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2015年10月30日04:38

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路上ライブ

僕が自作の作品を発表したのは何時だったろうか。

高校の時、放送部に入っていた。


近所の主婦から1通の手紙をもらった。

主婦が財布を落とした時、息を切らせながら走って来た学生がいた。

はいと、財布を渡された。


そのまま一礼して走り去ってしまった。

お礼も言えぬまま。


とても爽やかな学生さんだった。

学帽からお宅の学校と分かり、


お礼の手紙を出させて頂きました
・・・。


その手紙を昼の食事の時に全教室に放送しました。

それが評判良かったので、

毎日僕の詩とか日々に感じたことを朗読したのが始まりでした。

しかし、あまり評判が良くなかった。

朗読が未熟のためとしておきます。

それから、大学時代は都内のガード下を利用してゴザを敷いて毎日書いた雑多な作品集を売っていましたが、

近くで片腕片足を戦争で無くしたという白衣の男性がいたので、

目立たなく、怠け者かこじき位しか思われなく、

まったく路上ライブは散々たるデビューでした。

夕方ふて寝していて、目が覚めたら空き缶に千円札が入っていました。

メモを添えて。

中々いいこと書いているわね。

一冊頂くは。

筆文字が上手ね

風邪引かないでくださいね。


感激しました。

きっと美しい人に違いない!

私が初めて売れた時の思い出です。

しかし、二度と彼女は現れませんでした。

警察の指導でそこにいられなくなり、路上ライブは終わりました。


何ヵ月かたち、ラジオで、女性アナウンサーが詩を朗読していました。

うん?

どこかで聞いた詩だなあ?


僕の詩でした。

最後にあなたの詩は素敵だね。

路上に久しぶりに行ったけど、あなたはいなかったわ。

良かったら、ラジオ局に送ってね。

あの時の女性は有名な美人アナウンサーだったのでした。

僕は何冊か送りました。

返事が来ました。

逢いたいと。

僕たちは日本橋のガード下で再会したのです。

握手した手の柔らかさが伝わって来ました。

二人は運命を感じ、


温かい恋が


芽生えたのでした。


僕の作品は


路上から



電波となって


全国に川のように流れ

ていきました。


(実際半分、夢半分)


合掌




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