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2019年08月30日18:56

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リュミエールと北斎

本日も『レ・フィルム・リュミエールDVD―BOX』のDisk2をボーッと眺めてますと、またもやいろいろと想念が沸き上がりました・・・。黒人の子供たちが裸の子も衣服を身につけた子も、一斉にカメラに向かって駆け出してきて、それをカメラがトラックバック(後退移動)しながら収めていた映像があったんですけど、もう至福の瞬間といいますか、子供たちも笑顔ですし、ちょっと驚くほど最高だったんですけど、その数十秒を見ながら、2000年代の初頭に劇場で見たキアロスタミの『ABCアフリカ』を思いだしました。ユニセフからエイズが蔓延するウガンダの実情を伝えるドキュメンタリーを撮ってほしいと依頼されたキアロスタミが撮ったのは、笑顔笑顔笑顔の子供たち、ダンスダンスダンスする大人たちの至福の姿・・・なんかそんな印象が今でも残ってますし、当時も衝撃と感動をもらって大好きな作品なんですが、日本ではDVD化されてないので見たのは1回だけです。その封印された至高の映画を思いださせてもらいました。また、「コンサート」と題された(←たぶん)、フィックス(固定画面)で捉えられた、左側に位置するバイオリン弾きの男性と、右側に位置するピアノを連弾する二人のふくよかな女性の後ろ姿を撮った数十秒の映像からは、ストローブ=ユイレの気品漲る孤高な逸品、ヨハン・セバスチャン・バッハの演奏の臨場感目覚ましいライヴ映像集といった体のフィクション『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記(年代記)』を思いださせてもらいました。また、言わずもがなといった感じですがチャップリンやキートンのドタバタ活劇のエッセンスもあふれてますし、本当に興味深くて面白いんですけど、本日パッと閃いたのは、これは葛飾北斎の『北斎漫画』ではないか、という思いです。版画で森羅万象を表現し尽くした(←というイメージを私は持っているのです)、あのコミカルで雄大な博物誌的叙事絵画『北斎漫画』と通底しているのではないか、と思いました。素晴らしいと思いました。
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