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2018年04月12日16:23

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日本人の恋愛・結婚観を絡めて見るハンセン氏病元患者の問題

  「愛、あなたと二人」に代表される日本人の恋愛・結婚観。好きな異性の人と二人だけの世界を作ろうとする行為。例えば、新約聖書には「愛する者同士を引き離してはならない」とか「父母と離れて、男女は一体なり」とはあるものの、二人だけの世界の事は何も書かれていません。仏典、コーランとそうです。アメリカでは、親しい友人仲間を集めてよくホームパーティをするなど、開かれた家庭が当たり前。だから、引っ越しの葉書に「お寄り下さい」と書くと、それを見た外国人が気楽に来てしまい、問題にもなるそうです。恋愛や結婚をそのように思うのは日本人だけらしいです。
  しかし、どんなに好きな二人でも、一緒に暮らすと飽きるようです。仕事で外に出るような事があれば寂しくないですが、専業主婦で夫以外の人と付き合わないと、新婚時代は楽しくても、次第に寂しくなると聞いています。まだ女性に職場が開かれていなかった80年代は主婦が寂しさを紛らわせるために料理用の酒を次第に飲むようになり、アル中主婦が増えて、社会問題化もしました。
  ならば、本題に入りますが、日本の元患者たちも同様な恋愛・結婚観を持っているわけです。断種や避妊を条件に彼らも元患者同士は結婚をかなりしています。男女が寄り添うのは自然の情。そこまでは当然ですね。でも、結婚後、少しして、夫婦共、猛烈に寂しくなる例が多い。それで我慢できず、離婚なる事も多いとキリスト教筋から聞いた事があります。聞いたのは80年ごろだったし、その後、僕も元患者夫婦の「寂しい声」を聞いてもいます。何が寂しいのか、昔の僕は判りませんでした。
  でも、成程と思いますね。元患者同士は差別された寂しさを気の合う何人もの人たちと慰め合ったり、理解し合いますが、以上の通り、「二人だけの世界」を作ればどうなるのでしょうか。それまでの慰め合った仲間たちから一定の距離を置く事になる。その分、ものすごく寂しくなるわけです。しかも、男も、女も外で働く事もない。ずっと夫婦室で暮らす。寂しさが二乗して、猛烈に寂しくなるのではないかと。最初は慰め合えても、受け止め合う事に限界があり、かなりが離婚する。離婚すれば、別の寂しさに襲われる。こんなメカニズムなのではないかと。そうではなく、「夫婦生活から世間、社会に出る」外向きの恋愛・結婚観を持たない限りはどうにもならないと思います。何も元患者だけの問題でもないですよ。結婚後、「逆に寂しくなった」という声を僕は昔から聞いて、変に思い続けましたが、確かに二人だけの世界が作られ、それまで付き合ってきた多くの仲間から自然に離れるような事があれば寂しくなる人が出るのも当然。また、脳性まひ団体の「青い芝の会」では、介護の必要がない軽度身障の男女が盛んに結婚していますが、彼らの事は縁がなくて僕はよく知りませんが、それもどうなのかと。この場合、二人だけ=脳性まひ者だけの世界だから、寂しさなどの感情面と共に、健全者や他種障碍者たちとの縁が非常に遠ざかるわけだから、逆バリアフリーになるのではないかと推察もしてしまいます。彼らの事は僕には語れませんが。
  因みに、要介護の身障者の場合は、二人だけの世界を作れば、パートナーが介護の重荷を一手に引き受けるわけだから、そのような結婚は非常に難しいわけですね。昔の僕は「愛、あなたと二人」のおかしさに気が付かなかったから、僕自身のその問題の解決は勿論、S園の寝たきりなどの大人園生たちにも結婚問題のヒントを与えられませんでした。やっと今は見えつつあるわけですが。
  もう一つ。40年前、天才的な頭脳を持つ東大法学部の人が「結婚制度は資本主義の根だ。良くない」と語っていたのを覚えています。欧米では違いますが、日本の場合はマイホームが戦後資本主義を発展させた。その事を語ったわけですね。「日本型資本主義」が正しい表現ですが、その人の話も今は判ります。

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