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2016年06月19日22:38

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日曜日はカレーを食べよう

 正午を少し回った頃合いで、本場インド人シェフのカレー屋に入店した。家から5キロほどの距離があって、以前自転車で通りかかったときに偶然、目に入った。インド人とおぼしき店の人が大きな声を出しながら走り、前を行くカップルになにやら叫んでいる。店にいたカップルの一人がスマホを忘れ、それに気づいた店員が知らせるために叫んでいたのだった。その一部始終を、自転車を停めて見ていた暇人がこの私。忘れ物をしたカップルの表情よりインド人の安堵した顔が印象的で、私はつい大きな声で「グッ・ジョブ!」と声を掛けたのだった。
 そんな経緯から、カレー屋を知った。どんなことにもドラマがある。
 入口のドアを開けたら、むっとする暑さにぶつかった。ここはインドか?
 薄曇りなのに店内の照明灯は切られていて、冷房も入っていなかった。しかも目の前には3人の大男が立っていて、私を見て驚いたような表情なのである。覚醒剤の密売所か、というような不審感を持ったが、ドラマ性を重んじて生きるのが信条ゆえ、ど真ん中のテーブルに座った。日曜日のお昼はカレーと相場が決まっている。なのに、客はいない。
 一人のインド人が意を決するかのようにメニューを持って来た。
 インド製1ミリグラム5000円、北朝鮮製1ミリグラム3000円、という品書きではなく、カレーのランチメニューが載っていた。
 680円の「王朝コース」を注文。特性王朝サラダ、カレー一品、ナンかパン、ドリンクと、まずまず文句のないランチだ。カレーは8種類くらいから一つ、ドリンクも10種類くらい揃っていて、マトンカレーとラッシーを選んだ。
 7分後、巨大なナンが出てきた。幅30センチ、長さが1メートル弱ある。ナンなんだ?
 インド人もびっくりな巨大ナンに反して、カレーはごく普通の量だった。果たしてこのルーでナンを食べきることが出来るのだろうか。
 同時に出てきたラッシーをまず飲んでみたら、本物のラッシーだった。焼きたてのナンをちぎって、カレーに浸して一口食べた。マハラジャ王のナンではないか。そしてカレーもインド4千年の宮廷料理を模した王道の味だ。しかし値段が庶民的ゆえ、ナン4センチにつきルーはスプーンで1すくい、という計算をし尽くした食べ方をしないと、ナンが余ってしまうというのが難だ。
 内田百間は毎日食べる蕎麦について<うまいから、うまいのではなく、うまい、まづいは別として、うまいのである>という卓見を示したが、ここのカレーがまさにそれだ。うまい、まづいは別にして、うまい。本当にうまい逸品というのは得てして食べ続ける気が起きないものだ。毎日食べてもそれなりにおいしい、というくらいのまずさがちょうどいい。カレーの量とナンの面積を見つめつつ食べながら、そんな感想を持った。
 私が食べているうちに、4つあるテーブルはすべて埋まって、安堵した。大男のインド人に見守られるような雰囲気はちと厄介だ。私を襲うことはないだろうが、カレーを食べ終わったタイミングを見計らって、「あなた、クスリ、買いに来た?」と言いそうな重い感じ(笑)。
 とにかくナンを残さないよう慎重に食べて、完食。丸一日分の炭水化物を食べてしまった。ラッシーを二口三口ストローで飲んだら、満足感とともに疲れも出た(笑)。
 今日もオレ、何やってんだか。
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