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2015年10月17日12:42

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ラストデート

20代の時の作品です。
赤プリが壊れていくので、懐かしい思い出の作品を探してみました。



今でも思う 



一番愛した人





その日がきた


ラストデート


彼女が上京してきた



東京駅に迎えに行ったとき



激しい雷雨



涙雨が 降って きた



小さい 傘に 彼女と



最後の相合傘



八重洲のホテルに案内した



フロアにいる僕を



彼女は



部屋に一緒に来るように



手招きした




部屋の中で




彼女は




僕の濡れた背広を



タオルで 拭きながら



こんなに 濡れちゃって



こんなに 濡れちゃって




涙浮かべ ながら



拭いてくれた



ふたりは思い出の



銀座を回り



最後のデートを楽しんだ




夜は赤坂 プリンスホテル


夜景みながら



食事 とバーで




エンディングを飾った



彼女は 言った




あなたを 束縛したかった


私の 自由奪って欲しかった




あなたは 優しかった




あなたは心配ばかりさせる



一緒にお見舞いに行った



病院で急にいなくなった


のであちこち探し回ったら



手術室に迷い込んで



困った顔してた



戦地へ取材ですって



ふざけないでよ





迷子になって




流れ弾に



すぐに当たって



死んでしまうわよ



だから




私と一緒でなくてはだめ



と言ったら



悲しそうな



顔してた





泣きながら




笑っていた










だから




もう私みたいに女の人



泣かさないでね




さようなら













と席を立って去っていった






本当に 美しい





女性だった








愛し合っていながら








別れていく








これも失恋か







一生癒せない






深い傷負ってしまった










もう 恋はできない







雨上がりの夜景





梅雨が開け









まぶしい夏が








やってくるのが








切なかった








僕は背中に哀愁を感じながら








レモンと塩を舐めながら






ソルティドッグをあおり









都内の街の雑多に消えていった
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