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2016年05月17日20:58

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雨が好き

 晴れた日も嫌いじゃないが、雨が好き。って書くと、高橋洋子(女優)の同名の小説『雨が好き』をいま、思い出した。もう何十年も彼女の名前を目にしていないが、どんなふうに生きていらっしゃるのだろう。
 朝は大雨のなかをラズリと10分ほど散歩。大小を済ませたところでさっさと戻った。ラズリは雨が嫌い。
 朝食後、先月の理事会の議事録を最終的にまとめ、各理事にccで送る。舛添ほどではないがこちらでも不正使用が見つかって理事会での中心議題になったのだが、この件をどれくらい詳細に書けばいいのか、判断が難しくて難儀した。
 雨が降って蟄居するしかないような気分は、山中湖の夜に似ている。どこにも出かけたくないというひきこもり感とつまらなさ。山中湖ではテレビがない、ネットがない、冷蔵庫がない、近くに店もない。だから本を読むか、書くか、持ち込んだMacbookで映画や音楽ライブを観るか、はがきをしたためるくらいしか出来ない。これらの行為は質素な楽しみでしかなく、いずれも受動的には愉しめない。
 私はひととかなり違っている、と思う。興味対象が内向きで、贅沢にもあまり関心がなく、世俗的な目標があるようでいてなくて、ミミズみたいに光のない土の中でうごめいているような存在でいいというような志向が心の中に巣くっている。
 だから雨の一見陰鬱な天気が半ば、好きなのだろう。
 詩人の蔵書を机の上に広げ、アンダーラインの箇所を新訳で探し出しては同じようにラインを引き、乱暴な書き込みの一字一字を解読しては同じように新訳の本の版面外に書き写す。これを1時間やって15分休んでまた1時間と、今日もだらだらやっていた。
 午後4時を過ぎたところで、昨日の尿検査の結果を聞くため、動物病院に電話をいれた。幸いなことに菌は検出されず、炎症を抑えるクスリを1カ月服用させる、ということになった。1時間後に薬を取りに行きます、と伝え、5時半に動物病院へ。今日はラズリを連れて行く必要がないので自転車だ。
 夕飯後、風呂に入って夕刊を読んだら、ギュスターブ・ドレの油彩が載っていた。ドレの絵が画集状になっているダンテの『神曲』を見て以来、ドレには一目に二目も置いているのだが、かような風景画を描くとは思ってもみなかった(http://www.asahi.com/articles/photo/AS20160517002347.html)。太陽が射す幾筋もの光の道がまるでフォトショップの加工みたいだ。しばらくの間、見入ってしまった。
 普段は見ないのだが、テレビ欄を開いたら偶然Eテレの『先人たちの底力「明治の旅行家 イザベラ・バード」』という番組を見つけた。イザベラ・バードを知らずして明治を語るなかれ。朝のテレビ番組で今日の運勢は最悪だったが、ラズリの件といいイザベラ・バードといい幸運だった。雨の日は私の味方だ
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