「車種は?」

「S660」

「・・・その車はよく知らんけど、シフトレバーに『S』モードってない?」

「ない」

「じゃあ、どこかに『S』と書いてあるボタンかレバーは?」

インパネ周りを見回すと、ステアリングの影、正面のモニタを挟んでイグニション・ボタンと対の位置に「SPORT」と書かれた大きめのボタンがあった。とりあえず押してみると、速度やエンジン回転数、警告灯などを表示する主モニタに赤いLEDが追加点灯してドライバーを挑発する。(笑)

期待した通り、このボタンはATのギアを固定するもので、勝手にシフトアップしないから、エンジンのパワーを最大限に引き出すことができる。しかもシフトチェンジする時の反応は早く、減速する時はブリッピングもしてくれるから不快なショックもない。こんないいものがあるのなら、最初に教えてくれよ。

そもそもATがつまらないと言われるのは、シフトチェンジが運転者の思い通りにならないからだが、MTで気持ち良く走ろうとすると、常に両手両足をフル活用し、時にはヒール&トウのように不自然な足裁きも必要となる。特にS660のような非力な車ほど忙しい。

MTはそこが楽しいと言う人もいるが、シフトチェンジするのに「一手間かかる」のは事実で、そこでどのくらいタイムロスするかはドライバーのスキル次第になる。

ところが今の進化したセミATは、MTとATの良いとこ取りというか、運転者の望むタイミングで、MTよりもはるかに素早くシフトチェンジすることができる。7年も前に発表されたS660でさえこれなのだから、より新しいスポーティな車なら、さらに性能が向上したセミATが搭載されていてもおかしくない。

出た当初はボロクソに言われていたABSはいまや車の標準装備となり、雨の日のレースはABSがないと怖くて乗ってられないとプロレーサーに言わせるほどにまで進化した例もあるから不思議ではないが、セミATもすでにここまで良くなっているとは知らなかった。

にもかかわらずMT信奉者がドヤ顔しているのは、ATに関心がないから現状を知らないのだろう。私もドヤ顔はしていなかったが、興味が無かったのは同じなので、正直驚いた。

帰りの奥多摩で出会ったレーサー風のカウルを付けた二輪は、登りでは追いついてきたと思ったら譲るまでもなく短い直線であっという間に追い抜いていったが、峠を超えて下りになると、ライダーの背中が今度は逆に近づいてきた。

旋回速度の高さはS660の基本設計の良さとネオバのおかげだが、減速する際ブレーキングに集中できたのはセミATのおかげだった。なにしろシフトダウンは指先でチョイチョイやるだけ、時間もコンマ数秒で終わる。シフトアップも同様。これが前回借りたMTだったら追いつく自信はない。

趣味の楽しみ方は千差万別、「手動変速という行為」を楽しみたいのであればMT車に乗ればいい。けれど「よりスピーディに車を操りたい」のなら、スポーティな車ほどMTではなくセミATにすべきだ。

もっとも電動化されてしまえばMTもATもなく、あのモーターの加速力はやみつきになる。(笑)

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■澤部佑、AT限定の理由にネット共感 MT派からはデメリット訴える声も
(しらべぇ - 06月25日 02:50)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=202&from=diary&id=6567601

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