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2017年10月07日22:22

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ランス美術館展

熊本、静岡、福井、広島、東京・・・と巡回してきた展覧会。
最後の名古屋はこの10月にランスと姉妹都市となりましたので
名古屋市美術館限定で3点の特別出品がありました。


ランス美術館展
@名古屋市美術館

フォト


フォト



その1
《父の呪詛を受けるデスデモーナ》ウジェーヌ・ドラクロワ
61.4x50.5

フライヤーの裏面右の作品です。
ドラクロワ作品としては、全国を巡回した本展中にも
《ポロニウスの亡骸を前にするハムレット》
が出ています。
やはりシェイクスピアにもとづくもので 誤って刺し殺したポロニウスが床に倒れ、
ハムレットは 片手でカーテンをあげてそれを見下し、
画面奥にはオフィーリアが 顔を抑えて天をあおいでいます。
緊張感のある場面なのですが、なぜかハムレットは 呆然としていて動きに乏しい。
それに対して《デスデモーナ》はムーア人との恋を選ぶ娘に対する 父ブラバンショーの怒りが真紅の衣とさえぎるような大きな手のひらで 表され、
髪をみだしたデスデモーナがとりすがる、その2人が黒い背景に スポットライトがあたったように表現されていて、よりドラマチックです。


その2
《ベルク、漁船の帰還》ウジェーヌ・ブーダン
79.3x109.3

やはり本展中にもブーダン作品は 《ダンケルク周辺の農家の一角》 が出ていますが
《ベルク》の方がずっと大きいですし 画面の2/3が空。
その空も、暮れ方か、暗くきれぎれに広がる雲、わずかに光る遠い空、
「空を知っているのはブータン以外にない」(クールベ)
「空の王者」(コロー)
といわれるブータンの特徴がわかりやすいのはこちらでしょう。
《ダンケルク周辺》の空は薄明るく輝く一様な空ですから。


その3
《青春》ラファエル・コラン
81.9x59.8

パステルカラーの明るい画面に少女の半身像。
背景の木々も緑にひかり、片肌ぬぎに水色の衣をまとっている。
キャプションにあるとおり、特定の誰か、というのでなく青春、という タイトルをつけているのがふさわしい美しい絵です。
作者は黒田清輝の師として知られており、そうした意味で 選ばれた作品でしょう。


もちろん全国を巡回してきたのもすばらしい作品ばかりです。
レオナール・フジタ関連の23点(礼拝堂のためのデッサンを含む)も ”ランスらしい”展示でしたが


個人的にはナビ派の
《魅せられた人々》モーリス・ドニ
《試着》エドゥアール・ヴェイヤール
がよかったかな。


メインビジュアルの
《マラーの死》ジャック・ルイ=ダヴイッド
になりきる撮影コーナーがありました。


12月3日まで。
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/reims

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