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2015年09月06日23:31

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【うらめしや〜、冥途のみやげ展】



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【うらめしや〜、冥途のみやげ展
―全生庵・三遊亭圓朝 幽霊画コレクションを中心に―】

東京藝術大学大学美術館にて行われている、幽霊画の展覧会に行って参りました!
毎年夏はこういった涼しくなる展覧会が行われるので、嬉しいですね〜vv
藝大美術館を訪れるのは初めて。
上野近辺はまだまだ未踏の施設が多くて、楽しみ。
丁度藝祭の直前だったようで、周辺はお祭り準備に賑わっていました。
学生さんらしくて、楽しそうですね〜。

今回の展覧会は前期・後期に分かれ、更に9月からは上村松園の「焔」が特別展示されています。
この時期に来れたのは幸運でした(*´▽`*)
タイトルにもある通り、幽霊画の大半は有名な圓朝コレクションを全生庵からお借りしたもの!!
幕末から明治にかけて落語会で名声を博した、三遊亭圓朝。
圓朝は数々の名作落語を後の世に残しましたが、特に得意としていたのが怪談噺でした。
その創作の参考にするため、多くの幽霊画を収集していたことは落語好きには有名な話。
現在そのコレクションは圓朝の菩提寺である全生庵が保管しており、毎年命日の頃行われる圓朝まつりでその一部を拝観することが出来ます。
この圓朝まつり、一落語好きとしていつかは行ってみたいな〜と思っていたのですが…。
今回の展覧会では、前期後期合わせてこのコレクションの全貌が観れるとのこと!!
こんな貴重でありがたい機会はそうそうありませんよ〜!!
落語好きにも怪談好きにも垂涎の展覧会です!!

会場は、美術館の地下2階。
くるくると回りながら降りていく階段、まるで異界への入り口のようで期待が高まります。
まず一章では圓朝という人物に関する資料が紹介されます。
河鍋暁斎や鏑木清方が圓朝の絵姿を描いていたのには驚きました。
同時代とは知っていましたが、交流があったのですね〜。
勿論、暁斎の幽霊画はコレクションの中にも。

二章の圓朝コレクションでは照明もぐっと落とされ、怪しい世界が広がります。
天井からは蚊帳が吊られ、雰囲気もばっちり!
筆者不詳の作品も多いのですが、今で言うヘタウマ?みたいな自由な恐ろしさがありました。
そんな中、柴田是真や高橋由一みたいなビッグネームが出てくるのには驚かされましたが。
好きなのは、
伊藤晴雨「怪談乳房榎図」
実物を観れたのは嬉しかったです!これは凄まじい迫力!
姑獲鳥や飴買い幽霊など母子の画は多いですが、父から子への情愛というのもいいですよね…。
そして有名な、円山応挙が描いたと言われる「幽霊図」
これも本物が観れて嬉しかったです。
他の画がおどろおどろしい幽霊が多いのに比較して、この幽霊の静謐で儚い美しさと言ったら…。
静かな佇まいに、様々な想像が広がります。
可愛かったのが、歌川芳延「海坊主」
これどんなシチュエーションで飾るのでしょうか?
ぬぼーっと佇む黒い影が、怖さ以上に可愛いったらないです。
海で亡くなった魂の集合、と言うよりも、もっと大きくて得体の知れない自然に近い存在のように感じました。

三章では錦絵が紹介され、四章では≪うらみ≫に焦点を当てた作品が紹介されます。
上村松園「焔」は一番最後に展示されていました。
これはまず大きさに驚きました!
等身大…か、それ以上もありそうな大きさ。迫力がありました。
嫉妬に狂い生霊となった六条御息所。確かに金泥を施された瞳は、下から見上げると涙で濡れているようにも見えました。
愛が憎しみに…そして≪うらみ≫に変わる時。
醜く、悲しくも美しい…そんな妖しい魅力が、古典作品には多く登場しますね。
うらめしや……今回の展覧会のトリを飾るに相応しい作品でした。

観覧後は、ショップで図録を購入。
ショップの店員さんも死に装束姿。さすが…!
この図録ですが、勿論前期後期両方の作品全てが紹介されていますので、圓朝コレクションの資料としても素晴らしいです!!
これだけでも東京に来た価値がある…感涙(ノД`)・゜・。
大満足の展覧会でした…!!


   


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