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2018年08月12日06:52

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浜風のつぶやき2018〜28〜白山高校負けました

そうか、これをやりたかったのか・・・・

ボクはそう思った。今日の第4試合の観衆が発表されたのは午後5時50分。しかもその数は4万人だ。今日は朝からすでに梅田駅でも満員札留と放送されていた。これから甲子園に向かっても入場券のない方は入れませんと何度も放送されるお馴染みの光景。ああお盆期間に入ったなと実感する時だ。

第1試合は平安が登場、第2試合は明石商、第3試合は報徳という兵庫勢が登場する。第2試合で4万3千と発表され満席状態だった。誰もが簡単に予測できる状況だ。しかし、これは予想できなかった。

第4試合は初出場の白山対愛知の強豪愛工大名電。確かに注目校ではある。数年前までは部員が5人というポンコツ野球部が甲子園に出場するというどこぞの映画のようなチームだ。しかも、女性部長がはしゃぎすぎて甲子園見学会ではグランドを縦横無尽に駆け回りバッターボックスでスイングをしたり、外野フェンスに身体を預けたりするなどして高野連から注意を受けた。あくまで女性だからということではなく、この見学会は選手のためのものであることで注意したと発表した。

どうせやるなら校長以下全教員や生徒会長などみんながこれが甲子園だとばかりにグラウンドに寝そべったりベンチ前で腕組みをしたり、みんなで一斉にホームベースにヘッドスライディングをしたりして、それを全部記念撮影取りまくりではしゃぎまわれば、映画以上に面白い、これが本物のルーキーズになったかもしれないのにと残念だ。

ボクがそんな無茶苦茶なことを本気で思っているかというと、実は思っている。

それをこれから書こう。

リアル・ルーキーズこと白山は先攻だった。初回市川君が安打で出塁。2回は駒田君、3回は岩田君、4回は辻君が安打を放った。試合開始前から異様だったネット裏。先発メンバーの発表から白山に対する拍手はこれまでほとんど類を観ないレベルだった。プロ注目の選手であるならば時折起こる拍手が白山の選手に対しては全員に送られる。ネット裏からだ。

それが名電を相手に毎回安打だ。アルプスが盛り上がるのは当たり前だが、内野席を超えてネット裏は最初から普通ではなかった。

しかし、さすがに相手は強豪の名電。初回、早速安打で出た走者に対して投手からの牽制が悪送球となり3塁まで進塁を許すとその後3安打で3点を失った。

だが2回は2塁打を許したものの無得点、3回は三者凡退にとると球場が大喝采だ。もしかしたら白山の野手は同じ真正面のゴロをアウトにできるのは3回に1度なのか、そう思わせるくらいなんでもないプレーに対する過剰な歓声だ。

しかし名電側もある程度このようなことになることを予想していたのだろう。白山の「狙い撃ち」や「ドカンと一発」「タッチ」という今ではもう古典となりつつある応援に対して吹奏楽部の圧倒的な力の違いを見せつける音量と最新の楽曲を披露する。

だが白山の野手も苦しみながらも素晴らしいプレーを見せるのだ。特にショートの栗山君のプレーは抜けていた。センター前に抜けそうな当たりを捕球し1回転して1塁に送球したプレーは、投手に当たった打球の処理などはセンス以外の何物でもない。

球場全体から大きな拍手が起こってもおかしくないプレーは多々あった。だが地力に勝る名電は5回に5本の安打で4点を追加する。エラーや四球がなくて5安打で4点だ。お得意の走塁のうまさが加味しないと取れない得点である。

4回まで毎回安打を放っていた白山は5回以降は安打が途絶えた。そして8回1死から2連打が出る。

待ってましただ・・・・

誰が?観客がだ。

球場全体を覆い尽くす拍手が名電を襲う。アルプスの応援に概して1塁側アルプスを除く全方向から力強い手拍子が起こる。ボクはその異様な光景にこれがそうかと思った。

みんなこれがやりたくて試合の決着が見えて試合に残っていたのかと・・・・

ボクはいつも試合は最後まで見る。どんなに大差がつこうが最後まで見るのがファンだと思っているからだ。だがこのような試合展開なら普通は観客は最後は1万人を割るのが甲子園だ。だが今日は少なくとも3万は残っていただろう。それは手拍子をするためなのか。

ボクは敢えてそれを非難する。応援するのは自由だ。関係者でなくとも応援したくなるチームは存在するし、実際に2年前に八戸学院光星と東邦との試合でそのような極端な偏った応援は起こっている。実際にそれは賛否両論を生み出した。

だが、あれは試合の流れからそうなっただけだ。大差をつけられた東邦が大逆襲に転じて起こった拍手だった。もし、逆の展開で光星が大反撃をしたとしたらそれは光星に対して起こっていただろう。まさか最初からあの観衆は東邦の応援が8割以上いたとは思えない。

だが、今日は最初から白山だった。もし白山が大量リードして名電が信じられないような反撃をしたらあのような応援が球場を包んだだろうか・・・・

絶対にない。

だからボクは思う。大人の情けなさを、それがやりたくてここにきたのかと・・・・

白山高校の関係者が言っていた。自分たちはルーキーズではない。なぜなら選手はヤンキーではなく、心の弱い生徒が集まって作ったチームなのだと・・・

だが、決してヤンキーを擁護するわけではないがヤンキーだって実際は心の弱い人間だ。それがあのような反動に出ているだけだ。だからと言って白山の選手をヤンキーだとはもちろん思わないが、そのような教育で気持ちの弱い少年たちを育て上げたことは称賛に価すると思う。だから白山を応援するのはもちろん構わない。だがあの雰囲気を作りたくて来たと思われる観客が実際にいたし、それに乗せられた人も多くいた。

弱いものの味方は大いに結構だ。だがルールを逸脱せずに戦っている強い方を敵視して応援する大人こそ白山高校でもう一度勉強させてもらった方がいいと思う。

白山に手拍子する観客が叫んだ。白山が外野フライを打ち上げた時だ。「落とせ!」「エラーしろ!」

自分に不都合な人間は死ねというのに近いこの声援。まさにヤンキーではないか。それを克服して強くなったチームをそのかけらもない社会の底辺のような人間が応援している。

まさにもう一度白山高校からやり直しなさいという構図に見えた。

試合は白山の完敗。8回のチャンスを逃した後、名電に2本の本塁打を叩き込まれ9回もさらに輪をかけたような球場の雰囲気となったが2つの三振とピッチャーゴロで試合は終了した。

球場全体を敵に回した名電の応援は最後まで孤軍奮闘しながら大きな声が出ていた。球場に名電の校歌が流れ、日本一の下剋上とプリントされた緑のTシャツが鮮やかな白山のアルプススタンドはその名電の校歌に合わせて大きな手拍子を送った。これが本当の白山高校の応援だ。

ネット裏で白山の異常な拍手を盛り上げ、エラーしろとまで叫んだ連中は試合終了と同時にゴミもほったらかしにしてとっとと帰って行った。

白山高校や応援した人たちを批判するつもりは全くない。だが、変なノリの一部の大人が情けないばかりだった。

高校野球に限らず試合には勝者がいれば敗者もいる。だがそれは良者と悪者ではない。

今日の試合は名電が勝った。白山は残念ながら負けた。だたそれだけだ。



2018年8月11日 第100回全国高校野球 2回戦(於 阪神甲子園球場)
白山
000 000 000 = 0
300 041 02x = 10
愛工大名電

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