見せ方がいいのでしょうか。
仏像彫刻の展覧会としては最高レベルに感動しました。
興福寺中金堂再建記念特別展
運慶
@東京国立博物館
春の快慶@奈良博に続いて運慶。
結果としてこの順番もよかったかもしれません。
現存する運慶31作品のうち22点が揃った豪華な展覧会です。
ランク付けに拘るわけでもありませんが、国宝11点、重文24点。
第1章 運慶を生んだ系譜ー康慶から運慶へ
第2章 運慶の彫刻ーその独創性
第3章 運慶風の展開ー運慶の息子と周辺の仏師
という構成ですが、その中にもいくつものコーナーがありドラマチックな展示でした。
◆《大日如来座像》
会場に入るとまずどーんの1つだけ展示されている運慶20代のデビュー作。
フライヤーのメインビジュアル作品です。
ガイドによると、通常3ヶ月で仕上げるものを完成まで一年かけています。
なぜかというと身体を4度後傾させたり、腕と胸の空間を研究したり…とのこと。
フライヤーは真正面からの写真なので、そうとわかって横から見る面白さは現物ならではです。
署名の文字も残されている。
同じく30歳前後では《運慶願経》も出ています。
快慶の名前もあるのがなんだか嬉しい。
◆《毘沙門天立像》(静岡・願成就院)
北条時政に依頼されて運慶が東日本で初めて彫ったという《五輪塔形銘札》が納められた国宝。
仏ながら実在感ありありで、これは抜擢に見事応えてる。
◆《八大童子立像》(金剛峯寺)
仏師として2番目の「法眼」という位を授かったのちの作品。
彩色がよく残っていますし制多伽童子のヘアスタイルとかスカーフ襟とか(違)いいですねえ。。。
と見ていったら
次のコーナーで仰天しました。
天井の高い広いスペースに
黒い背景で興福寺の堂内が現れました
《興福寺 南円堂の四天王立像》
四天王像はよくある題材ですし興福寺のこちらも過去に見ているはずなのですが。
「なにこれ!?」
と肌が泡立つほどの衝撃でした。
広い展示室の四方に立つ豪華な鎧の四天王。
翻る衣、みなぎる力、これはもう運慶作品ではないでしょうか。
そして四天王の中央には
《無著菩薩立像 世親菩薩立像》
どっしりとした存在感の「静」の菩薩。
各々に違う表情の深さは写真ではほとんど伝わりません。
普段は北円堂と南円堂にわかれてけっしてならぶことのない
四天王と、でもなんと共にあることがふさわしい。
その他にも
教科書に出てくる《天燈鬼・龍燈鬼(康弁)》はそれだけで一室
源頼朝の歯を納めた《聖観音菩薩》(愛知・瀧山寺)は寺外初公開
など見所いっぱいです。
グッズも豊富。
六田知弘さんの写真が素敵だったので来年のデスクカレンダーを買いました。
龍燈鬼のUSBメモリーとか
キャラ化された制多伽童子のマスキングテープなどにも心惹かれましたが。
11月26日まで。
http://unkei2017.jp/
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運慶学園の生徒になってお名前をいただきました。
http://unkei2017.jp/gakuen
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