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2018年07月18日12:27

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正義厨

JKの流行語ほどではないけれど、(笑)
ネットスラングも慣れないと困惑の連続で、
「正義厨」も初めて目にした時は「?」だった。

厨は「厨房」の厨で、
「中坊」にかけたネット風ダジャレみたいなもの。
「〜厨」というように接尾語として用い、
「〜について中学生程度の幼稚な考えしかできない人」
という意味の蔑称になる。

つまり「正義厨」とは、
正義を振りかざすだけの阿呆、
というわけだ。(笑)

正義を貫くのは、本来なら良いことのはずなのに、
なぜ馬鹿にされるのかと言うと、
彼らはルールや規則の厳守を説くばかりで、
そのルールが作られた意味や、
時の経過に伴い顕在化した問題点、
事故の発生メカニズムや再発の防止策については、
何も考えていないからだ。

たとえば、信号のない横断歩道で、
子供が車にはねられたとする。

原因として最初に思い浮かぶのは、
運転者の前方不注意や操作ミスだが、
ほかにもブレーキの故障、運転者の突発的な体調不良、
飛び出した自転車や他の歩行者を避けようとした二次災害、
轢かれた子供自身の飛び出し、
年齢が低い子なら親の管理不行き届き、
さらには車の直前を走っていたママチャリが転倒、
放り出された子供の轢かれた場所が横断歩道だったなど、
さまざまな状況が考えられる。

ところが正義厨たちは、
事故がどのようにして起きたのかもわからないうちに、
車を叩きはじめる。横断歩道は歩行者の「聖地」であるから、
いかなる理由があろうとも車が悪い、というわけだ。

その彼らが聖典とするのが「道交法」で、その条文には、
「横断歩道等によりその進路の前方を横断し、
又は横断しようとする歩行者等があるときは、
当該横断歩道等の直前で一時停止し、
かつ、その通行を妨げないようにしなければならない」
とある。

もっとシンプルに記すと、
「横断歩道を渡りたい人、渡っている人がいたら、
邪魔してはだめだよ?」

そこで問題になるのが、都心部の人の多さだ。
横断歩道の近くに居る人がすべて、
横断歩道を渡りたがっているとは限らない。

と言うと正義厨たちは、待ってましたとばかりに、
「徐行しろ!」「一時停止しろ!」と主張しだす。
だが、彼ら同様、勘違いしている人もよく見かけるが、
実は横断歩道が描かれている場所には、
一時停止や徐行の義務はない。

というのも、交通違反と言うと、
どうしても派手な暴走行為が注目されるが、
必要以上に低速で走ったり、
意味のない停車や急ブレーキも、
状況によっては違反に問われる。
これは、自動車に限らず「交通」は、
「円滑」が理想とされるからだ。

横断歩道では手を上げましょう、と、
小さい頃に習った人も多いと思うが、
某自動車評論家は大人にもこれを推奨していた。
そうすれば歩行者の安全な横断と、
円滑な交通が両立できるからだ。

しかしそこで、次の問題が出てくる。
歩行者は、どのタイミングで手を上げ、
横断歩道を渡り始めるか、である。

車には、制動距離がある。
手を上げられても止まれない時もあるし、
思わず急ブレーキを踏んだために、
後続車に追突される可能性もある。

だから歩行者側も、
手を上げた行為を印籠とせず、
必ず安全を確認してから、
渡り始めなければならない。

と言うと正義厨たちは、
「車間距離を守れ!」と主張し、
私もその通りだと思うが、(笑)
思い通りに行かないのが現実だ。

理想と乖離した現実はほかにもある。
法定速度を守らない車の方が圧倒的に多く、
自分は止まっても対向車が止まらない場合もある。

横断歩道を渡りたそうにしている歩行者を見て止まったら、
後続車が追い越しをかけ、
渡り始めた歩行者を轢いてしまった事故もあったし、
止まった私の車を自転車が追い越して、
歩行者と接触しそうになる現場も目撃した。

歩行者が望むときに、
安心して横断歩道を渡れる社会が理想だし、
理想を現実にする努力も必要だが、
だからと言って理想をまくし立てるのみで、
現実から目を背けていたら、
事故に巻き込まれて痛い思いをするのも残念な事実だ。

だから現時点では、理想は理想として追いつつも、
事故のメカニズムをきちんと分析し、
再発を防ぐための自衛策も講ずるという、
柔軟な思考が必要だが、理想を声高に叫ぶ人々は、
なぜかルールの違反者を叩くことしかしない「ビット脳」が多い。
だから「正義厨」などと馬鹿にされるのだ。

以前、住宅地の道路を走っていた時のこと。
前を走っていた車は、
「誰もいない」横断歩道では必ず徐行するのに、
細い路地との交差点では、
制限速度を少し超えた速度で平然と走っていた。

しかしその道は、
路地から自転車が時々飛び出してくるので、
私はそういうところでも徐行していたから、
前走車は次第に離れて行き、
それを見た後続車はあからさまに煽ってくる。

後続車は無視して、離れていく前走車を眺めていたら、
ふと「正義厨」の単語が思い浮かび、笑ってしまった。


■路側広げて横断歩道短く 歩行者保護で試み 愛知県警
(朝日新聞デジタル - 07月17日 12:30)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5203327
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