mixiユーザー(id:125571)

2017年01月09日11:08

120 view

2017年 的初め



射撃の撃ち初めをどういうのか知らないけれど取敢えず的初めと言い置いて今年のそれを25m離れた紙の的にフリントロック式ピストルで30分間で13発撃って終えた。 年間8回撃ち総合点で競う、古式銃世界種目の Cominazzo という先込め式フリントロック短銃の南オランダ州競技会第一回目だった。 ジャック・スパロウも撃つ自分の気に入りの短筒は中々御しにくい。 まず銃身内部が16世紀中頃まではあまり穿たれていなかったライフル若しくは螺旋条がまだ発明されていない時の時のものなので内部がツルツルで弾道が定められにくく少しでも汚れがついていれば弾が不規則に勝手に色々な方向に飛ぶ。 自分の直径11.3mmの 44口径弾は丸い鉛の玉で、銃身の先から黒色火薬を注いだ後プラスチックの金槌で玉を叩いて助具の棒も使って一番奥まで押し込むのだがそのときに鉛が柔らかいものだからどうしても平らに打ち込めず球に少しの歪やデコボコが出来る。 それが空気抵抗となり方向が予測出来なくなるということに結果することもあり施条をきっちりしてある現代銃に比べれば、というより比べられないほど精度が落ちる。 けれどそれを慣れと銃の持つ性格を心得て折り合いをつけ成果を挙げるのが古式銃の楽しみである。

普通の定期的に練習している射手は75ポイントぐらいあげられればいうことがないのだろうが自分は今日2017年の的初めで生涯下から2番目、5ポイントという散々な結果だった。 この欄に何度も「なぜあたらないのだろうか」と題して書いてきたそれがまたもや戻ってきた。 2ポイントのところに一つ、3ポイントのところに一つ、合計5ポイントで、あとは皆紙の的の外に飛んでいって消えた。 

それには大きな理由があった。 普通火打石がついた撃鉄は2段階に引いてクリックする。 一つ引いて弾を込め、細かい発火用の火薬を込め、そこでもう一段階いっぱいまで引いてクリックする。 それでも安全のために引き金は指で触っても落ちない。 引き金を前に押してクリックして止まればそれで発射準備ができたことになる。 的を狙って手のひら全体で握るようにして同時に人差し指の腹で軽く引く様にすれば銃身はぶれず自然に発射できて狙いをつけたところに行くはずなのにそれが出来なかった。 引き金を前に押してもクリックできなかった。 引き金の元に小さなネジがあってそれを回すことによってクリックしたあとどの程度の力で引き金が落ちるかその引っかかり具合を調節できるのだが引っかかりゼロで引っかかりをつけるネジを回すことが出来なかった。 だからこれは緊急事態で、力任せに引き金を引くしかなく、そうすると引き金は引けることは引けるけれど上下には大してぶれることはないものの左右に、特に右方向には大きくぶれることになる。 

普通微かな引き金の力でも発射できると言っても大概の古式銃の性格は一定ではなくこのピストルでは一応直径20cmほどの黒丸の大分外、時計の6時方向を狙えば黒丸に入るのがこの5年ほどだった。 15年ほど前にはこれでも平均75ポイントは挙げており85ポイントほどまで行くこともあったけれどこの5年ほどは35−50ポイントぐらいが平均だっただろうか。 

今日の30分のうち、初めから火打石の具合が悪く火花がちゃんと散らず発射できないことが3度ほどあった。 だから新しい石に替えて続けたのだがこれにも調整が要る。 少なくとも5分は費やしている。 火花で発火させる発火皿に入れる誘導火薬ともいうべき細かい粉がそれを入れて置く真鍮の管からなくなりナイフの先で壜から掬って発火皿に乗せなければならず火薬の量が一定しなかった。 そうしているうちに普段何も問題がなくスムースに行っていれば23分ほどで出来るものが30分ぎりぎりまでかかった。 大きく右にぶれることを見越して左下を狙っていたにもかかわらずの結果だった。

目出度い筈の的初めは斯くの如く散々に終わり今年の射撃活動が始まった。 
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年01月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031