mixiユーザー(id:58808945)

2021年03月19日21:44

134 view

恒久的に再給付したのと同等の税制はあるのか

■貸し付けでなく10万円再支給を 署名8万超集まる
(朝日新聞デジタル - 03月09日 19:09)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6439781

■財政再建は完了しているのが現実■

この記事も人々が冷静になったところで余興を投じようかと思う。給付金の問題が出ると、財務省、大増税無くして、財政再建無しと述べる「財政再建原理主義者」、そして財務省の言説をそのまま安易に受け容れるマスコミたちが

「そんなことをしたら、将来の世代にツケを回す。」

と述べる。このmixi内にもこの手の言説を呟く人はうじゃうじゃいる。挙句の果てには

「ハイパーインフレがぁ〜。」

とサスペンタッチで面白い事を言う人まで出現する。仰せである以上は当然ご存じだろうが、ハイパーインフレとは一年に1億%もインフレ率が上がる事を指す。日本は明治以降、ハイパーインフレに見舞われた事がない。第二次世界大戦時、日本の公的債務はGDPの200%以上だった。敗戦で戦地にいる人たちを引き上げさせるのに、国債を増発、GDPの300%となり、ここで「預金封鎖」が起きた。「封鎖」と言っても、預金は幾らでもOKだが、一日に降ろせる金額は10万円までとか、そのようなイメージをして頂ければ分かりやすいかもしれない。

このあたり、副島隆彦氏の『預金封鎖』(祥伝社)に詳しい。預金封鎖に見舞われた地方の人たちの様子が載っていて、大変興味深いルポルタージュである。

しかしながら、このような戦後直後という、極めて特殊な事情ですら、日本の場合インフレ率100%だった。インフレ率100%とは凡そ1年後には今の物の価値が半分になると思って頂ければよいと思う。

今の日本の公的債務は中央政府と地方を入れて大体300%前後。数字の上では戦後直後と同等だが、金利が全く異なり、日銀はマイナス金利を維持せざるを得ない状況にある。日本経済は凋落したとはいえ、戦後直後とは全く情勢が異なっている。日本国債の状況も異なる。戦後と異なり、日本の公的債務は昭和60(1985)年以降、100%円建てで運用されている。自国に発行権があり、自国通貨建てで更に長期金利が実質マイナス、コアコアCPIも上がらない状態ではハイパーインフレはおろか、10%台の悪性インフレすら起こりようがない。

市場のあらゆる数値が財政再建は既に終わっているサインを共通して発している。

■提議が出て来た理由■

国民の最大の関心事は期限付きでも良いから、消費減税か、再給付かというのに、相変わらず野党の皆さまは菅政権のあら探しをしてはそれを衝く言説ばかり述べている。しかし全く有権者は白けている。

実際、自民党の幹部たちが驚くほど、菅政権の支持率は下げ止まっているし、自民党の支持率も同様の動きをしている一方、野党の支持率も横ばいなのはその事を心ある有権者たちの多くはとっくにお見通しなのだ。こうした動きは単に菅離れした有権者が無党派になったに過ぎない。

財政再建原理主義者の言説を数字を列挙して論破し、

「財政は問題ありません。我が党が与党になったら、消費税減税をやります。」

といえば、無党派層は挙って野党に票を投じるだろう。

しかし大チャンスと言う事に野党は全く気が付いていないのだ。

野党の支持も無いタイミングなのに、いったいなぜこのような動きが出て来たのだろうか?

それは年度末しか上梓の機会が無いからである。年度の途中で行うよりも、年度末で決めていた方が事務作業を行う方もやりやすいからである。給付を巡ってあの役人の事務作業の遅さには呆れる。世田谷区に知り合いがいる。ここは東京都区部で最も人口が多い(約94万人)が、この人が受領したのは8月の旧盆を過ぎてからだった。年度内に決まった場合、今後このような事が往々にして起こり得る。

たった8万人かという気もしたが、遅かりしとはいえ、前回は予想以上のインパクトがあった。金額としては消費税を1年間5%まで減税したのと同等の効果があったのである。
麻生大臣は貯金に使われるだけ、と相変わらず財務省の代弁をしていたものの、日本は既に消費増税で落ちるところまで落ちていたに過ぎない。

とはいえ、あの「消費増税以外全く関心が無い人」と経済評論家たちから一様に批判されている岸田氏すら、総裁選で石破氏と同じく消費増税はやるべきではないと述べていたのに、菅総理だけが必要だと述べている。

今もその考えに変わりはないと思う。

実際、ワクチンをここへ来て急ぐ理由も見えて来る。政府としては、ワクチンでコロナを終息とまではいかないまでも、脅威ではない、季節病程度まで下げる事で、コロナ不況を食い止めたいという目論見があるはずだ。

■緊縮財政派VS積極財政派■

しかし自公政権の人たちが全て財政再建原理主義者というと決してそんなことはない。10万円給付を頻りに勧めたのも公明党の山口代表だし、自民にも安藤裕氏、青山繫晴氏らを中心に財政出動をすべきだと以前から述べていた。ここに内閣官房参与に選出された、元財務官僚の高橋洋一氏も積極財政派と言っても良いだろう。

自公政権の中にも積極財政派と緊縮財政派がいるようだ。

意外にも河野太郎氏も積極財政派である。彼がデジタル庁の確立を急がせているのは、財源は十分あるデジタル庁で税の「取りっぱぐれ」を防ぐという目的もあると以前述べていた。

この拙い駄文を御覧になった方で、自営業の方から

「今更何言っているの?」

と言われそうだけど、サラリーマン、OLの方は信じられないだろうが、税の中で実は最も滞納が多いのは消費税である。最も滞納の多い税を増やそうとしているのだから、滑稽な税制を敷いているともいえる。消費税に限らず、税の取りっぱぐれが年間数兆円はある、と高橋洋一氏は分析していた。また高橋氏は技術的には期限付きであれば、日本は直ぐに消費減税出来ると述べていた。

消費税を5%に減税した際に必要な額は約13兆円。流石に取りっぱぐれ分を全額取り返すだけではここまで達しないものの、河野氏も高橋氏も取り返した分を減税する方向で動いているとのことである。

■財政規律を持たせるには■

財政規律を持たせつつも消費税減税をするこうした動き。鈍いながらもこうした傾きつつあるのは歓迎すべき展開だ。しかし今の軽減税率は日本には適さない制度だと思う。欧米に友だちがいる方にはご存じかもしれないが、毎年、各業界が軽減税率をして欲しくて、財務官僚に陳情に来る。丁々発止の火花の出るような議論を展開することも珍しくない。

洋菓子業界が陳情に来る。

「これは我が国の伝統的なお菓子。だから軽減税率の5%にして下さいよ。」

というと、官僚側は

「ダメダメ。これはし好品でしょ。今まで通り19%。」

こんなやり取りが頻繁にあるとのことである。人に面と向かって言い合うのが苦手、直ぐに感情的になりやすい我々日本人には向いていない。今ですらレジで「持ち帰ります」と言って買ったのに、イートインが空いていたから、ちゃっかり食事を摂って帰る人は珍しくない。

寧ろ日本に適しているのはカナダのように

●景気が悪くなったら、消費税を減税。

●景気がバブル気味になったら、消費税を増税。

といった具合に景気によって税率を変動させることである。これならば、税による景気のスタビリティ機能を有するだけでなく、誰もが納得する。カナダ版消費税、GSTは1991年に施行され、当初は8%だったが、紆余曲折はあるものの、5%にまで下がった。
その代わり、財務経理担当者は大忙しだろうが・・・。


9 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する