mixiユーザー(id:6791256)

2016年06月05日13:55

820 view

国吉康雄展 少女よ、お前の命のために走れ そごう美術館

2〜3枚を展示している美術館は今までにもあった。でも縁がなかったのか、まとまった数の作品を見る機会がなかった。彼の生い立ちや人なりも垣間見れる展示会。「少女よ、お前の命のために走れ」に描かれた少女が案内してくれる・・・という趣向。

国吉康雄はアメリカで活躍した作家だということは知っていた。だけど勝手に同時代の画家藤田嗣治のアメリカ版みたいに思っていた。少年時代に移民としてアメリカに渡りアルバイトを転々として英語を習い。そこで通じない言葉のかわりに説明で描いた絵があまりに上手なので教師に美術学校に行くことを勧められた・・・とは。学生時代の裸夫デッサン・・・たしかに上手い。


戦時中はまさにフジタと真逆。アメリカ寄りの戦争画、反日ポスター・・・どんな気持ちで描いたかと思うとなんだか痛々しい。

人力車の組頭だった父の一人息子。なのに少年時代にアメリカへ行ったきり帰国したのは父危篤の報せを受け取った40代の時に一度だけ。故郷に帰ったときはどんな騒ぎだったのか! タダで絵を描いてくれとせがむ田舎の人たちに戸惑ったらしい。

国吉はカフェやサーカスで働く女性や踊り子など、肉体を使って働く女性をモデルに選んだ。日本女性の姿は見かけない。モデルを前にデッサンした後、しばらくの間放っておいて記憶が薄れたところで特定の女性の肖像ではない「ユニヴァーサル・ウーマン(普遍的女性)」を描いたのだそうだ。そのせいか、描かれた女性はどこか謎めいて意味深。「私が描いた女性は孤独で、なにかを失い、荒れ、考えている人たちなのだ」







4 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年06月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930