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2016年05月08日21:08

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ゴールデンウィーク最終日に空を舞う

 朝、天気がいいことを確信したので、窓という窓すべて廃棄する台所用スポンジでテキトーにこすり、庭の水道ホースでノズルをシャワーにして勢いよく洗い流した。水が太陽の光に向かうと中空に虹が浮かぶ。虹が見えている間は、自分が小学生に戻ったような気分。
 家の内側の窓ガラスはさすがにシャワーを浴びせられないので水拭きをし、何度か見る角度を変えつつ拭き残しがあるとまた雑巾で拭いた。家の周りの掃除も含めて1時間余り、陽差しが強いのでなんとなくレジャー気分だ。
 昼イチ、お寺にお邪魔してお茶をいただいた。オレンジピールをチョコレートで包んだお菓子がおいしかった。小一時間で帰宅。
 まだ夕方の散歩には早いが、ラズリを連れてうちを出る。歩きながらラズリに「今週は何かいいことありましたか? 私ね、思うんですよ。人生には楽園が必要だってね」とテレ朝土曜日午後6時放映の「人生の楽園」で冒頭西田敏行が語る決まり文句をつぶやいてみる。ラズリは基本的に何か話し掛けると、私を見て、意味をつかもうという意志を示す。
 街まで降りて、いつものショップへ行くと、店主とNHKのディレクター、さらに40歳代後半に映る女性と20歳代前半のモデルみたいな女の子が店の前でたむろっていた。店主が私を見るなり笑顔で「来てくれてよかったぁ」と話し掛けた。
「ハワイからマジック・カーペットが今日届いたので、これに乗って海へ行きたいね、といまみんなで話していたところなのよ」と店主は言う。
「マジック・カーペットって、空を飛べる魔法の絨毯?」と訊いたら、1カ月くらい前に注文したって言ったじゃない、と彼は拗ねたオカマ言葉で私を非難した。
「5人と犬1匹乗って大丈夫?」
「ちょっと狭くなるけど四疊半くらいのカーペットだからみんな乗れると思うわよ」
 ということで、店に着いて早々、マジック・カーペットが歩道に広げられ、私たちはその上に座った。
「では遊泳モードにするわよ〜」
 店主がそう言うや否や、カーペットは地面から30センチほど浮いた状態になった。
 最初に声を上げたのはモデル風の女の子で、「魔女の宅急便みたーい。海の向こうの町コリコに行かなきゃ」と言った。店主は「うん、海に行こう、とりあえず逗子マリまで往復するね」と応える。
 ラズリはというと、目を白黒させていた。これまで2階のベランダが最高到達地点ゆえ、空を飛んでいる最中、怖がるかもしれない。念のため、ラズリを抱えて座ることにした。
 カーペットは渋滞しているクルマを尻目に軽やかに中空を飛んでいる。2分ほどで海岸に着いたところで店主が「ターン・トゥ・レフト!」とカーペットに向かって命令すると、不思議なことに半円状の孤を描いて90度左に向かって進んだ。わずか1分で逗子マリーナのヤシの木ロードが見えたところで、カーペットはゆっくりと降下して岸壁の近くで地上に着いた。
「はーい、ラズリちゃん。怖かったぁ? 無添加クッキーをあげるね」と上品な40歳女が笑いかけると、NHKが「それはさっきボクが買ったクッキーじゃないか」と茶化し、何がおかしいのかわからないけど5人+1匹で笑い合ったのだった。
 今日はこんな風な一日。


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