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2017年08月21日13:30

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クレイジーで、おバカな映画だけど、愛がある。グレン・フィカーラ&ジョン・レクア監督「ラブ・アゲイン」(2011)。

原題は「Crazy, Stupid, Love.」ということで、僕の日記のタイトルにそのまま借用、ピッタリでした。それを“焼け木杭に火”みたいな日本題名「ラブ・アゲイン」って、僕は不満だなぁ。そもそも僕は、バカがバカなことをして失敗する話が大嫌いなんですが(作為が目立ち、あざとい押しつけを感じるから)、今回はバカなんだけどストレートに突き進みます。

たとえば妻(ジュリアン・ムーア)に見放されたダサい夫(スティーブ・カレル)を、鍛えた肉体が自慢の自称プレイボーイ(ライアン・ゴズリング)が指南し、バーフライをしていた教師(マリサ・トメイ、写真3)とうまくいかせるなど、クレイジーなバカさが順調に進むわけです。しかし自分のことになると、突然遊びではなくなるところが、おバカの純情さが出ていて好感が持てる。

ということで後半は、見た目よりも中身という方向へシフトしていきます。この終盤の、関係者入り乱れてのドタバタが、思った以上に楽しかった。最初は30分ルールでやめようと思ったんですけど、このあとこの監督コンビが「アメリカン・レポーター」という出色の作品を作っていたので、投げ出しませんでした。

「ラブ・アゲイン」は2000万ドルの製作費で8000万ドルを稼ぎ出し、続く「フォーカス」は5000万ドルの予算に膨れ上がり、なんとか映画興行だけでリクープしたようです。しかし「アメリカン・レポーター」は、DVDや海外売り上げを全部集めたら、なんとか黒字かも、という成績でした。←僕が褒める映画は当たらない、ってアメリカに日本の法則が通じるということは、アメリカが堕落したってことですね。

スティーブ・カレルは「フォックス・キャッチャー」の前ですから、強盗を逃がすための運転手程度に指南されても当然なダメパパ。僕にとってジュリアン・ムーアは賞味期限切れですから、さっさとマリサ・トメイに乗り換えろよと思ったのですが、それが失敗に終わるから、まさにステューピッドですわ。

そんなダメパパに惚れるベビーシッター(アナリー・ティプトン、写真2)は、なんてバカなんだろうと思いながら、将来僕の看護師にと連絡先を調べたいと思いました。もしかしたら写真だけでも貰えるかも、ってね。エマ・ストーンは、「ヘルプ」ほどの切れ味も新鮮さもありませんが(これは何とかランドというパチモンのせいだと思う)、まずまずでした。しかしスティーブ・カレルとは26歳も年の差があるんやで。なんやあのシナリオは!

とりあえず「バッド・サンタ」の脚本家コンビにしては、いいほうの作品です。これが気に入ったら、ぜひ「アメリカン・レポーター」を見てください。あれは“4−10−4”という発想が最高です。←NYで4点の女性でも、アフガニスタンに行けば10点になる、という意味。そしてNYに戻ると4点に戻る。すごい発想じゃありませんか。←マーゴット・ロビーはアフガニスタンでは15点だそうです。

要するにおバカな話はバカになって楽しまなきゃ損なわけで、バカにさせてくれる作り方を心得ていたこの監督コンビの勝ちと言えます。だから僕にとって「フォーカス」は失敗作ですけど。
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