「妖怪文藝<巻之壱>モノノケ大合戦」
東雅夫(編)
小学館(小学館文庫)
神話・伝承・古典から、文豪の名作、現代人気作家の作品まで、日本文学に登場した物の怪たちが一堂に会する<妖怪文藝>シリーズの第一弾。
要するに、妖怪アンソロジーですね。
藤原審爾「妖恋魔譚」は女郎蜘蛛が題材ですが、ただ退治されるだけじゃなくてほっとしました。しんみりするのも確かだけれど。
エッセイは短いけれど、別役実「すなかけばば」が面白かったです。
妖怪の所為にした途端、動機がどうでもよくなってしまうのは確かに興味深い。
水木しげる「ぬらりひょん」先生だけじゃなく周囲にも妖怪みたいな人が多かったのでしょうか。
京極夏彦「豆腐小僧」は、以前上演された新作狂言の台本ですね。
とにかく妖怪が盛り沢山。
好きなんだなぁ……と、しみじみ伝わる一冊でした。
(古)
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