mixiユーザー(id:6327611)

2021年04月02日21:03

48 view

「I Kill Giants」という原題のまま日本のプロ野球に加わってほしいと願うのは、この映画の少女同様の無理な妄想なのだと思う。アナス・ヴァルター監督「バーバラと心の巨人」(2017)。

原題が「I Kill Giants」なのに、日本での題名が「心の巨人」って、そこまで読売に媚びなあかんのかい、責任者出てこい!と怒鳴りたくなりました。AFMで見ていなければ、そのまま僕の人生に関与することはなかった映画ですが、日本語字幕付きで見直したらどんなもんやろかと色気を出してしまいました。

物語は、学業よりも何よりも、世の中を悪くする巨人と戦う妄想をふくらませる12歳の少女バーバラ(マディソン・ウルフ)が主人公。同級生から変人扱いされるバーバラですが、イギリスから転校してきたソフィア(シドニー・ウェイド)だけは友だちになろうとします。そのソフィアに、バーバラは巨人と戦う使命を細かく説明する。

生徒たちの精神状態を監視している先生モーレ(ゾーイ・サルダナ)は、なんとかバーバラと話し合おうとするのですが、いつもバーバラは大事なことがあると抜け出します。やがてソフィアの協力もあり、母親代わりに家を切り盛りするバーバラの姉カレン(イモジェン・プーツ)と話すことから、“真相”を知ることになります。

しかしまぁ、なんですね。バーバラの切実な願いを、同級生のいじめっ子は格好の標的にしてしまいます。その事実を見ながらも先生は、バーバラが何も語らないから手を出せない。そんな“子供の心を理解する”難しさを、端的に映画にした作品でした。子供は、自分の気持ちを分かろうとしない他者を、容赦なく切り捨てていくものなのです。

このバーバラという少女の気持ちが、僕には痛いほどよく分かりました。「ゆるキャン△」の大垣千明に似た顔立ちなので、この映画を先に見ていたから僕は、志摩リンや各務原なでしこだけでなく、大垣に入れ込んだのかも。←大垣には犬山あおいがセットだし。←分からん人はスルーしてね。気になる人はアニメ「ゆるキャン△」をシーズン2まで見てください。ドラマでも大垣はそっくりの顔だから、そっちを見てもいいよ。

でもって、ネタをばらしてしまうと、バーバラのお母さん役はジェニファー・イーリーなのでした。「ロード・オブ・ザ・リング」に出ていた彼女が母親なら、小学生の娘は巨人と戦う気になるわな。僕なら阪神タイガースのマスコットとしてベンチに置きたいけど、コロナが伝染るから来たらアカンで。

監督のアナス・ヴァルターはデンマーク人のようですから、アンダース・ウォルターという英語読みは使わないようにします。もちろんこの映画が初めて見る作品ですが、この暗さ悲しさは、ここまでせんでもええやんか、という感じ。SFXも頑張っておられるから、そこそこ予算は掛けたんでしょうね。その分、悪くないできに仕上がっていると思います。

しかし、まるで他人事のような僕の褒め方からお分かりのように、リーズ・ウィザースプーンがデビューした「マン・イン・ザ・ムーン」のような説得力がほしい。これは主役少女のせいではなく、「ハリ・ポタ」の観客をついでに浚おうとした作り手の下心のせいでしょう。観客は、そうは甘くないんです。

しかしながら、無視してしまうには惜しいので、記憶に留めるためアップしておきます。写真3のメガネがバーバラで、黄色い服がソフィアです。
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年04月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930