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2018年01月07日21:54

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果てしない1点差・・・・

星野仙一さんが亡くなった。それは明治関係者にとっては大きな悲報だった。


13時に秩父宮に着いたボクはバックスタンドへとつながる通路に入って驚いた。最近のラグビーでこんな早い出足はない。間違いなく明治だ。明治の魂が原因だ。

13時半にはもう自由席の座席はなかった。バックスタンド最上段で立って見るか大ビジョン下の立ち見席だけだ。

そんな中で両校校歌斉唱が行われる。「お〜お〜、めいじ〜〜」

明治は元北島監督が亡くなった直後の96年度に早稲田を破って優勝し、その後97年度、98年度と決勝に進んでいるが関東学院に敗れ、今回はそれ以来の決勝進出、実に19年ぶりだ。

当然、OBが黙っているわけがない。9連覇を目指す帝京と違って早くからスタンドを埋めた紫紺を身に着けた人たち・・・・

神宮でも最もノリのいい応援を繰り広げるのが明治だ。予想はしていたが、ボクがとった席はバックスタンドの明治側のゴールラインの外側だった。


盛り上がる明治スタンド。校歌斉唱もみんなが立ち上がり大声で歌い上げた。だが・・・

当然であるが、帝京に勝てると思っていた人はどれだけいたのだろうか。そのスタンドの期待を選手たちが見事に裏切る。


帝京のキックオフで始まった試合は明治がボールを支配してもまったくゲインができない。ボールを回すものの逆に後退する一方だ。しかし、帝京の攻撃も明治は抑える。早いタックル、集中力のあるプレーで対応すると、明治は梶村君のインターセプトでのトライで先制する。

すぐに帝京にトライを返されるが、明治はウイングの高橋君の快走で右隅にトライ。最後のタックルにきた帝京の選手をハンドオフでかわして駆け込んだ個人技を含んだトライだった。

だが、このトライゴールは共に失敗。10−7となった。ゴールが決まらない嫌な雰囲気を明治は取り戻す。モールで優位に立つと最後はゴール正面にトライを決めゴールも成功。17−7で前半を終えたのだ。

帝京が前半で3つのトライを許す・・・・

あまり予想できない展開をさらに驚きに変えたのは後半、帝京が逆襲にくると思われた中で早々にPGを決め20−7とした。

あのPGは・・・・

難しかった。それはゴールを決める角度の話ではない。そこでPGを狙うかどうかだ。でも狙うよね・・・・

スタンドの明治ファンはだれもがそう思ったように見えた。

明治の最初のトライに象徴されるようにこの試合のターンオーバーはとても多かった。お互いにだ。


それだけ帝京は苦戦していたのだ。明治のこのPGの後、帝京は逆襲を仕掛ける。ひたすら前に行く帝京、展開でトライを取る明治・・・・

なんかイメージが違うが・・・・

だが、それを徹しきった帝京が2つのトライを決める。真ん中から押していくトライでゴールも決まって、計ったように21−20と逆転した。


特に逆転のトライとなったのは明治が攻め込んで22メーターラインを超えたがそこで明治の反則、その後、ノーホイッスルでトライに結びつけた。

自力の差を感じ、そこで明治は気力を失った。芝の根付きの悪い今の秩父の宮で芝がはがれたのは明治のスクラム側だけだった。押されていた。それも感じていたはずだ。


しかし、それでも明治は大健闘した。集中力のある守備で帝京と止めた。かつての明治とは違うような展開ラグビーでトライを重ねた。

後半、帝京が戦術を変えてくる中で早々にPGで突き放した。多くの古くからのファンが後押しした。


帝京はきちんと自分のラグビーをした。キックでゴールゾーンに蹴り込むというあまり見ないようなプレーを見せたのは若干焦っていたのかもしれないが、それでも縦で来るラグビーに最後には明治の集中力が途切れた。


素晴らしい試合だったと思う。明治の大健闘の1点差。

だが、この1点差は果てしなく遠い1点差でもあったように思ったのはボクだけではない。

あれだけ母校の名誉を懸け、声を出し続けた明治の応援の人たちは試合終了後はみんな満足していたのだ。よくやった、ここまでやるとは思わなかった・・・

これが本音だろう。そして、ここまで追い詰められても冷静に試合をコントロールしてきっちりと勝つ帝京は本当に強い。それを一番に感じたのは明治だろう。

ただ、明日も祝日、この素晴らしい試合を肴に徹夜で飲む明治関係者はたくさんいるに違いない。そんな試合だった。そしてそんな飲みをやるのが明治だ。

さあ、また来シーズンだ。いますぐこの力関係は変わらないだろうが、この試合は決して無駄ではない


2018年1月7日 第54回ラグビー大学選手権決勝(於 秩父宮ラグビー場)
帝京21−20明治(9年連続9回目優勝)

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