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2019年08月25日06:00

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imdbの得点って、組織投票じゃない正直な結果のこともあり、やはり信頼できる投票には感心する。「LAW&ORDER 性犯罪特捜班」シーズン20第14話「第33法廷」。

またまたお気に入りのテレビシリーズ「LAW&ORDER 性犯罪特捜班」についてです。もう耳タコでしょうが、少々おつきあいください。今回は、面白いから紹介するのではなく、見ていて“?”という内容だったので、このシリーズにしてはとても珍しいということで取り上げました。だから、シーズン20の第14話「第33法廷」については、見てくれとは言いません。

今回は、性犯罪特捜班の4人の刑事が証人として法廷に立つ、その控室における描写が中心です。冒頭、冬なのに薄手の部屋着姿の女性がレストランに入っていくと、それを見た客たちがぞろぞろ逃げ出します。なぜなら拳銃を手にしていて返り血も浴びていたから。そして特捜班が到着し、くだんの女性はおとなしく逮捕されます。

まずアマンダ・ロリンズ刑事(ケリー・ギディッシュ)が証人控え室に登場。そこには別の事件の証人がいます(写真1)。でもすぐ彼は呼びだされ、そこへ“フィン”・チュツォーラ刑事(アイス・T)がドーナツを携えてやってくる。さらに“ソニー”・カリシ刑事(ピーター・スカナヴィーノ)が加わり、今回の事件は警官の妻が夫を殺したのだと分かります(写真2)。

並行して検事のピーター・ストーン(フィリップ・ウィンチェスター)らが論戦を行う法廷も描かれます。しかし中心である警部補オリビア・ベンソン(マリスカ・ハージタイ)はなかなか現れません。ストーン検事は、被告が犯行を認めている簡単な事件だと考えていたのですが、刑事たちの証言で雲行きが怪しくなる。

ま、よくある「羅生門」的なドラマですが、僕は各刑事たちの過去をもう一度おさらいするドラマに思えました。20年に渡り続いているドラマなので、レギュラー出演者たちの過去は何度もほのめかされます。ベンソン警部補はレイプ被害者ですし、アマンダは暴力的な父親に無抵抗だった母親という家庭で育っている、などなど。

そしてこのシリーズは、imdbの得点がいつも高い。だいたい各エピソード8点という高得点を得ています。もっとも、このテレビシリーズを続けて見ている人は、僕のように賛成派が多いわけです。ところがふとこの挿話の得点を見て驚きました。529人の投票で5.1点しかない。さらに46%が最低点を投じています。これには苦笑いしてしまいました。

つまりファンは、このエピソードを評価していない。明確にそれがここまで現れている例は初めてなので、なんて正直なんだろうと感心してしまいました。14%が10点満点を投じていますが、それ以外は9〜2に同じように分布しています。普通なら正常分布曲線に近くなるのですが、まったくそうではない。つまり劇場映画のようにプロモーションの一環として相手にされないテレビシリーズの1挿話は、それなりに観客の正確な評価が見えるということです。

それにしても20年続いている人気シリーズが、なんとも“実験的ドラマ”を作り上げたものです。通常なら各刑事の意見がうまく収斂して事件の真相に迫るわけですが、今回はそれぞれの立場が異なるという事実が浮き彫りになるだけ。だから物語に対する結末も描かれません。←だから半数近くが最低点をつけたというだけなら、ちと残念ですが。

ニューヨークの裁判所と言うと、シドニー・ルメットの「12人の怒れる男」のラストシーンが思い浮かびます。それからスピンオフしたテレビ「弁護士プレストン」も忘れられない。同じ場所に、ベンソン警部補たちが集う訳です(写真3)。僕にはそれが意味を持ちました。とはいえドラマが面白くなくても“意味がある”なんていう経験は、実に稀有です。あんまりあってほしくもないか。
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