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2016年10月18日00:25

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初めてのチャリ夫君 【1年・その2】

 このコーナー、これからポタリングを始めようという人、購入したいがその後何をしたら良いのかよく分からない人向けに書いている。前回は納車までのパズルと基礎的なライド(乗り降りの仕方)について。今回はメンテナンスとポタリングについてである。

 1年目となったのは台湾のジャイアントESCAPE R3というポタリング向けクロスバイクである。


■メンテナンスも楽しく感じられることが大切


 軽快車、ママチャリは多少ラフに扱っても、大抵の人は10年乗ることが出来る。しかし、スポーツバイクはそうはいかない。何しろチェーン自体がむき出しになっている。常に埃、湿気に晒されていることを考慮しなければならない。幾ら盗難されないとはいえ、外で、ろくにシートも掛けずに駐輪しているだけだと、半年もしないうちに日本の高温多湿な天候だと錆ついてしまうかもしれない。

 将来ドロップハンドルのロードバイクにステップアップしようと思っているのであれば、室内保管がお勧めだが、日本の狭い住宅事情を考慮すると、家族の理解が必要だろう。単にお金があるだけでは難しい。それが無理だとしたら、外で保管するしかない。

 となると、雨露しのぎに誰もが考えるのが自転車屋で売っているサイクルカバーだが、保つ人でせいぜい9カ月、3カ月でダメになった、という話も聞く。確信犯的にメーカー側は次を買わせたいがために短期間でダメになってしまうのである。

 私も室内保管は家族の理解が必要な為、外での保管を余儀なくされている。個人的にはホームセンターで#4000番の銀色のシートを被せている。耐用年数は約3年。並みのブルーシート(#2000)以上に耐候性が高い上、安上がりなので、これにしている。フェンスから1m〜1.5mのチェーンをエスケープに括りつけ、シートは#4000番のシート、これまたホームセンターで売っているイボ竹に耐候性が高いインシュロック(結束バンド)を括りつけ、晴れている時は丸めて畳んでおけるようにしておくことが望ましい。湿気がシートの中に籠ると湿気が舞い上がり、矢張り錆びやすくなるからだ。難燃性のサイクルハウスがあるようならば、それに将来的には替えたいところだ。

 メンテナンスは素人のため、最小限度である。

 ◆空気の補充は2週間に1回。

 GIANT ESCAPE R3のタイヤは純正だと台湾のMAXXIS社製。サイズは700×28Cと多少の砂利道もゆっくり走れば何とか行けるサイズで、最大空気圧の表示は8.5BAR(120PSI)だが、自分は大体6掛け、5.0BAR まで入れている。手動のフレンチバルブのポンプは入れるとメーターが動く為、意外とあてにならないことが多いからだ。なお、現在ポンプはTOPEAK社製のものを使用している。初めてフレンチバルブのポンプを購入されたい方、安物は避けた方が良い。安物はメーターの精度もそれなりだからだ。3500円程度以上であれば大丈夫だと聞いた。

 忠実に空気を満タンにしてパンクした、という話が多いが、こういう理由からである。

 知り合いでESCAPEシリーズの最上級モデル RX-1(約10万円。SHIMANO TIAGRAを標準装備)に乗って50km以上のツーリングに行く人がいるが、彼もまた出発直前に8掛け程度しか入れていないと言う。

 ◆チェーン、スプロケットの清掃&チェーンオイル補充は月1回

 月一というサイクルが正しいかどうかは使用頻度にもよるだろう。普段はクルマ通勤なので、その程度で十分だと思っている。毎日乗る人はサイクルコンピュータを取りつけて距離で管理された方が良い気がする。

 これもまた素人が出来る数少ないメンテナンスのひとつ。但し、駐輪しているところが土、砂利の場合は後輪を外すことは余りお勧め出来ない。ラフに外すとディレーラーを地面に叩きつけて破損してしまうことがよくあるからだ。自分の駐輪スペースも残念ながら砂利なので、後輪はなるべく外さないようにしている。

 GIANT ESCAPEシリーズはスタンドを後付けした場合でも、メンテナンスの際、大抵のディスプレースタンドを取りつけることが可能。整備性も優れている点がありがたい。ギアを普段滅多に使わない前3、後2段目にセット。

 グッズも必要最小限といった感じ。拘る人はワコーズのそれを使っているようだが、スポーツバイクの端くれには分に余る気がする。また環境に優しいはずの自転車に化学物質をたくさん用いた高級パーツクリーナーを使うのは引いてしまう。ということで、ホームセンターで売っているパーツクリーナーを使っている。但し、作業性を考え速乾性のタイプである。大体398円くらいで売られていて、月一の清掃で11ヶ月ほどもった。なお、ワコーズの人の話だと、洗浄成分自体は安物と大差は無いものの、他の自転車のパーツ部分にうっかりついても傷めにくい素材は使っているとのことだった。パーツクリーナーで清掃したら、念入りに拭き取り、乾燥させる。が、時間が惜しいので、自分は速乾性のパーツクリーナーを使っている(速乾性ではないタイプは198円程度で売られている)。

 拭き取り、乾燥させる。

 乾燥後、フィニッシュラインというチェーン専用のグリスを差す。粘度はミシン油に限りなく近い。それをコマとコマひとつひとつに丁寧に差して行く。一周したら、今度はぐるぐると回転させる。多分回り具合が良くなっているはず。よく馴染んだら、今度は拭き取る。

 「え〜。勿体ないじゃん。」

 と思うかもしれないが、そもそもコマの動きを良くするのが目的であって、コマの動きが良くなったら、フィニッシュラインの役目は完了なのだ。

 この拭き取り作業が超重要。

 特にフィニッシュラインは外側についていない方が望ましい。走行時に埃を吸い込み、動きを鈍くさせるからだ。

 それでも勿体ないという人はスプレータイプの潤滑用のチェーングリスを掛けておけば良いだろう。

 これでひと通り完了。

 メンテナンスといえば盗難対策もそのひとつだ。

 最も盗難されやすいパーツはライトである。特にスポーツバイクは殆どが脱着式なので、コンビニの駐輪場に付けて停めておいたら即行盗まれたという話を良く聞く。夜だけ装着するようにした方が良い。

 元泥棒さんの話だと

 「盗めない自転車無い。」

 と豪語していた。狙われたらいかに「この自転車を盗むのは面倒くさいぞ。」と思わせることが大切なのだ。若い人達の間で、盗まれにくい鍵の掛け方として、「地球ロック」というものがある。

 「地球ロック」とは?

 ここでちょっと「地球ロック」について触れたい。

 クロスバイク、ロードバイクは車重が軽い。ロードバイクに至っては多くがひとケタ台だ。安易に鍵をつけるだけでは自転車ごと盗難に遭うことはよくある話である。都会の駐輪場に行けば放置自転車の中にGIANT ESCAPE R3、TREK 7.4FXごときは散見されるから、気にするほどではないものの、用心にこしたことはない。相棒のESCAPE R3も安物とはいえ、10.3kg(平均。しかしXSサイズなので10.0kg)。片手で持ちあがるほど軽い。これが

 軽快車・ママチャリ・・・16〜22kg

 電動アシスト付き自転車・・・25〜30kg(以上のものも)

 これくらい重たければ、そうやすやすと持って行かれる事は無いかもしれないが、10kg以下となると、錠がついているだけでは軽トラックに簡単に載せて何食わぬ顔で持っていかれてしまうだろう。後は畑で、ボルトクリッパーでもあればひと目に付かずに簡単にワイヤーロック、チェーンロックは切断出来る。

 そこで先ず心がけとしては

「盗難出来ない自転車は無い」

 と考え、出来るだけ手間を掛けさせるか、手間が掛かるぞ、と思わせて諦めさせることがポイントである。「こんな面倒くさいことをしやがって」と泥棒さんに思わせれば盗難されにくくなる。地球ロックはタイヤ(出来ればフレーム)に絶対に動かせない物と着けてしまうロックの事を言う。上手いネーミングを考えたものだが、以下の物が有効だ。

 ◆道路標識
 
 ◆ガードレールの付け根

 ◆金属のパーテーション

 ◆連れの人がいたら、格好悪いかもしれないけど、連れの自転車で掛けあう。(10kgのロードバイクでも、2台ならば20kgになるから)

 要するにとても人力では持ちあがらないものであれば、何でも良いのだ。ワイヤーロックは好ましくないが、地球ロックと併用し、更に泥除け、スタンド、シートポストにワイヤーロックがついていれば、それも外すのに時間が掛かるから、手控えるという訳だ。ママチャリ・軽快車からステップアップを考えている方には、「タイヤも盗難されるのか?」と思われたかもしれないが、高価なフレームだと矢張りやられる。例えば日本のシマノのデュラエース、アルテグラあたりになると、かなり高価。タイヤとの組み合わせ次第では、ESCAPE R3一台が買える程になってしまう。盗んだ人達はネットオークションに出して足がつかないようにさっさと売ったら退会するのが常套らしい。新品なのに不自然なほど安いとしたら、疑っても良いかもしれない。

 但しチェーンロックもU字ロックも幾ら厳重にしたとしても、それ自体の為に大きなデイパックを背負わねばならないとしたら、自転車に乗ること自体が苦痛になりかねない。

 そこで、自分はナイロンでカバーされた120cmのチェーンロックで番号の変更は随時可能のタイプを購入した。これをメインにし、通行人の目に付きやすいところでは地球ロックに使っている。チャックつきのサイクルジャンパーに放り込むことが出来る。

 矢張り安心して長く乗れることはとても大切なことである。



 ■ポタリングルート開拓が課題■

 
 スポーツバイクのある生活になると休日の天気が気になるもの。またメンテナンスも定期的にしなければならない。何しろフレンチバルブ車は乗らなくても2週間に1度は空気圧をチェックしなければならない。チェーンの清掃も週末のポタリングだけという人でも、月一度はしておく必要がある訳で、カレンダーや手帳をプライベートでも見る機会が増えた。

 ポタリングに慣らしつつもルート開拓を今後は進めたい。ロードバイクほどの加速性能は無いので、市街地もそれほど危なげなく、軽快車、ママチャリの人達と溶け込んで走れるのは幅広い。

 GIANT ESCAPE R3のサドルは驚くほどソフトである。以前乗っていた軽快車以上にソフトで快適。但しそれでもインターロッキングで装飾された歩道よりも、車道の方がずっと快適なのはスポーツバイクの端くれであることを主張する。誰でも出せる車速はロードバイクが時速25キロくらいだとしたら、こちらは17〜19kmくらいではないだろうか。

 ただサドルとグリップは白だった。2016年モデルはどのメーカーも白を使っており、ひとつの流行だったのかもしれない。フレームのイエローが引き立つのは良いが、もう少し汚れが目立ちにくい色の方が良かった気がする。外での保管と書いたが、保管時に自分はサドルにはビニールのカバーを被せ、汚れを最小限に留める一方、出来るだけ指の開いたグローブで乗る。グリップの清掃時にはクルマ用の「フクピカ」(ソフト99社)を使っている。

 シートポストを夏場に1cm上げた。夏場は高い方が良く、冬場は低めの方が良い。これは脚や腿が冬は冷えるからである。

 ここ1年で利用したポタリングのエリアだが、西多摩地区の多摩川沿いと秋川沿い。最も急坂だったのが、青梅と日の出を跨ぐ二ツ塚峠。それとこれは毎月行っているが、日野市・新町の急坂も長さでは引けを取らない。まだ行ったことが無いが、最も西多摩地区と南多摩地区で急坂なのは小宮公園あたりだろう。ここは歩いた方が早いのではと思うほどの急坂で、2Lのタクシーもローギアでアクセルをかなり踏み込まないと上れない。

 東日本大震災でサイクル人口が増えたのは良いが、多摩川沿いもさしもの府中より下流は密集していて危なくなってしまった。自分が高校生の時、知り合いからBSのアンカーを譲って貰った時は、原付が走れるほど空いていた。世間はまだバブルの終わりで、自分みたいな自転車に興味を持つ人はごく限られた人達ばかりだった。それを思うと隔世の感がある。

 来年は比較的まだ密集していない浅川沿いも良いかもしれない。多摩都市モノレールが出来たおかげで川崎街道はそれまで狭い上、ダンプカーも多くて危なかったが、自転車も走りやすくなった。名刹・高幡不動から多摩御陵、高尾山口まで、というコース。途中、八王子にある老舗でアットホームの自転車屋を覘くのも面白いかもしれない。

 青梅〜奥多摩間(さしものここまで来るとポタリングというよりもツーリングになりそうだが)の約25km程度も良いかもしれない。

 自転車の魅力は生活の一部に出来ることだろう。

 最後までお読み頂き、ありがとうございました。(了)

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