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2020年06月15日17:56

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不運としか言いようのない交通違反切符を切られました

6月13日土曜日
 いつもなら日記を書く時間、無料動画サイトで配信が始まった映画「こおろぎ」を観ていた。内容がおそろしくシュールで、かつ目を背けたいような盲人の食事風景が長々と映し出され、「もう見るのはよそう」と思う一方、ゆるい精神を鍛えたいという一念があって、最後まで観ることにした。主演は山崎努と鈴木京香で脇役陣もそれなりの俳優を使っているので、決してB級映画ではないはずなのだが、私の感性では最後の最後まで理解不能だった。夜半、既に日記を書く気力は残っていなかった。

<EUREKA ユリイカ」などで国際的にも高い評価を受ける青山真治監督が、2006年に手がけた長編作品。一部の映画祭やイベントで上映されただけで長らく日の目を見ることがなく、幻の一作になっていたが、2020年1月8日にDVDで発売。それに先駆け19年12月に限定的に劇場公開もされる。静岡県西伊豆を舞台に、鈴木京香、山崎努らの共演で、ミステリアスな物語がつむがれる。西伊豆で、もう若くはなくなってきた女のかおるは、目が不自由で口も利けない男と暮らしているが、その実態は男を「飼っている」状態に近かった。かおりには「私がいなければこの男は生きていけない」という優越感があったが、男は近頃ひとりで出歩き、深夜の海につかるといった不可解な行動を取るにようになっていた。そんなある日、かおるは地元のバーで出会った若い男と女から、その土地に伝わる謎めいた歴史を聞かされるが……。>(映画comの映画概要)

6月14日日曜日
 悪夢の日曜となった。
 午後2時頃に雨がやんだ。ブックオフオンラインから2週間くらい前にリクエストしていた谷口ジローのコミック『犬を飼う』が入荷した、というメールが入ったので即注文し、店舗受け取りだと送料無料なので、家から4キロ弱のブックオフ指定で受け取ることにしていた。
 原付バイクで行く。大回りしてまずガソリンスタンド。
 悲劇は帰りの道路でおこった。
 時速25キロの低速走行なのに、警官に止められた。
 そこは日曜日のみ、一方通行だという。その場でバイクを停め、わざわざ歩いて標識を見に行った。が、私が通った進行方向からは実に見えにくい。
 抗議をしたのだが、聞き入れてもらえない。
 殴ってやろうかと思った。
 同時に、以下のような感情が湧き起こって、我を失った。
1 なんて運が悪いのだ。
2 自分はボケているのではないか、ボケじゃなくても動物的な勘がなくなった。
3 なぜ俺はわざわざこの道を通ったかと言うと、行きしなに警官がいて、なにやら事件でも起きたのかという猜疑心があったので、帰りにわざわざ確かめて行ったのに、なんてざまになるのか?
4 私はいったい今、こんなところでどうしてクソみたいな警官と話さなければいけないんだ。
5 政界を中心にあらゆる町や村で意地汚い不正がありながら、なんで俺がこの程度の不注意で検挙されなきゃなんないのか。
6 いや、こういう発想をする自分は精神が貧しいという証拠だ。
7 この先、俺はどういうミスをするのだろう、明らかに馬鹿になっている。
8 反則金は5千円だというが、5千円ってどういう価値のある金なんだ、よくわからなくなってきた。
9 あれこれ同時に考えていると、なにがなんだかわからなくなって呆然自失。
 とりあえず免許証と車検証を見ながら違反切符に記入している警官を1メートル半くらいのところで、ウンコ座りをしながら眺めていた。
 5分後、切符と反則金納入書を渡され、私がエンジンをつけようとしたら、警官が「ちょっと待ってください、免許証をお返ししましたっけ?」とのたまう。年の頃、まだ25歳くらいだ。こいつこそボケている。さらにさらに、「えーーー、さっきお渡しした書類ですけど、黄色の紙も渡しましたっけ?」と言われ、キレそうになる。おまえ、馬鹿か。こういうヤツ、殴ってもいいんじゃないか、と再び思うが、殴ってしまったらマジで逮捕されるわけだから、自分が怖くなって冷静になった。
 そのあと予定通りブックオフへ行き、カウンターで支払いを済ませて『犬を飼う』をゲットした。愛犬を亡くす、そして猫を飼うという連続した短編で、以前、新刊で文庫が出たときに買って読んだのだが、後日談としての「猫」は収録されていなかった。
 一方通行違反に対する傷が治まったところで読もう。
 夕ごはん前、図書館から借りた李龍徳の『報われない人間は永遠に報われない』を読み始めた。これが、読んでいて息苦しくなるような、恋愛小説を借りた人生論小説で、昨日観た映画「こおろぎ」に続いて、ワケが分からない小説を読むのは精神がまだ錯乱しているゆえつらい。しかし、またしても強迫観念に囚われる。
「この小説を今日中に読まないと、俺の現在と未来はいよいよ暗澹たるものになる!」
 夕ごはんを挾んでとにかく読んだ。途中、言い回しが婉曲だったり二重否定文が多用されたりの箇所でかなり引っかかってしまったが、それでもなんとか午後9時前に読了。
 まだ「ちきしょう、5千円かあ」などとぶつぶつ文句が溢れ出ていたが、小説の衝撃も大きくて中和された。
 
6月15日月曜日
 朝、家じゅうクリーナーをかけまくったあと、銀行経由で郵便局へ。違反金を支払うためだ。
 なんで違反を見逃さないのか、という怒りに近い感情と、俺はもうダメなんじゃないかという不安が交錯。しかし、5千円を払ったら、なんか過去のことになってしまった。
 午前中は詩人宅に電話をして、ご主人の容体を聞き、さらに今後のおおまかなスケジュールについて話をした。午後イチはこの会話を元に、文学館と資料閲覧の進め方でメールのやりとり。
 午後4時前、ラズリと散歩に出る。
 横須賀野菜の販売所へ行くと、紫色のタマネギが4個くらい入ったビニール袋が100円とあって、作業をしているおばさんが「カタチが悪くて道の駅だと売れないから、安く出してるのよ」と言われたので、買った。たぶん普通のスーパーだと1個100円くらい。こうした規格外野菜をこの先、50回くらい買ったら違反金5千円の元はとれる計算かな、などとケチくさい発想をしていたりしていて、相変わらず凹んでいる自分がそこにいたのだった。
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