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2018年03月23日23:32

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ブランドの熟成とその難しさ【トヨタ・オーリス】

トヨタ、新型「カローラハッチバック」初披露へ 18年初夏に発売
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=40&from=diary&id=5039286

■車名を統一予定■

 トヨタは近々、日本のみならず、米・欧でも売られている車種の統一を図り、ブランドイメージの推進を図る目論見があるという。

 この記事ではオーリスだが、カローラ・ハッチバック(ランクス?)とか。また、ヴィッツもラリーの活躍を受けて、ヤリスに統一すると聞いた。

 アメリカのようにクルマが無いと生活が出来ないような国では「無事これ名馬」。しかし、年間走行距離が2万キロにもなる欧州のような環境ではクルマが最もクルマらしく使われやすい。矢張りブランドイメージとか、クルマの歴史は大切なのだ。

 レクサスブランドを建ち上げて、トヨタは嫌と言うほどそのことを思い知ったのかもしれない。

 高速道路でも現実的な巡航速度がたかが120km程度でしかない日本ではトヨタ・クラウンにはさしものメルツェデスといえども太刀打ち出来ない。この環境下であれば、クラウンはうんとこさ長持ちするし、この使用状況であれば、クオリティは恐ろしく高い。

 しかし、いざ、欧州にクラウン以上のクオリティとサービスを以ってレクサスが欧州市場に殴り込みを掛けても、米国では評価されたとしても、かの地の人達は

 「なあに。我々にはメルツェデスもあるし、BMWもあるから。」

 と思われてしまう。所詮トヨタは後発の成り上がり、という視線は感じたのではないだろうか。

 その意味もあって、車名の統一を考慮したのだろう。実際、豪州ではオーリスRSが、カローラ・レビン・LXという懐かしい名で売られている。

■トヨタ・オーリス120Tから見た、FFハッチバックの帝王こと、ゴルフ・トレンドラインの欠点を見事に衝く巧みな商品企画■

 記事のラインナップでは米国仕様は2Lエンジンということだが、仕向け地ごとに異なるのだろうか。
 
 確かにアメリカの人達は大き目のエンジンが好きだ。一方、欧州ではダウンサイジングターボが流行っている。日本仕様は2L、ディーゼルと1.6Lを除いた(1.6Lは税制上、2Lと同等で不利だから)全てがラインナップされるだろう。当然現行型と同様、ハイブリッドもラインナップされるはず。

 末期なった現行型で特に良かったのが、ダウンサイジングターボ(120T)。

 兎角このクルマはゴルフの真似クルマではないか、と批判されがちだ。いい加減に見ると確かに似通っている。現行型ですら値段までゴルフのトレンドラインと似通っているのは確かに痛いが、乗ってみて、細かく見ると案外そうでもないことが分かった。

 相変わらず日本のカージャーナリスト達はポロ、ゴルフに軍配。「一点豪華主義」のクルマは与しやすいからだ。しかし、日本のドイツよりもずっと低い速度域で使い、10年10万キロまで乗ることを考えて論じれば、オーリス120T、なかなか「ゴルフの真似クルマ」と言い切れないものがあり、日本の道でトレンドラインとの戦いだったら、結論を言えば、オーリス120Tが優勢。

 この優勢と思える点をご説明したい。

 オーリス120Tのこのエンジンの好さ、意外にも助手席の人の方が分かりやすいと思う。何しろ中回転(1500〜3500rpm)で恐ろしく静かである。ゴルフ以上に同乗者と会話を楽しむことが出来る。

 それ以上に初代とは格段に良くなったのがCVTの扱いやすさ。そもそもトヨタはCVTにかけては後発である。初代・プリウスに載せられたのが初めてだから、1997年。次に些か実験車の感があるが、Opaに載せられ、次に2002年のマイチェンのヴィッツに載せられた。以後、量産にドライブが掛かり、オーリスにも載せられることになる。が、初代オーリスも初期型のリファイン版なのは間違いない。それゆえとても扱いにくかった。出だしがワンテンポ遅れ、いきなり加速。こんな感じだった(特に1500cc。でも1800ccはもっとマシ)。それが隔世の感だ。多分直噴ターボエンジンと相性が良いのだろうが、適度に走りやすいセッティング。というと個性が無いのかと思うかもしれないが、これがゴルフのトレンドラインに搭載されている7速DSGと比較してしまうと分かりやすい。

 あのVWのDSG、ポロ、ゴルフのトレンドラインのDモードで日本の街中でイージードライブはちょっと無理。流石にハイラインになるとそんなこともないのだが、同価格帯のゴルフ・トレンドライン、ポロ・コンフォートラインになると、ギクシャク感は慣れるしかないのかと云いたくなるほど。なぜこうなるのかというと、日本の速度域だとどうしてもDSGは高めの回転数を選びたがる。その上、いざ中〜高速域の加速を目指そうとすると、今度はシフトダウンしてくれない・・・。

 「そんなに加速したければ、DSGのMTモードを使えよ。」

ということか。これは実質300万円もするクルマのセッティングに相応しくないとクルマにそれほど興味が無い多くの日本人は感じてしまうのではないか。勿論オーリスにもちゃんと擬似的だが、7速のティプトロタイプのCVTがある。が、それを使わずともDモードでそのまま走れるほど洗練されている。CVTの嫌な癖もまるで顔を出さないところも優れている。

 但し、VWのせい、というのはVWに気の毒だ。日独の速度域の違いだろう・・・。

 オーリスの場合、そんな不快さもCVTが見事にカバー。どんなにラフな運転にもなめらかにこなしてくれる懐の広さがある。この点はゴルフと乗り比べてみると、多くの日本のドライバーは「オーリス120Tの方が乗りやすい」という判定を下すのではないだろうか。強いて欠点を挙げるとしたら、ほんのわずかなターボラグ、1500rpm以下でのリスポンスの鈍さだろうが、自分のように重箱の隅を突くような人間以外、ラグと感じる人は殆どいまい。勿論DSGほどの癖はない。オーリスはアグレッシヴなデザインとは裏腹にゴルフと比較して、走りはジェントルのひとこと。

 オーリス120Tはゴルフ・トレンドラインの弱点を巧みに衝いて来た。それでいて、トヨタ車らしさも健在。価格帯は正直言って、ゴルフと一緒だから強気な価格だが、代を追うごとに改悪するモデルもある中、進化している点は評価できる。

 トヨタの主査の人達も「動力性能、実燃費ではオーリス120Tが優っていると思いますし、扱いやすさも上だと思いますが、流石にハンドリングではまだゴルフに勝てないですね。」と仰せだ。今度はハンドリングにも手を加えて頂きたい。ジェントルさとワイルドという一見相反する部分が高い処でバランスしているクルマ。それが名車というやつだろう。今後も期待したいところだ。

 この記事からすると、飽く迄トヨタはCVTでFFハッチバックの帝王こと、VWゴルフに挑むようだ。日本国内のビジネス的にはオーリス120T、芳しいものではないが、確かな手ごたえを感じているからだろう。

 ハードの出来具合だけだったら、日本国内で乗る分にはオーリス(次世代はカローラか、カローラ・ランクス?)はとっても乗りやすいはず。しかし、それでもゴルフの優位が揺るがないところ、ブランドイメージの熟成とは斯くも難しいのかと考えさせられた。

 何しろ日本では以前であれば、免許取り立ての人達が挙っておカネを貯めて買った、このCセグメントというアッパーコンパクトハッチ、至って不人気で、今や

 トヨタ・オーリス、マツダ・アクセラ、スバル・インプレッサと最近カムバックした、ホンダ・シビック

 しかない。日産・パルサー、ティーダは日本では絶版、三菱・ミラージュは別のクルマになってしまった。今夏の試乗を楽しみにしている。

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