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2021年02月13日00:13

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ガラパゴス・スタンダード【コロナ感染者を執拗に自己責任と責めるのは日本人だけ】

拝啓、コロナ警察官様

常日頃から「保安活動」、お日柄も良く大変ご苦労様でございます。

活動報告はいかがでしょうか?

検挙具合は?

どれだけ都民を撃退出来ましたか?

都民のクルマへの攻撃の「戦果」は?

何台パンクさせることが出来ましたでしょうか?

コインでひっかき傷攻撃に成功したのは何台ですか?

質の悪い冗談はさておき、この度は「保安活動」とは対照的な行動を採った方の記事を紹介する。

以下、大衆紙の読売より▼

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新型コロナウイルスのクラスター(感染集団)が発生した静岡城北高校(静岡市葵区)に7日、匿名の市民から22個の花束が全クラスと職員室に宛てて届けられた。城北高にはインターネット上などでクラスターに関する中傷が相次いでおり、贈り主は花に添えた手紙の中で、生徒や教職員を「応援したい」とつづっていた。生徒らは「勇気づけられた」と笑顔をみせている。(浦上華穂)

 城北高では、1月に入り、生徒や教職員の感染が確認され、28日には静岡市からクラスターに認定された。2月以降は感染者が出なかったことから、市は今月5日にクラスターの収束を宣言した。これに伴い、先月22日からの臨時休校は終わり、生徒らは8日から登校している。

 クラスター認定後、ネット上で「感染者何十人も出してんじゃねーよ」などの中傷が複数発見された。このほか、「感染者を教えろ」といった強い口調の電話が寄せられ、コロナの「二次被害」に生徒や教職員らが苦しめられた。

 城北高によると、今月5日、地元生花店から「中傷を報道で知った人から、学校に花を贈りたいと注文があった。クラス数を教えてほしい」と電話があった。すると、7日夕方に3学年21クラスと職員室に宛てた計22個の花束が学校に届いた。ガーベラやスイートピーなどを束にしており、色鮮やかな突然のプレゼントに職員室では拍手と歓声がわき起こったという。

 花束には贈り主の手紙が添えられ、中傷を知り、恥ずかしさと憤りを覚え、応援したいと考えたことなどが記されていた。そして生徒らに、こんなメッセージを贈った。

 社会に出ると、理不尽なことでお心を痛めることが、きっとたくさんあるでしょう。でも、味方になってくれるひと、支え励ましてくれるひとは、必ずいます。夢と希望を抱き続けて、ご自身の道を弛(たゆ)まず歩んで行ってくださいね。

 校長先生始め教職員の皆さま ご自身もお大切になさって、お力を尽くしてくださいますよう。(一部抜粋)

 花束は全教室の教壇に置かれ、学校が再開した8日の朝礼時には全校放送で校長が手紙を生徒に向けて読み上げたという。3年生の男子生徒は、「休校で落ち込んでいたが、気持ちが明るくなった」と喜んだ。別の男子生徒も、「地元の人が応援してくれるのはうれしい」と笑みを浮かべた。

 渡辺紀之校長(57)によると、中傷はいまだに続くが、「花束で生徒や職員たちは大変勇気づけられた。贈り主に直接お礼が言えないのは残念。非常に感謝している」と話した。

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■自己責任論の「本場」・欧州でも感染者はケアするのが当たり前■

大阪大学大学院で社会心理学が専門の三浦麻子教授らは、2020年3月〜4月にある調査を行なった。その調査は以下のような内容である。

「新型コロナウイルスに感染した人は自業自得だと思うか」という質問に対し、「まったくそう思わない」から「非常にそう思う」までの賛否の程度6段階で選んでもらった。

この調査はインターネット経由で日本、アメリカ、イギリス、イタリア、中国の5か国で実施され、400〜500人が参加。

「どちらかと言えばそう思う」「ややそう思う」「非常にそう思う」と答えた人の割合を国別で表した。すると大変興味深い結果となった。

アメリカ:1.0%、イギリス:1.5%、イタリア:2.5%、中国:4.8%。しかし日本は

日本:11.5%

という結果で、ダントツの多さ。コロナウイルスへの感染について「自業自得だとは全く思わない」と答えた人は上記の4カ国では60〜70%台だったのに対し、日本では29.25%にとどまっている。つまり日本では多くの人が「感染したことについて本人に全く責任がないとは言えない」と考えているという事なのだ。

この根底にあるのは、これらの4か国では、まあ、罹ってしまったのだから仕方がない。皆でケアしようという姿勢が感じられるのである。

■度の過ぎた「自己責任論」■

諸外国でお別れの時には「身体に気をつけて」という挨拶ぐらいはあるが、会社で管理職が「皆さん、体に気をつけて頑張りましょう」と云う光景は日本では珍しくない。

しかし、これは世界から見たらガラパゴス(極めて特異)である。根底には「自分の体は自分でコントロールできるものだ」という信念が無ければ、このような発言は出て来ないからだ。

そもそも自分の健康などコントロールが出来るのだろうか?

出来ると考えているとしたら、自分の身体に対する自分の脳の傲慢さか、余程の自信家か、余程の体育会系思考の人間である。幾ら注意していても、体調を崩したり、昨今の流行り病で言えば、「感染」するかどうかは運次第なのだから。

斯く云う自分も「感染者」でないとは言い切れない。PCR検査をやれば、10,000匹いないとコロナを発症する事はないのに、日本のPCR検査の基準は世界に類を見ない、無意味な程厳しく、該当箇所にたった5匹コロナがいただけで、「感染者」と見做されるほどだ。ましてや私の場合はコロナの「メッカ」、東京都新宿区が職場なのだから。

誰が「感染者」ではないと言い切れるであろうか。

それでも日本はこういういけ好かない社会だから、体調不良で有休届を出す際には

「申し訳ございません。己の健康管理が杜撰な為、体調崩しました。」

と書くしかない。これが上からも下からもイチャモンをつけられない、最も無難な書き方である。どこの会社でも届け出に詳しく書け、と明記しながら、いちいち説明を書くと今度は迷惑を掛けたのだから、言い訳するな、と叩かれる。(笑)

嫌な話だが、この点どこの会社も共通している。

自民党の石原伸晃幹事長が先月22日にコロナに感染し、即日入院した。この方はご自分が感染する以前、スポーツ選手が試合後、感染が発覚した際、健康管理が甘いのではないかという趣旨を述べていた。ところがいざ、ご自分が即入院となると、石原氏への同情は選挙区外からの有権者からは殆ど聞かなかった。それどころか、

「自宅待機させられている高齢者がいる一方で、即入院か。矢張り流石に上級国民様は違うよな。」ぷっくっくな顔

と皮肉たっぷりの声があちこちで聞かれている。

余り自己責任論を振りかざない方が良い。度が過ぎれば自縄自縛に陥る事にもなりかねない。

そんな中、この静岡県の事例は対極的な事例である。

感染者も少なくとも同じ人間として扱っている姿勢が伝わって来る。但し、送り主は匿名にせざるを得なかっただろう。明かせば、クラスターの施設に激励など、とんでもないとまたまたネットで叩かれるのが関の山である事を痛い程理解しているからである。

今回の一件で、日本の社会もまだまだ捨てたものではない事と、この送り主の深謀遠慮から、日本の社会のいけ好かなさが仄見えて来て、大変興味深く感じられた。

最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。

(了)


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