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2019年08月22日05:42

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たまに見るなら、こんな映画を。そうそう、杉野希妃を忘れかけてました。和島香太郎監督「禁忌」(2014)。

僕は2年前に「いなべ」で深田晃司という監督を知り、そのとき“深田監督も注目だけど、杉野希妃という人もいいよ”とマイミクさんから教えてもらい、「欲動」や「マンガ肉と僕」を楽しんだのでした。その両作の脚本を担当した和島香太郎監督作である「禁忌」が、MONDO−TVというチャンネルで放送していたので録画しました。なんかR-15のエロものみたいで気になりましたが、なんのなんの。そんな危惧は早々に消し飛ぶ佳作でした。

物語は、大学教授の小波充(佐野史郎)が暴行事件に巻き込まれ、幼いころに別れたままの娘浅井サラ(杉野希妃)を唯一の身内として呼び寄せるところから始まります。女子高で数学を教えているサラは、会いたくもない父に突然呼び出されて戸惑いますが、身の回りの品などを取りに父の家に行きます。すると、地下室に少年(太賀)が閉じ込められていた、という展開です。

20年ぶりに会ったという父と娘が他人行儀に語り合うあたり、なかなか面白い。もちろんその前に、サラが普通の教師ではない描写があるので、R-15ならではの人間関係の揺れ動きがこちらの興味を引きつけます。あ、これには個人差がありますので、取扱いにご注意ください。たとえば僕は、杉野希妃という女優さんの顔があまり好みではないのです。でも、それを超えて、というかそれだから見続けられる。

少年に対する愛とか、カストラートに対する憧憬とか、そんな部分も僕には範疇外ですが、かまいません。つまり警察が家宅捜索に来てロープを発見し、“このロープ、人を縛った形跡がありますね”と色めきたつのに対し、“個人的な趣味です”とわずかに恥を忍んでという雰囲気で言い切る、その杉野希妃のためらいと決断がとてもよかった。少年のノドボトケが目立ってきたと指先で触る場面もいい。

和島香太郎という監督さんについては知りませんが、杉野&深田コンビが重用している脚本家なので追いかけたいと思います。とはいえ、5年前のこういう作品を今ごろ追いかける僕って、やはり勉強不足ですなぁ。他人の評判だけで追いかけるのではなく、自分で発見して追いかけないといけないわけです。襟を正そう。
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