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2015年12月01日11:56

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溺れるものは何を掴むのか、それとも溺れてから遅かったと後悔するのか



2015年11月30日(月)から COP21(温暖化対策を決める国際会議)が、 IS がこの間組織的破壊攻撃をかけ120人以上を殺傷した、戒厳令下といってもいいパリで開かれる。 地球温暖化は早くから議論され、徐々にそれが緊急なものと報道されるものの、なにせその議論のスパンが百年、千年、万年単位なものだから我々の(科学的)知識は精々見積もってこの150年ほどでしかない情報に基づいていることもあって懐疑派の反論もあり、それが政治的にはクリントン政権での副大統領だったアル・ゴアが「不都合な真実」で示した警鐘も加わって少なくとも100年単位、50年単位の問題にまで迫った緊急なものとして我々の頭にぼんやりと登るようにはなっていたのがいよいよサミットとして今回もまた「儀礼的」に行われるようだと冷淡な見方をするものもいる開催である。 この問題の核である石化燃料燃焼による二酸化炭素排出規制を巡っては経済の慢性不況からは完全には立ち直っていない先進国の現在、石化燃料を燃やすのを止めるということは一筋縄ではいかないのは京都議定書がなし崩しに無効化されようとしていることからでも想像できる。 そして特に南北問題に端を発する IS 跋扈の問題を含めて石化燃料資源をどうするかというような厄介な時期の開催ではある。 米・ソ・中の世界戦略を絡めその緊張感が漂うこの会議の動向は地球規模の厄介な問題をどうするのかと政治決断を迫るものであるけれどどうするのだろうか。 少なくともあと50年で2℃の壁を越えてはいけない、すでに0.5℃は上昇しておりまた今迄のように先送りすると、、、というのが一般の意見だろう。

今から50年、100年先にただでは済まないことになると言われても今65歳の自分はそのとき115歳から165歳、多分それまで自分が生きている確率は幾ら延命技術がそれまでに進んでいたとしても115歳から165歳だから確率が1%あれば御の字で多分その時は土となっているのか空中に撒かれていることになっているような者にはそういわれても現実味を欠く。 けれど自分の子孫は生きている。 ま、自分は勝手に子をこしらえてそれが続いて、、、、というのだからそれについては些かの責任があるとしても今の世界をもう定年しているのだから後々のことはそれに続く世代に任せればいいのかとも思うけれど、それは我々が70年代80年代にある程度の経済成長下でそれなりの利潤を謳歌し、今の30代40代の収入と我々のそれと比べると今の壮年の収入は相対的に低いのであってそれを任せきりにするのには些かの呵責を感じないでもない。 お前たちの世代が散々まき散らしてきたではないか、そのツケを俺たちが払うのかと言われても仕方がない。 だからどうすればいいのというのだろうか。

それは個人としてではなく西欧資本主議の発達過程での結果だった、と個人の責任を世界の動向に転嫁する。 そこで浮上してきた産業革命以後現在に至る経済的発展過程及び南北問題に端を発する地球温暖化問題なのだ。 その環境問題を綺麗事として論じ解決のそぶりを見せても実際には何も対処できていなかったそのツケがいよいよ科学的に裏打ちされた地球規模での現象解析によって温暖化の「真実」は資本主義の根幹産業の構造的再編でなければどうしようもないというところまで行っているということが徐々に明らかになってきている。 地球丸沈没の危機を少なくとも「先進国」のリーダーは感じとらざるを得ない状態のようだ。 その時点での COP21 である。 そしてそこでの悪の元凶、石化燃料燃焼が世界政治の舞台で取りざたされる中の米・中だ。 中国では今までに例のなかった大気汚染が冬に入って観測されている。 ロシアは供給元としての責任はあるとしてもそれは捕鯨の問題のように19世紀に捕り尽くしたことが問題でありそれを回復するべく研究目的で捕鯨するのだという議論とはかなり違うもので、自分は燃やしていないということでは問題は解決するかということではまったくなく、石油・ガスなどは太古からと同じく、そんなエネルギー源は国際政治の舞台での重要な戦略物資であることを絡めた議論なのだ。 

19世紀の産業革命以来、というよりも人類はいつもエネルギー問題と格闘してきたのだが特に産業革命以後の石炭・石油・ガス、それに続く原子力による効力化の結果、地球上で初めて人類が地球環境を人工的に破壊する様な二酸化炭素を排出し、このままでは人類の存亡の危機になることを示す指標の精度が音沙汰される時期に来ているのだと言う。 試算ではあと100年で平均気温が2℃上昇すれば控えめに見て水没する国がいくつか出る、それまでに気候の激変も起こり、その兆候がエルニーニョなりゲリラ豪雨の頻出に現れているという声もあるしもう既に0.5℃上がっているからあと50年で1.5℃でということらしい。 このままで手をこまねいていると50年後には2.7℃上昇するという試算もあるようだ。 自分はこの何年もスイス、オーストリアアルプスを歩いて来てそこでのこの150年ほどに起こった氷河の後退の度合いを実際に見てそれは単なる氷河期云々と言う程度でないことを見ているし、そのスケールの大きさには北極、南極での氷の大規模の後退とも通じるというのにも納得が行く。 

明日からこの会議が開かれる前日、オランダの 日刊左派系高級新聞の Volks Krant (大衆新聞) 日曜版 11月29日号に出た風刺漫画を載せる。 温暖化で影響が出るのが海の水位だ。 神は世界を創りオランダはオランダ人が創った、と言われる低地国であってそれぞれの国の最高地点一覧では世界245か国中で210位、321mであるものの、ある意味最下位のモルディブの2mとはあまり変わらない、若しくはそれより低いのではないか。 干拓で国土を創り上げてきた国であり、そんな国を蛙の国と呼んでいるオランダの空の玄関スキポール空港の前に出るとポールの上5mほどのところに帆船が浮かんでいるレリーフがあってその水位がこの国の標準海水位だ。 本来ならもともと湖水地域であったから我々は水面下からその帆船を見上げていることになるのだがそれでも何世紀にも亘って築かれてきた堤防で覆われているからそれに安住し、それをただ単に面白いと興味深く目に見つつ歩き去る、それだけのことである。 そこから20kmほど離れたところに家を持つ自分の土地は傍の運河の水位と同じかそれより1−2m低いかもしれない。 

何世紀にも亘る水と格闘してきて灌漑技術では世界最高位にあるオランダで舅は70年代から30年ほどポルダーの水利管理の公務員として天気予報を基に雨が降れば合羽を被って何時間もポンプ施設を稼働させ水位を15cm以内に保つことを仕事にしてきたのだが15cm以内に抑えるというのはなかなかのものだ。 それがその外枠である海水の水位が何メートルも上がるのだ。 海岸線の補修は絶えず行われており緊急には国際河川の影響による増水に対処すること、貯水湖の増設、1953年の洪水から学んだゼーランド州の保護、等々と莫大な費用がかかることが言われているけれどそれに対する費用は紡対なものとなりそれを保証する財源は心もとない。

だから地球規模での対策が取られなければ新聞の風刺画にあるようにオランダ・カエル国のカエルは燃料エネルギーの燃焼で茹でられてしがみつく地球も沈没するという状況は深刻だということだ。 これに対して賢い若者たちは資本の中枢に働きかける運動を始めていると報道されていた。 これには自分も直接・間接的に関係している。 もともとこの10年ほど、反社会的な企業に投資する、銀行、投資会社、財団などにそれを禁止する条項を付けさせるという運動がおこっているのだが、それに加えてもしそれに呼応するなりそんな態度をみせなければそういう企業から一般市民が預金、投資を引き上げるということを推奨する運動だ。 その例が自分も入っている年金財団だ。 我々の年金を運用するその財団に化石燃料に関する企業に資金運用・投資をさせない、もしそれを続けるなら年金をそこから引きあげるという威嚇をして条項を加えさせるというもので、それには財団側も長期傾向を鑑みて賛同するという態度を取っていたことが画面にでて、少なくとも自分の年金は「汚い」金ではないというでは微力ながら貢献をしているということになる。 

資本主義の元でもある株の売買、投資においても数は多くなくとも形もなく有効的でもない「モラル」を説くのでははなく功利的にみてそういう企業から資金を引きあげて行くという実利主義者が金融の上層部にいることも確かではある。 多分日本ではそこまでの議論はあるのかどうか確かではないものの例えば SEALDs という若者の政治運動の中で環境問題に関しては一顧もされていないというところにも歪なその例をみる。 つまりここでは(民主)政治の根幹を動かす金融をどのように(民主化)するかということに意識はとどいていないということでもある。 日本の環境を守れという若者、壮年の地に着いた具体的な提案・意見を聴きたいとも思う。
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