mixiユーザー(id:29612247)

2017年03月25日00:09

208 view

幸村たちの秘密

フォト





織田信長の横死後、真田安房守昌幸は己の進むべき道を模索していた。真田が生き残るには、北の上杉、東の北条、南の徳川どちらにつくべきか。

今のところ、北条と徳川の間を二股膏薬のように付かず離れずにいる昌幸だが、意中の武将がいた。羽柴秀吉である。

信長亡き後、その後継者として頭角を現した秀吉に好意を抱いている昌幸はできれば彼に仕えたい。

しかし秀吉は遥か西の地におり、鳥のように羽ばたかない限りその元へ馳せ参じることはできない。なにより、昌幸一人が向かえば済むという話でもない。

秀吉に未練を残しつつも、己の領地に野心を抱く北条を牽制するための手段として昌幸は上田城築城を決意する。仮の主家となった徳川家康の許可さえも得ずに。

一方家内においては、小さからぬ問題を昌幸は抱えていた。側室にすらしていなかった隠し女お徳の懐妊だった。

正室である山手殿に知れたらとんでもないことになる。ひた隠しに隠していたものの、お徳の存在とその懐妊は山手殿の知ることとなり密かに暗殺の計画が練られてしまう。

昌幸の次男源二郎信繁(後の幸村)は、従弟の樋口角兵衛がお徳を斬り殺そうとしたところを寸でのところで止める。

お徳を助けただけでなく、源二郎は密かに彼女を上州(現在の群馬県)の名胡桃城へ預けるための使者として同行する。

なぜお徳のためにそこまでするのか。側近である向井佐平次に、源二郎は自分の出生にまつわる秘密を打ち明ける。

その後牢に押し込めた角兵衛が脱走して真田の追っ手を惨殺する事件が起きる。上田城築城に心血を注いでいる父・昌幸に心配をかけたくない。

源二郎は角兵衛を手にかける覚悟をして単身捜索に当たるが、逆に角兵衛に逆襲を受けてしまう。

すんでのところを女忍びお江に助けられた源二郎は、女を知らないことから己の了見が狭いことを彼女に諭され三日三晩かけて男女の道を教えられる。

源二郎幸村とその従弟樋口角兵衛の出生の秘密に迫った核心的な一冊。

iPhoneから送信
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する