山手線の新駅名、
ださいとか長いとか山手線の駅名らしくないとか、
ぼこぼこに叩かれているが大丈夫。
カタカナ部分はみんな見なかったことにするから。(笑)
東名あおり事件の公判ニュースを受けて、
石橋被告もネットで叩かれまくっているが、
亡くなったお父さんは、注意というよりも、
「邪魔だどけ!」とかなり強い口調で言っていたことが、
ネットで「小さく」報じられていた。
バレエ公演の開場時間は、
正規非正規に開演の45分前ということがたまにあるが、
たいていは30分前だ。
はやく開けるとスタッフの労働時間も加算され、
劇場のレンタル料が上がるから? と邪推するが、(笑)
今回は意外にも1時間も前だった。
「30分前」という先入観があるから、
(私も公演当日、チケットを見直して気付いた)
開場してしばらくはホワイエも閑散としていたが、
利用者目線で記すなら、1時間前開場はありがたい。
観覧前の下準備、腹ごしらえやトイレを慌てなくてすむからだ。
Kの「ドンQ」に続き、今回も周囲に変な人はおらず、
快適な観覧だったが、少し離れたところでは、
そうでもなかったようだ。
たしか2幕が始まって間もない頃だったと思うが、
ある男性が身を乗り出し始めると、
その直後に座っていた若い女性がいきなり片手を伸ばし、
襟首をつかんでグイ! と引き戻した。
問答無用の制裁に、引っ張られた男性、
文句のひとつも言うかと思って見ていると、
(舞台観ろよ、と突っ込まないように)
自覚はあったのか、彼は何も言わずおとなしくしていた。
その代わり、一緒に来たらしい隣の女性が後ろを睨んでいた。
いや、怒るなら、相方の方にだろ。
ただし襟首を引っ張った女性も帽子をかぶっていたから、
あんたにだけは注意されたくないな、
と心の中でツッコんでいた。(笑)
帽子の素材はニットのようで、形状もベレー風だから、
実害はほぼないと思うが、
彼女は背が高いのか座高があって、
頭の高さは隣の男性よりもさらに少し高かったから、
後ろの人はやはり面白くはなかっただろう。
休憩時間、座席で幕の上がるのを待っていると、
前席のおば様方の会話が聞こえてくる。
「Aさんは来ないの?」
「あの人はロイヤル一筋だからね」
「Bさんも来てなさそうね」
「あの人もパリオペしか観ないし」
「彼女、いつもパリオペ凄いしか言わないけど、
今日の方が女性綺麗だし上手いよね」
「そうそう」「ねー」
私も心の中で相槌を打っていました、おば様方。(笑)
幕開け前、クラリネットが「白鳥」のフレーズを練習していた。
気の早い奴だなー、と思って聴いていたら、そうじゃなかった。(笑)
「ガラ」が最初でその次が「ドンQ」と思っていたら、
「ドンQ」の合間に「ガラ」を挟むという、変則上演。なんでだ。
https://www.japanarts.co.jp/mariinsky2018/ticket.html
ちなみに「ドンQ」初日(11月28日)の配役はこれで、
https://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=3622
2日目(29日)がこれ、
https://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=3624
私がお師匠さまと観た楽日(12月5日)がこれ。
https://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=3644
3つ並べた理由は後ほどにして、
マリインスキーの「ドンQ」はゴールスキー版。
東バが保存(笑)している版で、新国も昔はこの版だった。
マールイのボヤルチコフ版もベースはこれである。
パンサの胴上げが1幕にあり、ガマーシュをあまり崩さず、
闘牛士たちのナイフは床に刺すのではなく置くタイプと言えば、
ああ、あれか、と思われた方も多いだろう。
ただし日本で見慣れているものとはところどころ異なり、
たとえば3幕のギターの踊りは東洋の踊りになっている。
「ゴールスキー版(19××年)」と記す資料もあるように、
ゴールスキーさんはちょこちょこ手を入れる人だったようで、
東バの「ドンQ」もずいぶん前からやっているから、
どちらが古いのかちょっと気になる。
プログラムに何か書いてあるだろうか。
また本国ではキホーテは本物の馬に乗って登場し、
子役の姿もあるが、
今回の日本公演では馬も子役もナシなので、
2幕の芝居も割愛されている。
そのあたりが気になる人には、ちょうど良いディスクがある。
収録は2006年とやや古いが、
キトリがノーヴィコワさん、バジルがサラ坊、
エスパーダにメルクリさん、街の踊り子にコンダウーロワさん、
花売り娘の一人にセーリナさん、
QPにオブラスツォーワさん、森の女王にソーモアさんと、
みなまだ若いが、配役はなにげに豪華。
会場の物販コーナーにも置いてあったが、
アマゾンで買った方が安い。(笑)
「ガラ」の感想で我が師はマリ管の演奏を「上品」と記していたが、
少なくとも5日の演奏にそのような要素はなかった。
1幕は妙に軽薄でバランスが悪く、
2幕で調子が出てきたと思ったら、
3幕ではロシアのオケらしく暴走しかかっていた。(笑)
話がちゃうやんと思っていたら、帰宅すると我が師から追伸が。
日本国内でよそのオケに客演していたゲルギーさんが、
2日(「ガラ」の日)は自分の仕事が終わると上野に襲来、
舞台裏に緊張が走ったという。(笑)
一応記すと、
終演後オケピから激しく足を踏みならす音が聞こえてきたから、
5日の指揮者レプニコフさんも奏者からは慕われているようだ。
配役のうち、良い意味で印象に残ったのは、
キトリのシャキロワさん、バジルのスチョーピンさん、
エスパーダのズヴェレフさんと闘牛士たち、
街の踊り子のヤリニチさん、ロマの頭領エニケーエフさん、
ヴァリのセーリナさん。
シャキロワさんは元気いっぱいの踊りをする人で、
風貌や演技もこの役に向いている。
その軽快な踊りは途中で力尽きるどころか、
ラストに向けてさらに加速するかのよう。
しかも体が柔らかいから、どの技も勢いはあるが、
ただ手脚を振り回しているようにはならない。
キトリというと、跳躍して上体を反らし、
後ろに上げた脚の爪先が上に伸ばした両手先に付きそうな絵面を
プログラムなどではよく使っているが、
実際は背中が硬く美しい円弧を描けない人もいる。
けれど彼女は前述したように体が柔らかいから、
理想的なイメージ通りのポーズとなり、観ていて気持ちが良い。
2015年ワガノワ卒とあるから、今後の成長が楽しみな若手だ。
スチョーピンさんはシャキロワさんの10年先輩で、
2016年に昇格したファースト・ソリスト。
彼もまた体が柔らかく、綺麗に背中の反ったランベルセは、
シムキンくんやマラーホフさんを思わせる。
スピーディなシャキロワさんの動きにしっかり追随し、
小林/山本組ほどではないが息も合い、
自分のヴァリもきっちりこなす、派手ではないが、
今後も注目したくなる踊り手だ。
エスパーダのズヴェレフさんと闘牛士たちは、
背が高いというよりも「巨大」な印象で、
上野の舞台、こんなに狭かった? と錯覚するほど。
そんな彼らが大きなムレタをぶんぶん振り回す様は圧巻で、
「ドンQ」のムレタさばきはこれだよこれ! と心の中で快哉した。(笑)
「今回の男性陣のスタイルはパリオペに負けないね」
とはお師匠さまの感想。
たしかにみな脚が長くて綺麗だ。羨ましいぞ。
街の踊り子ヤリニチさんを筆頭に、
今回の女性陣は美女率が高く、目付きが皆色っぽい。
スタイルも当然良いから、
闘牛士たちが鼻の下を伸ばしても仕方がない。(笑)
ロマの頭領エニケーエフさんも大柄な人で、
鞭をしばく姿は迫力があるが、
彼もまた背中が柔らかいので踊りは意外にも優雅だ。
セーリナさんはベテラン、DVDの花売り娘が印象的な人。
今回のお手本のようなヴァリにはため息しか出ない。
ところが略歴を見る限り、主役は踊っていない。
マールイのミリツェワさん的なポジションなのだろうか。
よそのバレエ団に行けば即主役だろうに、もったいない。
配役表を眺めていたら、
「ドミートリー・プィハチョーフ」という人がいた。
マールイのプハチョフさんと同じ綴りなんだろうなぁ、
と思っていたら、お兄さんとのこと。
顔写真を見ると、額の後退具合から、
たしかに同じ遺伝子を感じる。(笑)
「弟さん同様、つま先の綺麗な人だよ」とお師匠さま。
楽しみに舞台を迎えたら...ロレンソのあの衣装では、
わからないよ。(泣)
マリインスキーという看板と、
S席2.4万という数字をポケットに仕舞えば、
今回の舞台は十分楽しめた。
しかし、ばらけてはいないがきっちり揃っているとも言えない群舞、
上記以外のソリストは物足りず(森の女王とQPはKの方が上手かった)、
プロ・ダンサーとしての手抜き感が悪い方に出ている若手、
手を抜くというほどではないが、本気でもないだろ? というオケは、
ポケットの中身を考えると、もやもやが残る。
最初に張った28日の配役は、
主役にテリョーシキナさんとキムさん、
エスパーダにズヴェレフさん、
街の踊り子がコンダウーロワさん、
森の女王とQPにホーレワさんと永久さんだから、
こちらなら満足感はもっとあり、値上がりしたチケット代も、
嬉しくはないが、時節柄仕方がないと思えたかもしれない。
ここもまたファーストとセカンドの差が大きいようで、
ダンサーの層が薄くなっている現状が垣間見える。
ログインしてコメントを確認・投稿する