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2015年12月30日21:09

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鎌倉が舞台の映画

 朝の10時過ぎ、マイミクの日記を読んでいて、年賀状の出し忘れに気がついた。この1年のマイTOPICS10を挙げた内容から、この秋に野澤一の蔵書が見つかって一部を借り受けていることに思いが至り、ソローの邦訳書で問い合わせをした日本ソロー学会の会長には年賀状を出してお礼の気持ちを伝えるのがよろしい、と思いつく。手紙と違ってさらりとコンタクトできるのがありがたい。年賀状は古くて面倒な儀礼である一方、圧力のかからないコミュニケーション可能なツールである。印刷したはがきに50字かせいぜい100字くらいの文言を添えるだけで許されるという横着もできる。平安後期の貴族から続く風習らしいが、風雅な伝統だと思う。いくらきれいに装飾できたとしてもHTMLメールなんかでは、人格までは伝えられない。
 とうとう手持ちの年賀状は1枚残らず使い切った。やれやれ。
 郵便局へ投函に行き、スーパーで明日の年越し蕎麦を買った。少し高い打ち立ての生蕎麦だが、外で食べることを考えると格安だ。スローライフを送っているので、自分で手打ちをしたいのだが、残間里江子の書いた『それでいいのか 蕎麦打ち男』で定年退職した男が手打ち蕎麦に走る凡庸なイメージにつながってしまい、その通りだというようにも感じる。というか、蕎麦に蘊蓄を傾ける男というのはたいていが知ったかぶりで、池波正太郎が褒めた蕎麦屋に通って「これぞ本物の蕎麦だ」みたいなことを平気で言う。蕎麦に限らずジャズに詳しいオッサンというかジジイなんかも似たようなところがある(当社調べ)。私はいわゆるプログレが好きな人間であるが、自分の好きな音楽はあくまで自分の趣味の問題であることを自覚している。
 午後2時過ぎからパソコンで『海街diary』を観た。
 貧困とか政治とかエロとか人権問題とか犯罪とか宗教とか、とにかくパワーゲームのない映画が観たい。スリル感があって、どんでん返しがあって、コマ送りを見ているようにカメラが次々に切り替って、エンディングに向かって一直線、という映画はもともと好きじゃないのだが、近年、小説よりリアル度の高い映画にあっては悪意とか流血などが絶対にない作品を好むようになった。
 鎌倉が舞台で、ほぼ鎌倉内で物語は完結する。3人+1人の4人姉妹の古屋暮らしを淡々と描いただけの作品だ。
<湘南を舞台に、異母妹を迎えて4人となった姉妹の共同生活を通し、家族の絆を描く。鎌倉に暮らす長女・幸、次女・佳乃、三女・千佳の香田家3姉妹のもとに、15年前に家を出ていった父の訃報が届く。葬儀に出席するため山形へ赴いた3人は、そこで異母妹となる14歳の少女すずと対面。父が亡くなり身寄りのいなくなってしまったすずだが、葬儀の場でも毅然と立ち振る舞い、そんな彼女の姿を見た幸は、すずに鎌倉で一緒に暮らそうと提案する。その申し出を受けたすずは、香田家の四女として、鎌倉で新たな生活を始める。主人公の姉妹を演じるのは、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず。>
 3日前にラズリと散歩した材木座海岸が映っていたり、しばしばクルマで通っている稲村ガ崎から腰越までの134号線が出てきたり。うちの近所にも似たような家があったり神社があったりで、それだけなら鎌倉ケーブルテレビなのだが、主役4人の女優が予想以上に演技達者でさらに脇を樹木希林や風吹ジュンやリリーフランキーら一流どころで固めているものだから、ストーリーは退屈でも見ていてまったく退屈じゃない。この映画は賛否がはっきりと分かれるだろうな。映画の世界観を受け容れた人は○。映画に必要な3つのS、スリルとかセックスとかスピード感を求める人はXだ。
 明日もまた、3Sがまったくない映画を一本観よう。いまはそんな時間がいちばん。
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