■携帯値下げ「一刻も早く」=武田総務相、見直し表明
(時事通信社 - 09月17日 13:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6235516
具体的にどこがどう高いのかはこの記事だけでは全く不明だが、単に手数料だけで高くなっている訳ではない事は確かである。
色々あるのだが、その背景としてひとつ考えられるのは携帯(スマホ)ショップの存在だ。
順を追って見てみよう。
そもそもショップはプランを知っている人であればまず行かない。知らない人だけが行くところになってしまっている。
自分も実物のスマホを見に行くことはあっても、実際にカウンターに腰かけて契約したり、話をしたりすることはない。かれこれ5年はカウンターには行っていないのではないか。
こんなことは「行かない人ほど」ご存じだろうが、ご存じない方の為に言うと、実は三大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)といえども直営店は殆どないのだ。まるでコンビニみたいだと言われそうだが、もっと独立している。NTTドコモの制服を着ていようが、彼らはドコモから給与をもらっているのではなく、運営会社である。飽く迄大手キャリアに変わって携帯電話、スマートフォンを契約する代理店であり、その場所が携帯ショップなのだ。契約の点数に応じて利益を分配されている。更に言えば代理店とは三大キャリアとは独立した利益集団である。
これが初めて携帯電話、スマホをこれから買おうとしている人達をややこしくしている一因となっているのである。
もし携帯ショップが三大キャリアから分配される収益が少ない場合はどうするのか?
独自に付加価値をつけて販売をしていくしかない。中には三大キャリアが黙認した上で販売するサービス、ハードウエアもあるが、中には意図しないものもあるのだ。
◆頭金
我々がイメージする頭金で最たるものはクルマだろう。例えば100万円のクルマを買うのに一括払いでないのであれば、頭金を1万円以上納めて下さいね、と言われ、1万円支払うと、残金の99万円支払えば良い(ここでは金利等は考えないものとする)。
これが常識である。
携帯ショップの「頭金」とやらはこんな常識を覆すほど阿漕である。
もしスマホのチラシを見て、頭金の記載があったら、元金が減らない頭金と思って頂きたい。例えばiPhone11の64GBの本体価格が8万8千円(この価格が適正かどうかは別として)、しかし上に頭金1万円、と書かれていたら、差し引き
88,000-10,000=78,000円
という意味ではない。実支払金額は
88,000+10,000円=98,000円
という意味である。
そんな、馬鹿な。
と言いたくなるのは正常な経済観念の持ち主だが、スマホ販売手数料という名目で、何も知らない顧客に支払わせている携帯ショップがまだまだ少なくないのだ。
ここで初めてスマホをショップで買おうとされている方は
「この製品、頭金が掛かりますが・・・」
と言われたら、スマホの頭金=販売手数料のことだから、
「そうですか。本日は帰ります。」
と言って、さっさとショップを出た方が良い。或いはスマホを買い替えるのであれば
「オンラインで注文しますから、結構です。」
とサクッと断っても良いだろう。三大キャリア公式のネット販売もあるので、本体価格はお安くはないものの、それを利用すれば確かに頭金は不要である。
◆契約忘れを「期待」する不要不急のオプション
まだある。音楽アプリ、漫画アプリ、セキュリティソフト。このようなものをつけられた経験はないだろうか。本当に必要であれば意味があるが、大抵は不要不急であり、しかも決まって
「一か月間無料ですから。」
といった具合だ。勿論32日以降は有料となる。一メニュー300円とか500円とかそんな感じだ。
この契約がつくと、携帯ショップは報酬額が入るような仕組となっている。興味がないから大抵の人は忘れてしまう。
狙いはそこである。
結果、あれよあれよという間に請求額が高くなっていたという事例は幾らでもある。それでもセキュリティソフトがどうしても欲しい方は無料のアバストあたりをご検討されれば良いと思う。
◆ハードオプション
阿漕なのは何もソフトだけでなく、ハード面でもある。例えばSDカード、ケースである。初めてショップに行った人は何と気が利くお店だろう、と思うかもしれない。
しかし価格に気をつけて頂きたい。
現在のスマホはストレージ容量が大きいので、必要ないかもしれないが、拘る方は64GB、128GBのSDカードの価格を良く見て頂きたい。これらがもし1万円もするようであれば、そのお店はパスした方が良い。amazonあたりならば例えばメーカー品のキオクシア(東芝系)の64GBですら3,000円もしないのだ。
◆3年分割2年下取り
またまたややこしいシステムが出て来たものである。と言って難しくはない。クルマの残価設定ローンをもっと細分化したものである。
3年分割にして、2年後に新機種が出て来た際、1年分のローンは帳消しにして新機種を買ったら、そちらのローンだけで良いですよ、というシステムである。余程のスマホマニアか、おカネの有り余っている人であれば別段やりたければやれば良いが、大抵の人はこれにハマるといつまで経っても使用料以外の金額を払い続ける、借金の無間地獄に陥る事になる。
スマートフォンで家計がスマートではなく、歪になってしまったらシャレにならないではないか。
だから下取が或る程度安くなるのは致し方ないとはいえ、一括購入(ポイント併用も可)を強くお勧めする。そうすることで、何時でも(他社に)動ける状態が理想である。こんな無間地獄とも無縁のはずだ。
また一括購入することによって、いつでも好きな時にデータの移行が可能となるメリットは大きいのではないか。パソコンを何台も使い続けた人であればこの事は分かりやすいだろう。
実はその下取りも出来るだけ価格ダウンを抑える方法がある。箱、本体などの保管状態が良好である事が大前提だが、ヤフーやメルカリで売り払う事である。三大キャリアが目安にしている下取り価格よりもはるかに高い金額が期待出来る。勿論これが出来る人はかなりの上級者だろうが。
◆待ち時間2時間、契約時間1時間に意味はあるのか
5年も携帯ショップのカウンターに行っていないと書いたが、その最大の理由がこれである。しかもたかがプラン変更だけでもこれだけの時間が掛かる。
一方、オンラインやテクニカルサポートに電話すればプラン変更程度の案件であれば15分ぐらいで終わる。
果たして行く意味があるのだろうか。
時給1,000円の人であれば3,000円。
時給2,500円の中間管理職の人であれば7.500円。
これだけ損失するのだ。どう思われるだろうか。稼げと言っているのではない。有意義な事に3時間を使ってはいかがだろうかと言いたいのである。
◆解約したければショップに行くしかない、最悪のシステム
そうは言ったものの、現状では解約したければショップに行くしかない。意地でもショップ側はユーザーを引き留めようとするシステムになっているのは確かである。
■携帯ショップがないものとして生活すれば価格は下げざるを得なくなる■
謎のサービスで価格は上乗せするわ、時間ばかり浪費させるわで、情報弱者からおカネをせしめる施設に成り下がりつつある。全くそこには「お客様は神様」とはとても思っていないのではないかと云いたくもなる。
客観的に見たら良い事がないように見える。
にも拘わらずこれだけ店舗数があるのはなぜか。需要と供給という経済の原理からすれば、我々消費者が行くからに他ならない。
今後は可能な限り、行くのは止めにした方が良い。オンラインか、オンラインが苦手な方でもお問合せの電話番号は各社用意してくれているではないか。こちらに問い合わせれば簡単な案件であれば、ショップと同等のサービスが受けられる。しかも早い場合が多い。
これからスマホを持とう、或いは事情で手放したが、また欲しくなった方は余程拘りのある方を除けば、格安SIMを活用すべきである。下記の組み合わせの価格は実際に使っている方からお聞きしたもので、やり方次第ではもっとお安くすることも可能かもしれない。
飽く迄実勢価格、とご理解頂ければと思う(注・本体は一括で完済しているものとする)。
◆Yモバイル + iPhone ⇒ 月額4,000円〜5,000円
スマホの初期設定から何から何まで自分でやらねばならないが、出来るだけ維持費を下げたい方はこちら↓
◆OCNモバイル + Reno A ⇒ 月額2,000円以下も可能
一応URLも残しておこう。↓
https://www.ntt.com/personal/services/mobile/one/set/opporenoa.html
色々書いたが、ショップの方たちを恨むのは筋違いである。上からの指示で働いているだけだからだ。接客業が幾ら好きでもこんなオファー、好きでやっている訳ではない人が大多数のはずだ。
映画のマトリックスは知らず知らずのうちにシステムに養殖されるという気味の悪い話。まさにスマホを介在して支払う必要もないおカネを搾取され、それを悪いと思わない我々はまさにマトリックスの関係そのものという気がしてならない。
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