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2015年11月04日09:01

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【バレエ】新国「ホフマン」/東バ「ドンQ」/Kバレエ「白鳥の湖」

欧米のバレエ新年度は9月からだが、
なぜか日本では10月末から本格始動となり、
そこに年末にかけて海外公演がかぶるので、
「カ〜ニバルだよ〜!?」と嬉しい悲鳴を上げる人もいる。
その前哨戦となるのが、次の3演目。

新国「ホフマン物語」
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/hoffmann/
東バ「ドンQ」
http://www.nbs.or.jp/stages/2015/donquixote/
K「白鳥」
http://www.k-ballet.co.jp/performances/performance201505

「ホフマン」を御覧になった我が師によれば、
オペラのバレエ版といった印象で、
プロローグ+3つの短編+エピローグという構成。

主人公の“ホフマン”が、
なぜそこまで酷い目にあわなければならないのかなど、
演出上の疑問はいくつかあるものの、
戦力を分散せず主役級の踊り手を惜しげも無く投入しているため、
舞台は楽しめたそうだ。

東バの「ドンQ」(31日神奈川公演)は、
早くもユカリューシャ効果が現れはじめていた。
ロシアン・テイストについては、
ユニバーサル・バレエに先行されてしまったので、
驚くほどではなかったが、
中堅どころが息を吹き返しているのが嬉しい。

主役の沖香菜子さんの成長ぶりには目を見張った。
まだまだこれからの人だが、覚えるのが早いとも聞く。
東バ注目の踊り手の1人と言えるだろう。

今回の公演では、
移籍してきた秋元くん(エスパーダ)の
出来にも注目が集まっていた。

技術はたしかに維持していたが、小さくまとまってしまい、
主役に必要な輝きが衰え、テクニックも雑な部分が目立つ。
東バの男性ダンサーは脆弱だから、
いまなら君臨することも可能だろうが、そこで満足してしまうのか、
新芸監の期待に応えてくれるのか、気になるところだ。

新国も東バも底値は脱したようで、
力量の変化曲線は上向きかげん、観るたびに良くなりつつあるが、
見比べてしまうと、やはり「Kは上手い」というのが、
我が師との共通の感想。

3日の「白鳥」は、主役が初役の白石さん、
周囲もセカンドだったにもかかわらず、
仕事の関係で諦めた週末公演が観たくなる出来。

白石さんはベテランらしく、
初役でもあがることなく実力を発揮していた。
役の解釈は直球だが、
動きの強弱を強調することで、
オデットの気持ちが手に取るように伝わってくる。

オディールでは、バランスを長時間保ったり、
ダブルを織り込んだ高速フェッテを披露するなど意外な面も。
技術があるのはわかっていたが、
それを誇るような演出はしない人だと思っていたからだ。

シーソーのようなバランスや、
終盤乱れ気味のフェッテは改良の余地有りだが、
初役だからと慎重に、無難にこなすのではなく、
攻めの姿勢の意思表明と受け取った。(笑)

相方の宮尾くんの出来もまあまあで、
ゆったり大きな動きは相変わらず優雅、
オディールのヴァリのあとの自分の番では、
喜びの感情を前面に出した良い踊りだった。

ベンノを演じた益子くんは、
技術の正確さと勢い、美しさ、踊り手としての存在感、
すべての面で東バの秋元くんよりもレベルが上。
まずバレエありきの、
非常にストイックな生活をしているというから、
彼は今後も伸び続けるだろう。

配役表を眺めているだけで、
3幕のキャラダンはわくわくするのだが、
実際の舞台は、残念ながらそうでもない。

2組に分かれて登場していた姫様たちを1本に絞ったりと、
振付/演出には相変わらず手が入っているのだが、
アクセントの付け方が弱く、
個人的にはいまひとつ盛り上がらないからだ。

つい、「マールイが観たい」と思っていたら、
お師匠さまも同じことを考えていたそうだ。
ここのダンサーたちは、コツさえ掴めば、
ぜったい出来るはずだから、余計もやもやする。

松岡さんのインタビューから推して、
ここの課題は教師だろう。
早急にロシアや英国から上級指導者を招かないと、
宝の持ち腐れになる可能性がある。
ニーナさんのつてで、なんとかならないだろうか。

3000円だったプログラムが、2000円になっていた。
新国のように、過去公演の焼き直しかと思ったら、
記事を減らし、広告が増えていた。
白石さんのインタビュー/紹介もない。

いま売り出し中なのは中村さんだというのはわかるが、
これまでは初役の人たちにも、ちゃんとスポットを当てていたのに。
ここのもうひとつの課題は、
値段に見合った内容のプログラムの作成だろう。(笑)

Kの「白鳥」は、まだ木、土、日と3公演ある。
中でも気になるのが、
土曜日の浅川(白)/小林(黒)組の日。

というのも、白黒を別役にするのは、
ダンサーの力量不足を補う苦肉の策、
というのか一般的だが、
ここには「吉田都バージョン」がある。

体力的に全幕をフルで踊るのはきついから、
という都さんの事情で生まれた版で、
4幕には白黒2人が登場する。

1人バージョンの単に配役を変えるだけなのか、
それとも都版になるのかは不明だが、
浅川さん、小林さんとも技術に不安はないから、
さぞ見応えのある舞台となることだろう。

心配なのは、公演数がめっきり減ってしまった、
浅川さんの体調だ。
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