mixiユーザー(id:3210641)

2018年12月07日08:53

384 view

【バレエ】マリインスキー「ドン・キホーテ」(5日)

山手線の新駅名、
ださいとか長いとか山手線の駅名らしくないとか、
ぼこぼこに叩かれているが大丈夫。
カタカナ部分はみんな見なかったことにするから。(笑)

東名あおり事件の公判ニュースを受けて、
石橋被告もネットで叩かれまくっているが、
亡くなったお父さんは、注意というよりも、
「邪魔だどけ!」とかなり強い口調で言っていたことが、
ネットで「小さく」報じられていた。


バレエ公演の開場時間は、
正規非正規に開演の45分前ということがたまにあるが、
たいていは30分前だ。

はやく開けるとスタッフの労働時間も加算され、
劇場のレンタル料が上がるから? と邪推するが、(笑)
今回は意外にも1時間も前だった。

「30分前」という先入観があるから、
(私も公演当日、チケットを見直して気付いた)
開場してしばらくはホワイエも閑散としていたが、
利用者目線で記すなら、1時間前開場はありがたい。
観覧前の下準備、腹ごしらえやトイレを慌てなくてすむからだ。


Kの「ドンQ」に続き、今回も周囲に変な人はおらず、
快適な観覧だったが、少し離れたところでは、
そうでもなかったようだ。

たしか2幕が始まって間もない頃だったと思うが、
ある男性が身を乗り出し始めると、
その直後に座っていた若い女性がいきなり片手を伸ばし、
襟首をつかんでグイ! と引き戻した。

問答無用の制裁に、引っ張られた男性、
文句のひとつも言うかと思って見ていると、
(舞台観ろよ、と突っ込まないように)
自覚はあったのか、彼は何も言わずおとなしくしていた。
その代わり、一緒に来たらしい隣の女性が後ろを睨んでいた。
いや、怒るなら、相方の方にだろ。

ただし襟首を引っ張った女性も帽子をかぶっていたから、
あんたにだけは注意されたくないな、
と心の中でツッコんでいた。(笑)

帽子の素材はニットのようで、形状もベレー風だから、
実害はほぼないと思うが、
彼女は背が高いのか座高があって、
頭の高さは隣の男性よりもさらに少し高かったから、
後ろの人はやはり面白くはなかっただろう。


休憩時間、座席で幕の上がるのを待っていると、
前席のおば様方の会話が聞こえてくる。

「Aさんは来ないの?」

「あの人はロイヤル一筋だからね」

「Bさんも来てなさそうね」

「あの人もパリオペしか観ないし」

「彼女、いつもパリオペ凄いしか言わないけど、
今日の方が女性綺麗だし上手いよね」

「そうそう」「ねー」

私も心の中で相槌を打っていました、おば様方。(笑)


幕開け前、クラリネットが「白鳥」のフレーズを練習していた。
気の早い奴だなー、と思って聴いていたら、そうじゃなかった。(笑)

「ガラ」が最初でその次が「ドンQ」と思っていたら、
「ドンQ」の合間に「ガラ」を挟むという、変則上演。なんでだ。
https://www.japanarts.co.jp/mariinsky2018/ticket.html

ちなみに「ドンQ」初日(11月28日)の配役はこれで、
https://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=3622
2日目(29日)がこれ、
https://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=3624
私がお師匠さまと観た楽日(12月5日)がこれ。
https://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=3644

3つ並べた理由は後ほどにして、
マリインスキーの「ドンQ」はゴールスキー版。
東バが保存(笑)している版で、新国も昔はこの版だった。
マールイのボヤルチコフ版もベースはこれである。

パンサの胴上げが1幕にあり、ガマーシュをあまり崩さず、
闘牛士たちのナイフは床に刺すのではなく置くタイプと言えば、
ああ、あれか、と思われた方も多いだろう。
ただし日本で見慣れているものとはところどころ異なり、
たとえば3幕のギターの踊りは東洋の踊りになっている。

「ゴールスキー版(19××年)」と記す資料もあるように、
ゴールスキーさんはちょこちょこ手を入れる人だったようで、
東バの「ドンQ」もずいぶん前からやっているから、
どちらが古いのかちょっと気になる。
プログラムに何か書いてあるだろうか。

また本国ではキホーテは本物の馬に乗って登場し、
子役の姿もあるが、
今回の日本公演では馬も子役もナシなので、
2幕の芝居も割愛されている。

そのあたりが気になる人には、ちょうど良いディスクがある。
収録は2006年とやや古いが、
キトリがノーヴィコワさん、バジルがサラ坊、
エスパーダにメルクリさん、街の踊り子にコンダウーロワさん、
花売り娘の一人にセーリナさん、
QPにオブラスツォーワさん、森の女王にソーモアさんと、
みなまだ若いが、配役はなにげに豪華。
会場の物販コーナーにも置いてあったが、
アマゾンで買った方が安い。(笑)

「ガラ」の感想で我が師はマリ管の演奏を「上品」と記していたが、
少なくとも5日の演奏にそのような要素はなかった。
1幕は妙に軽薄でバランスが悪く、
2幕で調子が出てきたと思ったら、
3幕ではロシアのオケらしく暴走しかかっていた。(笑)

話がちゃうやんと思っていたら、帰宅すると我が師から追伸が。
日本国内でよそのオケに客演していたゲルギーさんが、
2日(「ガラ」の日)は自分の仕事が終わると上野に襲来、
舞台裏に緊張が走ったという。(笑)

一応記すと、
終演後オケピから激しく足を踏みならす音が聞こえてきたから、
5日の指揮者レプニコフさんも奏者からは慕われているようだ。


配役のうち、良い意味で印象に残ったのは、
キトリのシャキロワさん、バジルのスチョーピンさん、
エスパーダのズヴェレフさんと闘牛士たち、
街の踊り子のヤリニチさん、ロマの頭領エニケーエフさん、
ヴァリのセーリナさん。

シャキロワさんは元気いっぱいの踊りをする人で、
風貌や演技もこの役に向いている。
その軽快な踊りは途中で力尽きるどころか、
ラストに向けてさらに加速するかのよう。
しかも体が柔らかいから、どの技も勢いはあるが、
ただ手脚を振り回しているようにはならない。

キトリというと、跳躍して上体を反らし、
後ろに上げた脚の爪先が上に伸ばした両手先に付きそうな絵面を
プログラムなどではよく使っているが、
実際は背中が硬く美しい円弧を描けない人もいる。

けれど彼女は前述したように体が柔らかいから、
理想的なイメージ通りのポーズとなり、観ていて気持ちが良い。
2015年ワガノワ卒とあるから、今後の成長が楽しみな若手だ。

スチョーピンさんはシャキロワさんの10年先輩で、
2016年に昇格したファースト・ソリスト。
彼もまた体が柔らかく、綺麗に背中の反ったランベルセは、
シムキンくんやマラーホフさんを思わせる。

スピーディなシャキロワさんの動きにしっかり追随し、
小林/山本組ほどではないが息も合い、
自分のヴァリもきっちりこなす、派手ではないが、
今後も注目したくなる踊り手だ。

エスパーダのズヴェレフさんと闘牛士たちは、
背が高いというよりも「巨大」な印象で、
上野の舞台、こんなに狭かった? と錯覚するほど。
そんな彼らが大きなムレタをぶんぶん振り回す様は圧巻で、
「ドンQ」のムレタさばきはこれだよこれ! と心の中で快哉した。(笑)

「今回の男性陣のスタイルはパリオペに負けないね」
とはお師匠さまの感想。
たしかにみな脚が長くて綺麗だ。羨ましいぞ。

街の踊り子ヤリニチさんを筆頭に、
今回の女性陣は美女率が高く、目付きが皆色っぽい。
スタイルも当然良いから、
闘牛士たちが鼻の下を伸ばしても仕方がない。(笑)

ロマの頭領エニケーエフさんも大柄な人で、
鞭をしばく姿は迫力があるが、
彼もまた背中が柔らかいので踊りは意外にも優雅だ。

セーリナさんはベテラン、DVDの花売り娘が印象的な人。
今回のお手本のようなヴァリにはため息しか出ない。
ところが略歴を見る限り、主役は踊っていない。
マールイのミリツェワさん的なポジションなのだろうか。
よそのバレエ団に行けば即主役だろうに、もったいない。

配役表を眺めていたら、
「ドミートリー・プィハチョーフ」という人がいた。
マールイのプハチョフさんと同じ綴りなんだろうなぁ、
と思っていたら、お兄さんとのこと。
顔写真を見ると、額の後退具合から、
たしかに同じ遺伝子を感じる。(笑)

「弟さん同様、つま先の綺麗な人だよ」とお師匠さま。

楽しみに舞台を迎えたら...ロレンソのあの衣装では、
わからないよ。(泣)


マリインスキーという看板と、
S席2.4万という数字をポケットに仕舞えば、
今回の舞台は十分楽しめた。

しかし、ばらけてはいないがきっちり揃っているとも言えない群舞、
上記以外のソリストは物足りず(森の女王とQPはKの方が上手かった)、
プロ・ダンサーとしての手抜き感が悪い方に出ている若手、
手を抜くというほどではないが、本気でもないだろ? というオケは、
ポケットの中身を考えると、もやもやが残る。

最初に張った28日の配役は、
主役にテリョーシキナさんとキムさん、
エスパーダにズヴェレフさん、
街の踊り子がコンダウーロワさん、
森の女王とQPにホーレワさんと永久さんだから、
こちらなら満足感はもっとあり、値上がりしたチケット代も、
嬉しくはないが、時節柄仕方がないと思えたかもしれない。

ここもまたファーストとセカンドの差が大きいようで、
ダンサーの層が薄くなっている現状が垣間見える。
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年12月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031