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2015年11月29日11:59

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´15 秋の日本帰省(4)  歩道橋の下で



アルツハイマーの老母は自宅というか自室では食事を作らずコールがかかるとその介護施設の6階にある食堂に出かける。 その1時間半ほどの間に自分も田舎の駅の近くに散歩がてらでかけビールで昼食を摂る。 同い年の婆さんがやっているお好み焼き屋でお好み焼きを肴にビールを飲んだり、定食を頼むか、この店が開いていなければ陸橋を渡ってもう少し行けばコンビ二、鮨屋、弁当や、餃子専門店にこの日入った和歌山中華そばの店など食事に困らない。 これは自分が住むオランダの町の様子と比べると同じような田舎では考えられないことだ。 それはそれとして、食事を済ませてぶらぶらと道を戻り誰もいない歩道橋の上から関西空港に発着する飛行機を見ていた。 そのうち近くの高校の生徒がぼちぼち駅に移動し始めたのか女子生徒何人かに男子生徒が一人のグループが歩いてくるのが見え、この陸橋にくるのかと思っていた。 つまり駅に行くには広い交差点を越さねば駅に行けないわけでゼブラもない路上を渡るには少々危険もある。 信号があるけれどそれは車両だけのもので大阪南部の大きな環状線の一番端であるからそのような広く車両優先の処置を取られているのだが腹がくちて動きが鈍い自分には路上を歩くリスクは採らない。 17,8の若者には今の時間、交通がまばらなところで陸橋などという面倒くさいものには斟酌せずまっすぐ行くつもりなのだろう。

そしてここまで来るまでにそれぞれコンビニで何か買って道々飲み喰いしながら歩いているのだが、あとからついている男子はどうもオドオドついて行っているように見えるし他の女子がパンか何かを喰っているのにこの男子はちゃんとした弁当を持っていてそれを自分で喰う気配はない。 電子レンジで温められたものであることは確かで、彼らは横切るために車が途切れるまで角で待っていてその間に一人のリーダーらしき女の子がこの男子を呼びその弁当を喰う。 男子は女子が箸を使う間弁当のウレタン箱を支えているわけだ。 女子たちはそれぞれ好きなように喰っているもののこの男子だけが彼女らに仕えるような形に見える。 彼女らにというより他の3人より少し成熟の見える大きめの女子に仕えているように見えるし他の女子もそれを当然のようにみているようにも見受けられる。 ボーイ・フレンド、ガール・フレンドの関係に他の者が少し距離を置いて見ているというのは普通に見受けられ、オランダでは時にこのような年頃の男女一組が路地や公園の端で2,3人の友達がそばにいるのを気にしないで普通に抱き合ってキスをしたりそれ以上のところに行きそうなところで制御して他の友達たちもその熱が少し下がるのを待ってそれが済んだらグループとして群れるというようなことは普通に見る光景だ。  ときには小さな小学生がそんな絡まっている二人をしげしげと眺め、こいつらは一体なにをしているのだという顔で見上げているという微笑ましい光景も見られる。 それに、周りの連中は、あいつとあいつはできているから、ま、仕方がないか、と済むのを待っているという具合だ。

だけとここで少々気になるのはこの男女の関係だ。 明らかに女子が優位に立ち男子を従えているように見えるし他の女子たちはそんな男子を横目にみて笑っているようなのだ。 そのうち車が途切れたのか急いで女子たちは道を渡り相変わらず男子は弁当を捧げて向うに行った。 それに奇妙だったのは女子たちはそれぞれデイパックやショルダーバックのようなものを持っていたけれどこの男子はそんな鞄の類は一切身に着けておらずただ弁当を捧げているだけだった。 いろいろな可能性を考えてみたけれど日本の若者に関してはオランダの若者以上に分からないからそんな思いを放って陸橋を渡り切り彼らが去った後をしばらく母の介護施設の方に歩いて次の交差点で駅に続く道を眺めてみても彼らの姿はとうにない。

小学校の高学年から中学校にかけては女子の成長著しく時には女子の方が小さな男子に様々な点で勝っている場合があるのだが高校生になってもまだそれが残っているのだろうか。

それとも、考えてみれば長い結婚生活について西欧では時には、男は提供して女はそれを消費する、と言われるしそれに思い当たるところも少なからずあるのだが、それがさっき目の前で見たことなのだろうか。 それなら少々哀しい気持ちもしないではない。 男が30を過ぎ40辺りに来るとこの構図を受け入れるようになるものの、高校生でもうこれでは哀しすぎるではないか。 それに、何か妙な嫌な感じがしたのは女々しいあの男子の姿を見たからではなく、それが自分をも含む男の、男は提供し、女はそれを消費する、を体現していたからなのだろう。
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