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2021年03月14日23:06

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ポタリストの記録・【2021年早春の境川中流の禅寺・その3】

■龍像寺■

こちらのお寺は分かりやすいが、駐車場からお寺に入る際はカーブが厳しいので、ミラーをちゃんと見て渡らないと本当に危ない。こちらは境川沿いの抜け道になっているからだ。それでいて国産車すら猫も杓子も3ナンバー幅(車幅1701mm以上)になっているとあっては猶更の事だ。

お寺の駐車場の案内の看板にアースロックさせて頂き、入る。いや、「入山する」と表現した方が相応しい程の名刹だ。

山門は重厚で、伽藍を期待させるに十分だ。

山門付近に案内がある。境川の主ともいうべき大蛇を淵辺氏が倒し、その亡骸を取ってついたと言われている。勿論公開はされていないだろうが、境川の歴史を想起させるので、とても興味深い。今でこそ厳重に金網で囲まれた小さな川だが、嘗ては相当の大河だったのかもしれない。

境川流域のお寺で、「龍」という名がつくところは境川と無関係ではない気がする。

山門を潜るとほっこりとしたお地蔵さまがお迎え。最近この手の置きものが流行っている。以前成田山、川崎大師ともつながりのある、八王子市西部の安養寺でも見掛けた。とは申せ、地蔵様は時として黄泉の使いを為す事も忘れてはならない。

その横には水屋があった。

矢張りこちらもお水取りが出来ない。残念だ。吉方位のお水取りは奨励されるのだが・・・。
本堂からは読経が聞こえて来る。禅寺である。火打窓が曹洞宗の名刹であることを無言のうちに強く主張してくれる。以前直江兼続ゆかりの新潟県にある雲洞庵はもっと大きな火打窓があったのを思い出す。

本堂の横にはよく手入れされた石垣があり、その更に上のなだらかな坂を上がると、六角のお堂がある。これは珍しい。

勿論この日は公開されていなかったが、鎌倉のようなお寺が密集している街であれば兎も角、意外と言っては難だが、ここは相模原市なのだ。六角のお堂があるお寺として知られているのは法隆寺だろう。関東にお住まいであれば、修学旅行時に御覧になった事があるはずだ。法隆寺は広大なお寺で、伽藍は東と西に分かれる。西側を西院伽藍といい、こちらに金堂や塔のあるだが、東側の東院伽藍にも六角のお堂を中心に伽藍が存在する。ここには聖徳太子の等身ともいわれる救世観音像がある。と思って見たら、矢張り「観音堂」と書かれていた。

法隆寺の救世観音は開帳すると禍が起きると言い伝えられていた。ところが明治に入り、フェノロサが開かせると、中からネズミ、蛇などがたくさん外に逃げ出して来た。救世観音像は何と光背が頭に打ち付けてある。人間であれば即死だろう。なお、西院伽藍の釈迦三尊像の額に釘が刺さっている。そのこともあって、この事実を知った時、救世観音像に底知れぬ禍々しさを感じたものだ。

勿論こちらのお寺の観音像はそんな像ではないはずだ。しかし六角のお堂で厳重に安置されているのは確かだ。

相模原市中央区淵野辺という地名はこの地を治めていた、鎌倉幕府の御家人・淵辺氏の名から取ったようだった。彼が退治したとされる境川の主ともいえる龍のような巨大な大蛇の一部が安置されているというが、流石にそれは本堂にも観音堂にもなさそうであるが、名刹と言って良い。

当時の境川は暴れ川だったと容易に想像がつく。だから主が退治され、それを祀るお寺がこうして支持されているのだろう。地域に守られたお寺のようだ。

山門付近には六地蔵がある。六地蔵の隣に小さくてかわいいお地蔵さまが鎮座している。と思って台座を見たら、「身代わり地蔵」とある。

事故やパンクに見舞われないように小銭を奉納した。

それでは復路に入ろう。最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。

(続く)

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