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2020年06月19日21:52

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詩と小説とYouTube三昧

 昨日の夜はYouTube三昧になってしまった。
 原因の一つは、数年来愛読している読書家のブログ日記で、普段は正統な教養書とマイナーな文学を俎上に乗せて、本の愉しさを語っているのだけど、連続5日間もガールズロックグループ「BiSH」に嵌まって、彼女たちの魅力を熱く説いていた。彼は札幌在住で、歳は70歳(の一歩手前?)。本の調達は、ブックオフ、図書館、新刊書店(この順序)と、私と似たようなところがあって、さらに碩学でかつ温厚な性格なので、分かりやすく言うと「こんな(血縁のあるなしに関わらず)兄貴がいたらいいな」というような存在。6日前には多和田葉子の新刊『星に仄めかされて』とみすず書房発行の『美しい痕跡 手書きへの讃歌』を図書館から借りだして悦に入っていた兄貴が、連夜のBISH推しで、ブログ日記にYouTubeで見られるライブまで掲載している。
 ガールズポップにはあまり関心がないので、「BISH沼にはまる」投稿は読み流していた。
 昨日の夕方、YouTubeに1週間ほど前にアップされた「MONDO GROSSO」のライブをもう一回聴き直した。2曲ばかり20歳過ぎの女性ボーカルがフィーチャリングしていたのだが、曲の説明書きがあって読んでみたら、なんと歌っているのはBISHのアイナさんだと書かれていた。MONDO GROSSOにBISHの子が参加しているのか? この偶然で俄然、BISHに興味を持ち、3〜4曲、続けて見て、聴いてしまった。
 で、テレビをだらだら見るのと同じように、延々とYouTube三昧になってしまったのだった。寝る寸前は、90年代の森高千里ライブだったのだが、森高を思い出したきっかけはMONDO GROSSOライブでBISHのアイナさんがベースやドラムの音に合わせて「パ、パ、パ……」と口パクをしていて、そう言えば森高千里こそバックバンドのインスツルメンツの間、口パクをしていたんだよな、と思い出したことだった。『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』という啓蒙書のベストセラーがあるが、幼稚園の砂場を森高千里に変えたら本を書けるくらい、愛聴していたことも昔、あった。小一時間、森高のPVやライブをコンポで聴いた。BISH沼に浸かっちゃった兄貴を笑えない。
 
 今日も一時間近く詩を読んだ。
 このような内容の詩がある。

 蛇(おろち)の白骨が転がっているのを見つけた
 近づいて手に取り、指にはさんで撫でてみた
 土を掘って埋め、石を置き、りんどうを植えた
「蛇(おろち)よ
 美わしく土を這いたりな
 望み小さく 眼真(まこと)に
 地をはいたりな
 まづしき小さきおろちよ
 土に還りて万代を経ぬるぞよ
 安んじて
 小楢木の風を聴けよかし
 ……………(略)
 ああ おろちよ
 なれは終りて還る
 休みあるとこしえの
 雨に安んぜよ」

 昨日から雨だったので、最後の1行に感じ入ってしまった。
 雨のなか、午後3時、ラズリと散歩。
 近所のお宅の垣根からビョウヤナギの黄色い花が咲いていた。高校の恩師の庭にもビョウヤナギは植わっている。
 先生が主催される歌の結社誌が、毎月16日か17日くらいに送られてくる。
 一昨日と昨日で、一応全部の和歌を読んだところなので、ひさしぶ理にお手紙を書いてみようか、と思う。私は今もなお、先生に宛てるときは緊張する。自分の心をぎゅうっと絞って美しい言葉や形容を見せねばならない、という強迫めいた気持ちが湧き起こる。
 明日は晴れらしいからデジカメでビョウヤナギを撮影しよう。
 そして手紙を書こう。
 乙川優三郎さんの『この地上において私たちを満足させるもの』を読了。2年前に読んでいたので再読。ストーリーを覚えているにもかかわらず、飽きはしなかった。
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