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2016年04月07日11:37

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地区の環境保全集会に行った



この間ポストにチラシが入っておりそこにはこの地区で環境保全に関して何か知恵があったらお互いに出し合ってそれが市政に反映されるように話し合おう、ついては今度の月曜日に近所の平和教会で会合があるので各自参加を願うというような内容だった。 今のところこの地区に関わる特別な問題も大きなプランもないし議題にも環状自動車道も防犯のことも書かれてはおらず住民と協力して公共の空間に緑を増やすなどというソフトなことしか書かれていなかったけれどちょっと妙にも感じるところがあったので出席することにした。 

7時半開場、8時開始というので7時45分に着いた。 実はこの教会は毎週月曜夜9時から1時間汗を流すフィットネスジムの隣にあって毎週自転車を停めるときにはなにがしかの人数が教会に入って行くのを見るのだが今日のように100人以上も集まることは日曜の礼拝を除いては月曜にはない。 もう4年ほど前かここで警察が主催して地区の安全、防犯に関しての集会があったのだがその時は今日ほどの数は集まらなかった。 だから今日は毎週のルーティーンを1時間ほど早めて自転車をいつもとは10mほど離して停めたというだけのことだ。 

コートとマフラーをクロークに預けコーヒーとクッキーを貰い近くのテーブルに座って教会の扉が開くのを待つ間いままで会ったこともない同地区に住む2人の婦人と商店主風の男と話していた。 皆一様にどんなことが話されるのかには見当もつかなく、ゴミ収集車のこと、公園の犬の糞、地区の駐車が有料になったこと、市、国会のスキャンダルのことなどととりとめもなくしゃべったのだが政治の話は別として皆大体そういうことが話されるのだろうとおぼろげながら予想していたのだから50代以上の住民にはこれらは共通の話題でもある。

時間が来て会場に入ると市議で環境担当の男と地区担当の市職員が今夜の議題の説明をするのだがそれはすでに我々がクッキーを摘まみながら予想していたことで少々肩の力が抜けた。 周りには青空マーケット風にテントがいくつか並んでおりそこでは説明、質疑応答の後自由に防犯、造園などのヒントを各自専門家に尋ねる次第になっていると説明された。 オランダ全国で市町村の環境モニター、ベンチマーク・テストがあって街路、公園、防犯、などに関して8段階に評価するシステムがあることが説明され、この地区に関してはトップ2段階に入っており基本的には問題がなくほぼモデル地区だと説明されても殆どの参加者は嬉しくもないようだ。 他の地区と比べて、というより自分の直接の周りで不都合があるかないかそれだけがポイントだからだ。 

確かにこの地区は大学教授・市長の名前を通りに冠した、町では最も落ち着いた地区ではあるけれど問題のないことはない。 現に数年前、市の環状道路建設の案が浮上した時には公聴会が開かれ住民が鋭い批判を浴びせ殆どがその押し付け案に反対したこともあり、自分もそんな集会に2度ほど参加している。 その時も会の進行次第は市に都合のいい専門家の「専門の」意見をまくしたてるだけだった。 市民団体、環境保護団体のメンバーである住民の意見もお座成りにしか反応されなかったからその成り行きに危惧したのだが幸いなことに資金のことになると隣の市、当市、国とのかみ合わせが上手くいかないことと財政圧迫で資金が不足したことでプラン自体が頓挫した例がある。 けれど殆どの市がその周りに経済ハブとしての環状自動車道をもっているのにこの市ではそれがなく恒常的に交通渋滞が起こっていることから誰が見てもそのうちに家の前がその一部になることは明らかだ。 ここに越してくる25年前からそれは分かっていたのだが未だに実現していないということは沿線の住人にとっては幸いでもある。 それにそんな道路が近くに出来ると家の値段が下がる。 老人の多いこの地区はそのうち家を売って介護付き老人施設に入る算段をしているのと当分の間自動車に煩わされずに住めることを望んでいるのだ。  環状道路の件は今のところ浮上していないのだがここに集まった人の多くはそれを心配してそろそろまた市が何か言い始めているのではないかという懐疑心から来ている人も多い。 特にこのようなシャープな議題のない会合には何か落とし穴があるのではないかと猜疑心を持つのが年寄りでありそれは長年の自分たちの経験からそうさせるのだ。 

一応の説明が終わり各自また飲み物をもらいに元の控室に移動中、二人の警官を見かけたので話しかけた。 地区の駐在システムというのがあり何かがあれば5分以内に来るというのが建前になっているのだけれど一体この地区には人口がどのくらいなのだろうか。 この7,8年で運河の向うに今まで野菜の温室が並んでいたところに住宅や高層マンションが建って3千戸ほど増えた。 11万人ほどあるこの市ではこの地区は南東の端にあって市全体の6−7分の1ほどの面積があるから少なく見積もっても1万人以上は住んでいるだろうと訊いてみた。 1万5000人までは行っていないけれど1万人以上というのは確かだということだ。 犯罪のことを訊いてみたが自分の住んでいる区画は比較的安全で5−6年前に一度空き巣に入られそうになったということを聴いたぐらいで近頃はそれがない。 だからそういうことでも例外的ではあるということだ。 彼らにしても殆どがこの地区外での任務が多いということだ。 もう少し離れた国道高速寄りの住宅地には空き巣の被害が増えているからその地区の防犯活動に力を入れている、とのことだ。 高速から車で来て狙いを付けた家に入り素早くものをとり高速に入って他地区、他国に逃げるというパターンらしい。 今回は深刻なテロのについてのことではなかったので誰もそれについて語らないし質問もしないのだがパターンは同じである。 去年のパリの襲撃に端を発しベルギーのブリュッセルでの事件にしてもメンバーたちはシリア、トルコからスキポールに来てこの高速を通ってブリュッセルに移動している。 潜在的に同じパターンではある。 それはそれとしてこの会合は焦点が掴めないほど曖昧だった。 一応最後までいて都市計画、市民参加の地区を自分たちでよくするアイデア、などといったパンフレットや動画を見てすごしそこを出た。

出るときにブックパソコンから動画やプレゼンテーションの次第をスクリーンに映していた職員に、こんな集会要るの? と訊いたら、これを他の地区でもやるのだけれど問題のある地区も幾つかあって荒れることも予想しているから一番楽な地区からやったのでこんな具合だったのだということだった。 自転車で市のあちこちを暇にあかせて廻っているとどんな地区が問題があるのか、どんな問題なのか、集会にはどんな人たちが集まるのかの予想はつく。 自分としてはそんな地区に住んでいないことは幾分か幸いではあるけれどそんな人たちが市を批判する論は正しいことが多いのでそんな会合のほうが面白いように思う。 現に質問者の一人はこの会合があることを聞きつけ他の地区から来てそんな問題を突き詰めていた。 当然市側はそれには答えられずそれはこの地区には当てはまらないからと応えて無視した。 草の根民主主義対官僚主義のミニ版だ。

自転車を出すときにジムから出てくるフィットネスグループの年寄り仲間の一人と鉢合わせをしてあれま、などと言うと、わしも初めの15分ほどあの集会にいたんだけどどうでもいいことをウダウダと言ってるからフィットネスに来たんだ、と言った。 ま、自分は水曜日にカミさんと5,6人の小さなグループでフィトネスやるから15人ほどの我々の年寄りマッチョよりゆったりする、それはそれとフィットネスグループのメンバーで引退家庭医のヤンが集会に来るかと思っていたのだけれどこなかったな、と言うと、ヤンは倒れて入院中だと返事が来た。 ヤンとは立ち話で彼が主催する年寄りたちのグループで安楽死のことを考えるグループに入ると約束していたからその後の進展のことを訊こうと思っていたのがあてが外れた。 

今日の集会での収穫はこの町の樹木ガイドとバードウォッチングガイドのかなり分厚い冊子を土産に貰ったことだった。
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