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2019年02月22日21:29

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白痴

 昨日、タイのバンコクを周遊中の友人から絵はがきが届いた。今月、渋谷で彼と会った際、バンコク在住の画家・阿部恭子さんの絵はがきを見せられたところ、私の反応が異様に好意的だったので、わざわざ彼女の作品を扱っている画廊に赴いたようだ。阿部さんの写実法と色彩感覚はきわめて原初的で、手で触れると37度の熱が感じられそうである。彼の帰国は今週末なので、手に取って30分後に礼状を書いて郵便局まで投函しに行った。今日は今日で、切手の在庫がなくなり出したので、お年玉年賀状で当たった記念切手3シートを受け取りに郵便局へ行った。
 日韓の友好関係が日一日と崩れ始めている。韓国の反日感情についてはわからないが、日本人の嫌韓・嫌中は端で見ていて心痛いいほどに侮蔑的で、つくづく日本の愚かさがイヤになっている。もともと私は所属集団に対する帰属意識と仲間意識が低い性格なので、自分が日本人であるということが誇りどころかいまや劣等感になっている。先進国で歴史認識度のランキングを作成したら、最下位であろう。もっともいまや労働生産性や賃金、成長率もOECD各国で軒並み「ドベ」なので、文化度だけが低いわけではない。
 こういう怒りを書いたのは、昨日、Firefoxのお気に入りに登録している一人の在日韓国人のTwitterが閉鎖された、ということも遠因になっている、ネトウヨというのは趣味が「いじめ」くらいしかないせいなのか、在日に対してしつような嫌がらせコメントを付ける。で、耐えきれなくなって、在日韓国人はSNSを閉じてしまう。これまで3人か4人のTwitterが「このページは存在しません」となってしまった事態を見てきた。
 低脳愛国主義者とヤンキー安倍一族は文句があるなら日本から出ろ、と在日やサヨクを罵って悦に入っているが、日本から出るべきは日本の品位を汚すだけ汚したおまえたちであろう。
 昨日、近藤ようこが坂口安吾の「戦争と一人の女」を漫画化した作品がある、という記事を読んで、久しぶりに青空文庫のHPへ。そして、安吾の「戦争と一人の女」をダウンロードして、ディスプレイで読むのが嫌さに印刷してから読んでみた。短編なのでものの15分で読めた。
 安吾の作品をもう少し読みたくなったので、物は試しとばかりに今日、自転車でブックオフへ行ったら、この作品を含む短編集『白痴』が文庫の100円棚にあって、我ながら驚いた。こういう好運ってあるんですねぇ。
 表4にある説明書きは以下のとおり。
<白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自嘲的なアウトローの生活をくりひろげながら、「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編を収める。>
 こういう短編集というのは旅のリュックに詰めて、往きの電車内で読むのにふさわしい文庫だ。一篇を読んだら車窓に流れる景色を見る。で、もう一篇読むという繰り返し。
 いま行きたい温泉がひとつある。安吾とかトルストイとか、あるいは今日久々に買った桐野夏生の文庫を3冊選んで旅に出たくなった。

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