マーニー (1964)
原題; MARNIE
マーニ― / 赤い恐怖
129分
監督: アルフレッド・ヒッチコック
製作: アルフレッド・ヒッチコック
原作: ウィンストン・グレアム
脚本: ジェイ・プレッソン・アレン
撮影: ロバート・バークス
音楽: バーナード・ハーマン
出演: ショーン・コネリー
ティッピー・ヘドレン
マーティン・ガベル
ダイアン・ベイカー
マリエット・ハートレイ
ブルース・ダーン
主人公の会社社長マークは、新しく雇い入れた秘書マーニーに強く惹かれていた。マーニーが会社の金庫を開けた時も、警察には突き出さず、何故彼女がそういった行動を採るのか原因を追及しようとする……。幼いときのトラウマから、異常な行動をしてしまう女性を描いたサスペンス。
上記が短い映画データベースの記述である。 クリスマスも二日目の晩になれば小休暇でゆったりと夜を過ごす人々も増え家庭で古い映画を観ようかと言うひとのためのプログラムなのだろう、あちこちの国のテレビでヒッチコックの作がかかっている昨今夜中も大分過ぎたイギリスBBCテレビの放映で観た。
つい先週かヒッチコックの「フレンジ―(1972)」を観て次のように記したところだ。
http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/64956688.html
テレビガイドに本作のことが出ていてヒッチコックとショーン・コネリーの名前だけに惹かれて観た。 ただ聞き覚えのあるマーニ―とアルフィーが混乱してそれにこの前のフレンジ―も絡まっていたのかもしれないし、うろ覚えではショーン・コネリー出演の「わらの女(1964)」を60年代に観ていてそれも興味の糸を引っ張る作用をしていたのだろう。 それにコネリーについては「ロシアより愛をこめて(1963)」をこの間再度観ていたから63,64年での3本をここのところで観たことになる。 それに「わらの女」はもう観てから半世紀以上になるので記憶も朧だ。 いずれにせよ様々に観てきたコネリーのこの63、64年を観られたのはなかなかのものだった。 それにジェームス・ボンドがゆったりとした裕福なビジネスマンになっていたら、、、というような本作の造りにもイメージを混濁させる要素が浮かんでくる。 本作のマーニ―であるティッピ―・ヘドレンをどこかで見たことがあると思い、「鳥(1963)」かと思ったのだが何か印象が少し違うと感じたのだけれど同人物だとデータベースには出ていた。
本作から8年後のフレンジ―でのロンドンの古風な造りと本作のアメリカのファッションに何か時代が逆転しているような感じを持ったのは近代的な(英国を新しく模した)アメリカと保守的(古臭い)イギリスを観るようでそこにイギリス人ヒッチコックの映画作法を観るようだ。 特に本作でのアメリカ資本貴族のキツネ狩りのシーンではそれが明らかに見えるようだ。
冒頭5分ぐらいでホテルの部屋から出てくるヒッチコックを画面に見た。 これで自分にはヒッチコック探しでは二つ目となる。
トラウマ、犯罪、男女関係での謎解きをコネリーが進めていく中でのスリルとサスペンスにはヒッチコックの映画の特色が散りばめられていて、けれど少しづつ違うと言うその面白さを堪能できる作であると思う。 ことに貧者と冨者の階層の違いをコネリーの家族をみせることで先に述べたジェームスボンド映画にはないひねりが効いているようだ。
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