mixiユーザー(id:18419990)

2019年01月18日23:30

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水滸伝 読中感想文2

 前の日記で訳文にクレームを入れたが読み進むにつれて良くなってきた。井波律子先生の調子が良くなってきたのだろう。

 とはいえ漢詩・詞・美文は訳文はおろか書き下し文も斜め読みである。原文なんざ見もしない。なぜなら、これらの大半は風景描写・ディティール描写だからだ。時代の違いをひしひしと感じる。
 本書が読まれた近代以前ではこれが重要だったのだ。中世・近代以前の読者は旅行なぞできないから風景描写を楽しみ、絵画は一部の富裕層にしかもたらされないからディティール描写で想像力で補完するしかない。

 いちおうは現代人である私にはこれがウザったくて仕方がない。武将の装束を頭のてっぺんから足元に至るまで詳細に記述されているのだ。真面目に読んでその姿を想像するのはなかなか困難だ。きっと昔の読者もあさってな姿を想像して、でも楽しんだのだろう。
 私は楽しめない。もし武将の装束を知りたかったら全4〜50巻のDVDを観た方がてっとり早い。美術スタッフが時代考証もしっかりして、原作に忠実な姿を見せてくれるだろう。
 ちなみにDVDにも興味がある。楊志と索超の戦闘シーンはカンフーアクションの見応えある映像が期待できる。

 脱線したが、中世の文学と現代の文学の違いについて、最現代の文学は読者がスマホを持っている事を前提としている事が少なくない。
 前に読んだ「生存者ゼロ」ヘリコプターの機種名が記述されているが、そのディティールは記述されていない。今はそれで良い。興味がない読者はそういう名前のヘリコプターがあるとして読み進むし、どんなヘリコプターなのか知りたければググれば良い。

 これがOH-6
四翔の羽は天を突き
機体は玉卵に似たり
と延々と続いたら如何だろうか?
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