mixiユーザー(id:2391655)

2018年08月14日07:58

120 view

浜風のつぶやき2018〜33〜心地よい強豪

ボクは大阪桐蔭が好きだ。それはスター選手がいるからでもなく、常勝軍団であるからでもない。うまく言葉に表すのが難しいが、敢えて言えば相手の力を存分に引き出した上で勝つからだ・・・・

とでも言おうか・・・

1回戦の作新学院戦。2年前の覇者と戦った試合だ。あの試合も作新は万全の試合をした。大阪桐蔭を倒すために考えつくした作戦のほとんどを完璧にやったと思う。もしあの試合で1点先制してゲームを進めたらどうなっていただろう。たぶんそれでも大阪桐蔭が勝つのだろうけど・・・・

今日の2回戦の相手は沖学園。彼らこそこの大会における最大のラッキーチームかもしれない。甲子園初出場で初勝利を挙げ校歌を歌った。そして次の相手が優勝候補ナンバー1の大阪桐蔭だ。5人ものドラフト候補がいるチームだ。この満員の甲子園でそんな相手と試合ができる。

当然だが沖学園は大阪桐蔭に勝つために初戦突破後、作戦を練ってきたはずだ。

沖学園の先発は背番号10の石橋君。予選では背番号1を背負いながらも2回3/1の登板で失点1という記録が週刊朝日に記載されている。そして本大会では事実上のエースだった斉藤君が1番をつけた。その斉藤君は1回戦の北照戦で完投勝利。

その状況の中で石橋君は1回2回と四球の走者を一人ずつ出しただけ、3回は三者凡退に打ち取る。序盤から大阪桐蔭が得点を重ねるというシーンを思い描いていた人がほとんどだっただろう。だからか大阪桐蔭の打者が打ち取られるたびに甲子園はどよめく。


大阪桐蔭の先発は根尾君。初回こそ三者凡退に斬ってとるが、制球が定まらない。高めに浮くボールが多くそれを空振りしてしまう沖学園の選手もいたが・・・

だが、沖学園の2回先頭の吉村君がライト線へ2塁打。その後2死となるが沖島君の安打で2死1・3塁。チャンスは広がった。だが、このイニング3本目の安打をあの根尾君から期待できるのかと思っていた矢先、彼はまた浮いたボールを投げた。それを捕手が後逸。なんと沖学園が大阪桐蔭から先制する。

ここからがこの試合の真骨頂だった。

普通の流れなら優勝候補がその後本気を出して圧倒・・・・

しかし、そうはならない。

2回に沖学園に先制された大阪桐蔭は3回までは無安打どころかいい当たりもほとんどなかった。芯を外されてこれといった打球すらなかったのだ。

だが4回の大阪桐蔭は3番中川君4番藤原君の連続2塁打であっさり同点。根尾君は歩かされ送りバントの後にワイルドピッチで逆転した。

その直後の5回表、沖学園は先頭の森島君のソロ本塁打で堂々と追いつく。2−2・・・-

その裏、沖学園は投手を斉藤君に代えた。ここからが勝負と見たのだろう。だが大阪桐蔭はその5回の裏、また中川君の犠飛で1点をリードすると、沖学園は6回表に2死無走者から石橋君の2塁打と吉村君のタイムリーでまた同点・・・・

あの大阪桐蔭を相手に逆転されても追加点を奪われても追いついてくる沖学園。甲子園のファンが徐々に引き込まれていく。

6回の裏、大阪桐蔭は無死1塁から盗塁失敗、更に打者は三振。同点のまま終盤に入るのかと思われたが、ここからが大阪桐蔭だった。死球を挟む4連打で4点を奪った。

ああ、ここまでかという空気が甲子園を包む。7回には根尾君のバックスクリーンど真ん中に入る本塁打が出て8−3・・・

だが8回、沖学園は阿部君が本塁打。さらに2死1・2塁とするが後続が断たれた。そしてその裏、沖学園は先頭の宮崎君に四球を許したものの牽制で刺す。だが青地君の3塁打と藤原君の流し打ちで外野席中段に入る本塁打で2点を失った。

9回沖学園の最後の攻撃。大阪桐蔭はエースの柿木君をマウンドに送る。初球は149キロ。期待が高まる第2球は151キロと掲示された。大歓声が沸く甲子園。だが3球目、沖学園の森島君は変化球をセンター前に運んだ。

1塁に到達したときに軽い熱中症なのか座り込んだ森島君に対していち早く氷とドリンクをもって駆けつけたのは1塁側ベンチの大阪桐蔭の選手だった。

ここが大阪桐蔭の強さの一面だ。敵味方関係なく常に選手がそういう状況になったときには対応できる準備をしている。もちろん相手チームに対しての行動に大きな称賛の拍手がわくのは当然だが、こういう細かな面も常に対応できる力。打つ投げるだけではない強さだと思う。

沖学園は盗塁を決め死球で走者をためるが得点には至らず10−4で試合は終了した。結局は大差試合となったが、その得点差を感じさせない好ゲームだったと思う。

大阪桐蔭は劣勢になってもこれといった小細工はせず堂々と受けて立つ。そして勝つ。相手はそれが心地よい。たとえぼろ負けしてもそういう戦い方をしてくれる強豪というのは気持ちのいいものだ。沖学園もだからこそ全力を出し切ったと思う。

同点の場面から登板し敗戦投手となった沖学園の斉藤君。根尾君にはバックスクリーンど真ん中に放り込まれ、藤原君には流し打ちで外野席中段近くまで運ばれた。だが根尾君からは2塁打も放ったのだ。

素晴らしいじゃないか。あの大阪桐蔭の根尾・藤原という選手に堂々と勝負を挑み本塁打を打たれた。あの超満員の甲子園球場で・・・・

ボクが斉藤君ならこれは一生の自慢話だ。彼の真っ向勝負と堂々とした散りっぷりに大きな拍手を送りたいと思う。そして、沖学園は大きな歴史を刻んだ。



2018年8月13日 第100回全国高校野球 2回戦(於 阪神甲子園球場)
沖学園
010 011 010 = 4
000 214 12x = 10
大阪桐蔭

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年08月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031