mixiユーザー(id:125571)

2018年03月23日23:30

65 view

凍る冬のアイスクリーム



どういう訳かまた寒くなった。 運河に氷はもう戻っては来ないけれど日中最高気温が5℃となるとこれはまた冬である。 それに風の中に春の温かみを感じ始めている時にこれではウンザリしてしまう。 だからせめてそんな寒い空気の中にでも光が射していればなんとか気分が保てそうで、何とか気を持ち直してもう使わないでも過ごせると思っていた手袋を嵌めなおして自転車で町にでる。

中途半端な腹具合で手術前ならこういう時にジャンクフードの店に入ってフレンチフライにビールだったものが今はとてもそういうことはできない。 第一フレンチフライなど喰いきれず途中で放ってしまうしまだビールの5%アルコールがきつすぎるのだ。 だから今こどもの飲むようなレモネードに2%ほどアルコールを混ぜた炭酸飲料を徐々に試して慣れるようにしているのだがそんなものでもすぐに酔っぱらってしまう。

運河のそばに自転車を停めて市場の魚屋で鯖をおろしてもらいホウレンソウを買って自転車のところにもどってくると子供だましのようなアイスクリームの化け物が立っていた。 アイスクリーム・パーラーの看板なのだがそこの売り物のほうがよっぽどこれより上品で美味く、このダサいものはなんとかならないのかと思っていたらアイスクリームが喰いたくなった。 こういう甘いものは今まで夏に一回か二回口にするだけで誘われたら口にすることはあっても自分からは買うことはなかったのだが手術後味覚の調子が変わったのか喰いたくなる。 現に2月に運河が凍っていた時も100mほどむこうのアイスクリームとチョコレートボンボンの店で買い食いして手袋のままコーンを掴んでマイナス外気の下で喰っている。 そんな2月に田舎を歩いていて夏には賑わう自家製品を売る酪農農家まで歩いて来てそこのアイスクリームを食べたいと思ったけれどそこで、3月から始めますという張り紙をみていたくガッカリしたこともこのあいだのことだった。

この何年もアイスクリームはバニラだけしか喰わなかった。 何種類もあるイタリアアイスの列を眺めていてリモンチェロを求めた。 分かっていながら 売り子に、アルコールは何パーセントと聞いたらヘラっと笑っただけだった。 シシリアに引っ越した義兄は自分の家の庭から摘んでいたレモンでリモンチェロを作ってそれをいつも冷蔵庫でチリチリに冷やしていた。 あれを思い出したから初めてそのアイスクリームを試したのだけれど後悔した。 アイスクリームが悪かったのではなくてリモンチェロが恋しかったのだ。 バニラにしなかったのを後悔した。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年03月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031