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2017年01月29日07:23

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胃癌だった




もう1年ほど胃の調子がはかばかしくなく自分で胃潰瘍の兆候かなと思いもし、家庭医のところに行き血液検査と検便を去年の2月、11月とやったけれど腸にも血液にも癌の兆候が見られず、かといって痛みのような痛みでないような胃の不快感は消えなかったから処方された胃酸抑制のためのカプセルをたまに服用していてそれでそのときは問題はなかったもののそれでは原因不明なままで対症療法にしかならないので専門の医者に検査してもらうことにした。 それについてはここに既に記している。

それで家庭医を通じて総合病院の内科医に予約をとり問診の結果翌日、別の病院で管の先についた胃カメラを呑み込み内部を検査することになった。 1月10日に胃の内部を移動する画像が横たわる自分の前に見え、ああ綺麗なものだと思っているうちに胃の出口付近に下唇を裏返したようなこんもりしたものが見えた。 ああ、これがそれかとおもっているとカメラはその周りを動き回り他に同様なものが無いのを確かめ先ほどのところに戻り別の細い金属製の管のようなものを喉元から差し入れ小さい三又のようなもので彼方此方の壁からサンプルを摘まみ取りその小片を取り出しては液体の入った小さなプラスチックの壜に貯めるようなことをした。 そんな小片をあちこちから7つ8つ集めただろうか。 作業が終わりこの作業専門医に、こんもり盛り上がったものは綺麗にみえるから単なる腫瘍のようにも見えるけれどと言うと、いえ深刻な悪性腫瘍、ガンですと言われた。 別室のご家族とも一緒に話し説明をというので画像を見ながら説明を受けた。 

16日に摘出したサンプルの検査結果をもとに内科医から大まかなこれからの治療法の説明を受け、そのためのステップであるCTスキャンを19日に受けた。 この担当医師からスキャン結果の解説が23日にあり、これ以後はライデン大学病院の医療チームの担当となること、今までのデータはすでに大学病院に送られ手術を念頭においたプログラムに則って治療される旨を伝えられた。

1月24日にチームと面談、執刀外科医、胃腸肝臓専門医、内科医、チームのコーディネーター、放射線科医、麻酔専門医の6人だった。 執刀外科医がチーフでサンプル、胃カメラ、CTスキャンのデータをもとに診断し説明されたのは次のようだった。

初めに癌は一か所だけのようにみえ、明らかな他の部所にははっきりと転移したものは見えないけれどそれは今迄のデータからでは確かではない。 胃の外部のリンパに少々の腫れがみられ肝臓との関係がはっきりしない。 胃の専門家の所見では胃に関しては少なくとも図の部分は切除する必要がある。 癌がリンパや血管を通じて体内に拡散していないことを確認するために全身の精密な放射線CTスキャン(PET検査)が必要でその後腹腔に穴を開けそこから通したカメラで胃の外部と肝臓の様子を観察する必要がある。 もし肝臓のリンパの部分から癌が肝臓に深く侵入していなければ化学療法(ケモセラピー)でその部分を「殺す」なり「縮小する」なりして取り除き、このセラピーが済んだあと体力が回復してから胃の切除手術となる。 もし癌が肝臓に深く侵入して手遅れの場合は終末医療を視野に入れる必要がある、ということだった。 最初の段階として2月2日に全身精密PET・CTスキャンの予約をして病院を出た。 腹腔に穴を開けカメラを入れる手術はその翌週に見こされている。 

胃癌に関する60頁ほどの小冊子をコーディネーターから渡されそれを帰宅後読んで見ると自分のことが事例の中にはっきり説明されていて今までの扱いはそこに書かれている通りで説明に納得がいった。 尚自分のカルテはデジタル化されており自宅からでも大学病院にネットでアクセスできてコードを打ち込むことによって自分のデータ、各医師の所見、これまでの経過などがファイルされているので改めて説明されたことを確認するのに役に立つ。 

自分の生死にかかわる病気の状態を短い期間に様々な説明を様々な医師から様々に受けそれを理解・消化するのにはこのようなデータを確認しながら時間をかけて徐々に自分のものとしていくことが大事だと感じた。 それにまた、胃癌に関する小冊子では症状、療法、手術の説明だけではなく手術の準備・実施・術後の症状、体調の変化、食餌の要諦から果ては性生活のことまでこと細かく説明がされておりこの病気と自分の関りがパノラマのように見渡せるのが救いとなっている。 自分が今どこに居り、どのようなプロセスでどのようになるかその可能性が見渡せどこに行くにせよ最悪の場合も含めて周りが幾分か見渡せるというのは安心できるものだ。 自分は日本で癌になっていないから日本の病院では同様の場合どのように扱われるのかに興味がある。 それは技術は別として患者、医師の間の様々な情報を巡るコミュニケーションの仕組みに関わることでもある。  


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