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2018年10月28日22:07

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ポタリストの記録・【サイクルギアの話・その3:フラットペダル】

 クロスバイクや廉価なロードバイクを購入すると最初からついて来るのはフラットペダルという平べったいペダルである。一方、高価なロードバイク(30万円以上)になると、大抵自分で購入する。これはビンディングペダルというロードレーサー用のペダルをつけるか、フラットペダルをつけるかはその人の使い方によって違って来るからだ。

 〜ビンディングペダルに向いた乗り方〜

 ◆ハイウエイ、信号の少ない地方の県道など

 ◆スピード重視
 
 ◆ヒルクライムでもスピード重視

 ◆兎に角、走る

 〜フラットペダルに向いた乗り方〜

 ◆ポタリング

 ◆スピードを求めない

 ◆市街地が多く、信号だらけ

 ◆自転車だけでなく、その街を徒歩で散策する場合

 ◆目的がある:グルメ、アート、お寺廻りなど

 といった具合だ。勿論慣れればビンディングペダルでも市街地ですらどうってことないよ、という人もいる。ビンティングペダルには専用の靴が必要である。専用靴の金具にペダルを引っかけてライダーは乗る。これは確かに速い。ロードバイクの入門のコンポーネントでもあるシマノ・クラリスがついたモデルでも、車重10kg弱程度なら私ですら平地の場合、或る程度時間を要するが、時速30kmは優に出る。何しろペダルに足を乗せているだけで快調に進む。

 しかし見逃せない欠点もある。
 
 最近矢鱈と多いのが、スマホをこねくり回した自転車乗り、「チャリスマホ」の連中である。街中を走っていると、急に出て来ることがよくある。この時、ビンディングペダルだとシューズを外す際に手間取ると、急ブレーキと共に乗ったまま転ぶことがある。

 これを「立ちゴケ」という。

 最悪の場合、不格好かもしれないが、靴を直ぐに脱げるように練習しておくことも一案だ(知り合いは実際にやっている)。少なくとも立ちゴケの恐怖から解放はされるはずだ。

 ビンディングペダルの場合、信号待ちの際、いちいち足を外さねばならない。よく耳を澄ますと、後方でガチャガチャという金属音を立てているのが聞こえるはずだ。

 またこれを履いて神社の階段を上がって参拝、それから○○の蕎麦屋に徒歩で15分、となると、もう面倒くさい。何しろ靴の重さではウオーキングシューズほど軽くない上、金属がついているので、ペンギン歩きみたいになる場合もある。

 一方、フラットペダルはビンディングペダルのように速く走る事は出来ない。が、走るだけではない局面やスピードを求めないシーンが多いならば、こちらでも良い。決してロングライドが出来ない、ということではない。

 という訳で、フラットペダルを継続して使い続けることにしたものの、そろそろ付属のから別のものにしようかと考えている。

■どんなフラットペダルにするのか?■

 さて悩ましい問題がまたひとつ出て来てしまった。ペダルの選択である。

 ペダルって?ビンディング以外は全てフラットではないのかい?

 という疑問が返って来そうだ。実はそう単純ではないのだ。

 これはどういう漕ぎ方をするかによって違って来る。ロードバイクほどスピードは求めないが、街中、舗装路の坂でラクに漕ぎたいという人は薄めで軽便なものが良いかもしれない。

 他方、MTBのように悪路、山岳路、不整地がメインという場合、フラットペダルでも大きいものが売られている。これはペダルの踏み外しはまかり間違うと、転倒を始めとして、命取りになるからだ。そこまでいかなくても、この場合、ペダルの突起に当たって足に当たると先ず間違いなく引っかき傷がつく。それも「弁慶」のところだから、かなりの激痛を味わうことになるので、カバーを推奨したい。

 またMTB用のペダルは突起が深いものが多いので、長時間乗っているとシューズを傷めるかもしれない。

 フラットペダルでポタリング、時にはロングライドを試みるのであれば、横よりも縦に長いモノの方が力を伝えやすい。フラットペダルもまた構造が大まかに言って3つに分かれている。

 ◆シールドベアリング(×1)+ブッシュ

 ◆ボールベアリング×2

 ◆シールドベアリング×3

 である。

 初めて知った時はビンディングペダル以外がフラットペダル、そんな風に思っていた。その解釈は間違いではないが、ではフラットペダルは?と調査した結果がこれである。

 どれがロングライド、ポタリングでも疲れないかと言えば、結論を言ってしまえば、最後のシールドベアリングが3つついたタイプである。一方、購入時に最初からついているのは殆どがシールドベアリング1個+ブッシュタイプ。こちらの方が廉価に作れるからである。メーカーカタログに載っているのもこちらだ。勿論メーカー品だからデザインの相性そのものは良い。デザインも後付けありあり・・・ということもない。ただ、長距離の耐疲労度という点では疑問が残る。
 
 なぜシールドベアリング×3のタイプが良いのか。

 それは3個ついていることで、荷重を分散させ、耐久性を増すだけでなくシールドベアリング×1+ブッシュタイプと比べ、まるで別物のように、滑らかで、回転数を増やせるからだ。その違いは手で回せるかどうかでよく分かるはずである。

 重量とて無視出来ない。最近ではマグネシウム製のものまで登場している。しかし、ビンディングペダルがなぜ速いのかといえば、力の伝導効率が良く、回転するからである。
 
 更に言えば、ピンが程良く突起状になっているものが良い。この「程良く」が重要で、ロングライド、ポタリングで使われるだけでなく、ちょっとコンビニに買い物に、お医者さんに・・・とハレとケがあったら、ロードバイクが専ら「ハレ」で使われるが、クロスバイクは「ケ」でも使われることが多々あるからだ。革靴で乗ってもそれほどソールに傷がつかないとなると突起はほどほどの方が良い。といって、全く突起の無いものが良いのかというと、それだとロングライドの時にペダルが乱れて膝を痛めることになる。ローディがなぜビンディングペダルを使うのかと言えば、ペダリングを乱さずにパワーを伝達するためである。矢張りほどほどが良いのだ。

 逆に突起のピンが鋭すぎると、靴を傷めることになる。

 但し、トリプルシールドベアリング採用のペダルの見逃せない欠点はその名の通り、「シールド」と書かれているように、ベアリングを殻が守っている。この防護の殻の中に万一水が入ってしまえば、いかにトリプルシールドベアリングといえども使いものにならなくなる。

 ★雨天時にも走行されることが多い人にはあまりお勧めできません★

■トリプルシールドベアリング採用のフラットペダル4選■

 それではトリプルシールドベアリングを採用するメーカーと製品を列挙してみる。価格帯は5,000円前後〜1万5千円弱までのものとした。このプライスラインは中の上ぐらいになるが、それでもビンディングシューズ+ペダルの価格と比べたら廉価と言えるかもしれない。

◆三ヶ島(MKS)のシルバンネクストシリーズ、オールウエイズシリーズ

 シルバンシリーズはサイクリストの間ではベストセラーだ。近年トリプルシールドベアリングが採用され、グレードアップ。シルバンネクストシリーズとして新たなグレードが追加。最近では何とワンタッチで脱着が出来るタイプが両方ともある。流石にワンタッチ式は1万円を越えてしまうのが痛いが。

 まあ・・・輪行ではペダルを外さない人もいらっしゃるようなので、どちらかというと、トールタイプの軽自動車載向けかもしれない。実際、構造を知っている人がいたら、ペダルの盗難の可能性は否定できないのだから。

 作り込みは元々がペダルの専門メーカーで、メイド・イン・ジャパンへの拘りがあるところなので、質実剛健。シルバンシリーズ、シルバーの色の鏡面磨きは精巧にして美しく、汚れた靴で踏みこむことを躊躇したくなるほどの美しさだ。

 オールウエイズシリーズは街中がメインだったら、MTB車に使用しても良いと思う。価格もトリプルシールドベアリング採用としては4,980〜6,500円程度に留まる。ただ、色がブラックと艶消しのシルバーのため、色合わせがちょっと難しいフレームの色の自転車もあるかもしれない。

★なお、ブラックは大変な人気で、2018年10月現在、生産が追いつかないらしいですよ。★

 ◆タイオガ(TIOGA)スパイダーペダル

こちらもまたトリプルシールドベアリングを採用したペダルである。その名の通り、蜘蛛の巣のようにメッシュなデザインになっている。蜘蛛が8本足をしているように、ピンが8本あり、ピンの食いつきが良い。色はブラックとホワイト。デザインがどきついので、惚れたらあれこれ迷わせない強烈な個性があるのも確かだ。

 ◆エクスペド・トラバースXCF-07シリーズ

 どちらかというと、クロスバイクよりもBMX系である。そのため、扇を上下に並べたような独特の形をしている。ただ、BMXとしてはそれほどピンが鋭くないので、街中でもOK。しかもそれでいて、ピンの数は10個。扇形を2つあわせたフォルムなので、踏ん張りが効きやすい。エクスペドもまた30年以上ペダルの製造を手掛ける専門メーカーである。こちらも決してお安くは無いが、後悔は無い製品のひとつだろう。

 スポーツ車は無く、軽快車やママチャリだけど、ペダルが変わるとどれだけ走りが変わるのだろうとご興味を持たれた方。

 もしペダルを取り外せるレンチがあるならば、MKSのシーティーライト(CT−LITE)に替えてみると分かりやすいと思う。アマゾンあたりだったら、2千円で売っている。これは軽快車、ママチャリにもつけられる。ペダルレンチは598円〜1,980円ぐらいでホームセンターでも買える(無い場合はモンキスパナでもとりあえず可)。取り付け方はペダルのボルト側にたっぷりとグリスをつけ、レンチで回すだけ。回す方向さえ間違えなければ、誰でも出来る。

 実は私もGIANT ESCAPEを購入する前に乗っていたBSの軽快車に付け替えたが、漕ぎやすさは付属品とは比べ物にならなかった。トリプルシールドベアリング式ではなく、ただの1個のベアリングだというのに。

 但し、一度体感してしまうと、逆に「これで十分じゃない?」という気にさせられる人もいるかもしれないが。

 個人的には三ケ島のシルバンツーリングネクストに強く惹かれるが、流石にお値段も7,000円を越える。脱着式のタイプになるともう1万円を越える。結構良いお値段だ。それを考えるとオールウエイズも良い。何しろこの値段でトリプルシールドベアリングが入手できるのであれば、コスパ抜群だ。安物では無い廉価なメイド・イン・ジャパンのペダルで、矢張り売れるべくして売れているのだと思う。オールウエイズを廉価、と書いたが、それでも10万円台前半のロードバイクに付属でついて来るおまけのフラットペダルよりも比較にならないほど精巧で動きの良いペダルのはずである。

 ペダルは一度替えれば廃車になるまで使えるはずなので、そう思えばビンディングシューズ+ビンディングペダルと比較して、お財布に優しいパーツだと言えるかもしれない。
 
 愈々3年目の点検がやってきた。予定通りMKSのシルバンツーリングネクストに決まった。

 そのレポートについては次回以降にしたい。

 最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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