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2015年07月22日05:34

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テントに風を通す




今月の末から来月の初めにかけて1週間ほど息子が運転する車でイギリスに行く。 35年ほど前に家人の陶芸の先生だった婦人が今は80近く、ヒッピーまがいのパーティーをやるから来ないかと誘ってくれたので出かけることにした。 ケンブリッジの近くにグランチェスターという村があってそこに工房を構えているのだが家は単身者のためのものだから息子と3人が押しかけるにはスペースが足りないので近くのキャンプ場にテントを張ってそこに泊まることにした。 パーティーは何十人かの招待客が近くの森で一晩中たき火を囲んで飲み食いおしゃべりするというだけのものだが「青い月」と題してこの何年かやってきたプロジェクトのエンディングだそうで本物のヒッピーたちが集まると言うけれど、そんな人たちは今では皆爺さん、婆さんたちでしかなく、だからそんな人たちがイギリスではこの30年ほどどうして過ごしてきたのか時代の移り変わりに対してどんな感想を持っているのか聞くのを楽しみにしている。

そこにいるのは2日ほどであとはそこから60−70km北上して北海沿いにオランダに向けて頭を突き出しているような形の海岸線を何日か歩く予定をしている。 だからこのテントが必要になるのだ。 考えてみればこのテントを買ったのはもう15年ほど前で子供たちもまだ小さく家族4人でも寝泊りできたけれどもうだめだ。 4人で寝泊まりしたのは買ってから4,5年のことであとは前からあった1人用のテントと組み合わせて自分は一人だけ鼾部屋、あと3人はこのテントで、ということだったのだけれどこの7,8年フランス、スイスやオーストリアの山を歩くのにベースキャンプとして使っていた時は荷物も多くスペースも小さくなったので義弟から借りた牽引車に積んだもっと大きい折り畳みのテントを住まいにしていた。 けれどそれも家族4人が何日か居住するとしてのことで子供たちが中学の上級生から高校になると親とは夏休みに一緒に行動すると言うよりも友達のグループであちこちへ出かけるようになったので夫婦二人や、それにその時こどものうちの一人がドイツかスペイン、イタリアに行った帰りに数日だけど寄るといったときにはこのテントを使っていたかもしれない。 けれど少なくとも我々夫婦にはもうこのテントを使った記憶はかなり遠いものになっている。 

子供たちがガールフレンドやボーイフレンドと一緒にフランスを車で廻ったりスペインやイタリアに行くと行った時にはこのテントを持っていっていた。 一番最近は息子がガールフレンドと二人南フランスを旅行した時に持って行ったはずだ。 それが2年前だっただろうか。 それまでに2年ほどつきあっていて彼女の両親もうちやむこうの家で会って何度か一緒に飲み食いをしていた。 それが二人とも仕事を持つようになり方向も違って行ったからとアメリカでいえばステデイーの関係を自然解消と言うような形にしたというのを二人から聞かされた。 二人とも互いに不満があるわけでもないけれど仕事をするようになれば顔を合わせる機会がなくなるからだと言った。 わかるようなわからぬような話ではあるけれどそういうことなのだろう。 二人とも仕事を始めて遠く離れてで忙しい日々を送っているとそうなるのかもしれない。  けれど学生団の仲間と一緒の折には半年に一度ぐらいはまだ顔を合わしているようで、ふたりともどちらにもまだ決まった付き合う相手はいないようだ。  娘にしても状況は同じようなもので、だからこのテントはこの2年ほど使われていない。 今日こんな上天気を機会にそんなテントに風通しをすることにしたのだった。

裏庭に張るには少々場所を取るので家の前の緑地に張った。 今の時期、家族でバカンスに出かける家族は、特にこどもたちがまだ小学生のころにはこのようなテントで出かけるのが多いし、義弟からかりた牽引車に折りたたんだようなテントを広げる家族も見られる。 家の通りも皆高齢化してきてほとんどの家族が子供たちが家を出る時期になっており、家族か夫婦二人でバカンスに出かけるのなら家財道具一式を積んだキャラバンと言われる牽引車を引っ張っていくかキャンピングカーで行く、という形になってこのような比較的小さいテントで出かけると言う家族はここからはなくなっている。 こんなことをするのは30軒ほどならんだ通りでは1軒か2軒ぐらいかもしれない。 我々がここに越してきた23年前にこの通りで見られる子供は唯一うちの子供たちで後は爺さん婆さんのところに他から来る孫たちだった。 通りをいくつかいくと様子が変わりいくらでも子供は見られる。 子どもたちが小学校に行く頃になると今の時期、夕食後のいつまでも暮れない夕べにはこの緑地でサッカーや三角ベースの野球をして遊んだものだ。  それが子供たちが中学に上がる頃になると広い緑地の中ごろに点々とポプラや白樺の木を植えてそんなことが出来ないようになったのだが今やそんな木々も大木になっている。 だからテントを張り終わってちょっと汗をかいたから影をと見渡すとすぐ近くに白樺の大きな影があるといった具合だ。 

何年か前にイングランドとスコットランドの間にある湖水地方を歩いた。 この時期だったように思うけれど意外なことに夏はイギリスは降水量が一番多い時期だったと記憶していて、実際10日ほど歩いた中では雨や霧の中を歩いた記憶があるから今回そういうことの無いよう期待するけれど期待は屡裏切られる結果となることもあり、それは分からない。 まあ晩飯はあちこちにあるパブで喰うことにしているからテントはただ眠るだけのことで車にも煮炊きする簡単な台所道具の荷物を詰め込む必要はない。 
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