mixiユーザー(id:125571)

2016年04月28日08:04

309 view

April Doet Wat Zij Wil



2016年 4月 27日 (水)

この何日か寒い。 突然雹が地面や屋根を叩き付け更にはときどき雪が舞うのも見えるこの頃、北の州などではそれが積もって事故の原因にもなっている。 冬の寒さである。 晴れ間とこういう荒れ模様が半時間ごとに起こるようで夜間は氷点のあたりでかろうじて留まり日中は10度前後だ。 こんな天気では外に出るのに絶えず空を見上げて降ってくるものがないか風向きを確かめそういうものが来る前に素早くどこかに出かける、という具合だ。

こんな四月の空のことをオランダではこう言うことがある。 April Doet Wat Zij Wil 英語にすると April does behave as she want to とでもなるだろうか。 つまり四月というじゃじゃ馬は彼女のしたいように天気を変える、という意味だ。 それに振り回される我々は堪ったものではないけれどそんな女性だから仕方がないと諦めるしかない。

そんな今日はオランダ国王ヴィレム・アレクザンダー陛下の誕生日で国民の祝日だ。 この国にもう36年住んでいるのにイースターや天孫降臨祭日やその他の休日のことを覚えず日々の買い物をするのに店が閉まっていることに戸惑いがちになる。 けれどニュースや何かで事前にそれが分かるから何とかやっているのだが今年の祝日には各地の行事がこの天気に煩わされて様変わりしそうである。 

自分が1980年にこの国に来て数か月後、今の国王の母親ベアトリクス女王が彼女の母親ユリアナ女王から譲位されて即位したのを覚えている。 それから2013年4月30日、今の国王の祖母であるユリアナ女王の誕生日、女王の日に母親から王位を継承し今年で3年目のまだ若い48歳の国王である。 つい先日90歳の誕生日を祝ったイギリスのエリザベス女王の皇太子チャールズの67歳と比べればその若さが対照されるだろう。 数日前イギリスではシェークスピアが没して丁度400年経つことからその有名なセリフを様々な人が自分の思いを込めて人の前で語るなかでチャールズ皇太子が思いを込めて語ったのが一種の笑い話として報じられていた。 To be or not to be, that is the question だったのだが日本でもこれは歴史的に様々に訳してこられたけれど、ここではいつまでも皇太子でいて(国王に)なるのかならないのかそれが問題だ、という風に解釈できることから切実なことでもあるのだ。 スキャンダルの多かったイギリス皇室からすると女王から孫に継承させるのが無難という声もあるようだがイギリスではそれでも王室の廃止ということは議題にも上らないだろう。 けれど世界の皇室の中では優等生のオランダ王室で国民の人気投票では1位は国王の妻、鳴り物入りでアルゼンチンから嫁入りし、また世界に影響する人物の中に今年アメリカの有力誌に選ばれている切れ者マキシマ(女)王、2位が母親ベアトリクス女王とその後塵を拝し、100年以上続いてきた女王の国の男として少々影が薄い感がある。 近年王制は要らないとする声が上がりつつあるものの国民の6割以上が今の制度を支持している。

自分は偶々日本の天皇、皇后、ベアトリクス女王には2000年にこの町で拝謁に与ったことがことがあるけれど今の国王にはない。 ただ、まだ皇太子が地元の大学の学生だった時、大学の狭い路地を自転車で帰宅途中3人の男が行く手を阻んでいるのでベルを鳴らして警告すると一人がこちらを一瞥して横に退き後の二人はそのままだった。 行き過ぎてから横柄な奴らだと振り向くとボディーガード二人に護衛された皇太子だった。 その近くには女王が皇女だったときに下宿していた家もあるし自分はほぼ毎日皇太子が住んでいた家の前を行き来して職場に通っていた。 彼には学生のころからガールフレンドとのうわさ話がいくつかあり、あるとき二人でドライブをしていて何かの具合で車ごと田舎の水路に落ちたということや縁談まで進もうかと言われていたものが女ともだちの親が武器の商人であることが災いしたことが破談の原因になっていたのではとも言われ、ニューヨークの金融界でビジネス・ウーマンだったマクシマ・ソルグエタと婚約・結婚の際には父親の過去、アルゼンチンの軍事政権の被害者であるオランダ国籍をもつグループから反対があったもののそれも元軍事政権の閣僚だった親を結婚式に呼ばないという条件で押し通し、以来オランダ国民の人気投票では1位になっているという不思議な現象もある。

いずれにせよ自分には王制は現代の民主主義社会にはそぐわないと思っている。 国民に選ばれた人間が国を代表すればいい。 しかし王制も共和制も国民が決めることだ。

寒空の下一日中家の中にいて鬱陶しい普通の日として過ごした。 この何年かは近所がするようにオランダ国旗を掲げていたのだが今日はそのことも忘れていてもう一日が暮れる。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年04月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930