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2016年08月09日10:29

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和の話・その2

「和」とは調和、ハーモニーだけではない。中国語では「和」は生産も意味している。

 「和は実に物を生じ、同は則ち継がず」(『国語』)

 『国語』のこの格言は飽く迄和と同の違いについて綴ったものだが、この格言でも明らかに生産も意味している。

 前回に引き続き和=生産を意味するエネルギー問題である。

 ■なかなか増えない都市ガス地域の理由 ■
 
 日本の都市には都市ガスを使う地域と、プロパンガスを使う地域がある。大都市では都市ガスが多いだろう。若い子たちが独り暮らしをする地域で都市ガスの地域は人気がある。なぜならば光熱費が安いからだ。斯く云う自分ものべつ幕なし「人身事故」(カッコつきなのは周辺住民ならば分かると思う)が起きる中央線に嫌気がさした。1時間も乗らないのに、そういうことがあると完全に2時間コースになってしまう。2時間もあったら、東京都下の西の方から出発してもラクに千葉県まで行ってしまう。常に「人身事故」が何時起きるかと戦々恐々としていなければならないため、時間が無駄になっても、余裕を持って出ないとならない。気負って行かざるを得ず、都心に行くのは自分には労働以外何ものでもない。

 どこかの売れっ子タレント(といっても、この方は最早70代に手が届くが)は「ぐんたまちばらき」などと東京・神奈川以外を「いなかもの」と揶揄したが、とんでもない。東京都下に比べたら、千葉県北東部、埼玉県東部の方が気軽に都心に行けるのだ。東京都下など、23区の植民地でしかない。歴代東京都知事は東京都下をそのような扱いしかしてこなかった。

 これが同じ東京かと思うほどの劣悪な交通網に嫌気が指し、以前20代の時は東京の府中という街で独りくらしをしていた。そこからは自転車通勤だ。本当は武蔵野か三鷹を希望していたのだが、その街の住みたい地域は都市ガスではないというので、府中の東の外れ、アジスタの傍にある廉価のアパートを借りた。府中市はほぼ全域東京ガスが敷かれており、確かに光熱費が廉価でとても助かったものだ。

 今住んでいるところは、都市ガスとプロパンガスが併在する街である。独り者だが、スズメの涙の遺族年金しか貰えない(この金額で東京暮らしは無理。高卒の初任給よりも安いのだから)母親と同居するにあたって、喩えどんなボロ屋でも一戸建てを買う際に都市ガス(といっても、実質住んでいる街で経営しているようなものだが)であることは最低条件だった。独り者でボーナス無しで住宅ローンを払い切るには生活費の節約は不可欠だと思ったからだ。

 この2つのガス、価格の差はどこから来るのかというと、プロパンガスの地域の人はご存じだろうが、容器に入って運搬されるため、人力と輸送力が不可欠。手間も時間も掛かる。これに対し、都市ガスはそれこそ水道管のようにガスを流し込むだけ。この差だ。

 だが、決定的な違いはそれだけではない。

 プロパンガス、実は石油で出来ているのである。石油を蒸留するようにして、ガスに換えている。液化石油ガスと言っても差支えないほどだ。このことは意外と知られていない。

 日本の場合、大都市の一部以外はプロパンガスである。しかもなかなか都市ガスは広がらない。地方は県都のターミナル駅周辺と県庁周囲以外は殆どプロパンガスだ。これは日本の国策として残しているのだ。特にM.7.0以上の大地震のような大災害には、都市ガスは無力だ。東北東日本大震災の時はそれほどでもなかったが、1995年の阪神・淡路大震災の時は、都市ガスのガス管が破裂し、道路もごうごうと燃えた。アスファルトも石油、それも石油のカスから造られている。ガス管が破裂すれば当然燃える。こういうことになるので、日本の経済産業省は消費者の負担になっても、備蓄しやすいプロパンガスを止めさせないのである。

 地震予知はなかなか当たりそうで当たらない。東北東日本大震災の時もそうだった。自分が知る限り、「東北も要チェック!」と言っていたのは、海洋地震学者の木村政昭氏、以前の日記に登場した村井氏くらいだった。殆ど東北はノーマーク状態だったのだ。せめて我々の出来る事はそれを軽くするしかない。その意味でもプロパン地帯の方が都市ガス地域よりは大災害の時は実は強いことを再認識すべきである。

 斯くいう自分も都市ガスとプロパンガスが併売される地域なので、発電機くらいは買っておこうと計画している。例えばデンヨーのガスボンベ発電機・GE−900Bはカセットコンロ用のガスボンベ2つで900VA(理論的には900Wだが、実用域では約800Wの電気が使える程度)1時間もつ。2時間の計画停電にはちょっと足りないが、継ぎたせばいい。燃料(カセットコンロのガスボンベはホームセンターにて3本セットで158円〜398円程度が相場)が安いうえ、ガソリンに比べて扱いが安全なのが魅力だ。重さは約20キロで、女性、子供、老人にはちょっと重いが、大の男ならば移動できないことはない。価格も15万円前後で売られている。また他社の発電機もガスボンベで使えるのが出ている。パソコンを使いたい場合、電力はせいぜい100W以下だが、電流が安定していないと使えない。どれだけ良質なインバータが内蔵されているかがキモになる。その意味では日本のメーカー品が安心できる。

 自給自足という言葉が流行っている。だが、地縁もない人が農村を耕して、農協に売って生計を立てられるほど日本の農村は甘くない。大体が日本の農村とは排他的なものだ。そこまでしなくても良いが、「自衛」という考え方はそろそろ持っておいた方が良いと思う。

 最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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